AIエンジニアは、ChatGPTに代表されるAIに関するエンジニアです。世界中で注目を集めています。
エンジニア初学者の中には、「AI興味はあるけど、何から始めればいいのかわからない」という方も多いでしょう。
この記事では初学者の方に向けて「AIエンジニアについて」解説しています。AIエンジニアへのなり方や必要なスキルなども紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
AIエンジニアとはAIのプロフェッショナル
AIエンジニアは、人工知能技術を駆使して新たな価値を生み出すプロフェッショナルです。
複雑なデータを解析し、機械が学習するためのアルゴリズムを開発する業務を担っています。例えば、音声認識や自動運転車、医療診断支援システムなどです。私たちの生活を便利にする多くの技術がAIエンジニアの手によって開発されています。
そんなAIエンジニアになるには、まず以下の項目を知っておきましょう。
- AI技術の基本
- データサイエンスとAI
AI技術の基本
AI技術の基本は、機械に「学習させる」ことです。人間が経験から学ぶのと同じ原理で、機械に大量のデータを与えて判断基準を身につけさせます。
例えば、写真に写っている物体を識別するなら、何千何万という画像を分析させて、猫や犬などの特徴を認識するようになります。
DALL-E3などの画像生成AIでも同じで、多くの画像・イラストを分析させた結果、非常にクオリティの高い画像を生み出せるようになりました。詳しくは以下の記事をご覧ください。
https://envader.plus/article/240
AI技術は、機械に学習させることが基本だと認識しておきましょう。
データサイエンスとAI
データサイエンスは、膨大なデータの中から有用な情報を見つけ出し、分析する技術です。AIの発展に不可欠な分野となっています。
AIエンジニアにとってもデータサイエンスは必須です。例えばSNSのトレンドを分析し、消費者の購買行動に影響を与えるような新しいアルゴリズムを開発したとします。これにより、企業はマーケティング戦略を練る際に、より精度の高いデータに基づいた意思決定を行うことが可能になります。
IT技術を用いた事業戦略が必須となっていくであろう現代において、必須の技術と言えるでしょう。
AIエンジニア入門のための5ステップ
AIエンジニアになるためには、段階を踏んで目指す方法が最も効率的です。AIエンジニアとしての基礎を固め、実践的な技術を身につけることができます。以下の手順で学びを深めていきましょう。
- AIで実現したい目的や課題を決める
- Pythonの基礎を身につける
- 数学・統計の知識を学ぶ
- AIプログラミングについて学ぶ
- オリジナルのプログラムを開発する
Step1: AIで実現したい目的や課題を決める
まず、AIエンジニアを目指すにあたって、目的や課題を決めましょう。何を成し遂げたいのか、どのような問題を解決したいのかを決めておくことで、目標を持って学べます。例えば以下のような形です。
- 医療分野で診断の精度を高めたい
- 交通システムを効率化したい
具体的な目標であるほど、学習の方向性を定められます。漠然とした目標よりもモチベーションを維持できるでしょう。
Step2: Pythonの基礎を身につける
次に、AIエンジニアとして必須のプログラミング言語である「Python」の基礎を学びます。
Pythonは、その読みやすさと書きやすさから、初心者にも扱いやすい言語です。実際に、多くのAI関連のライブラリやフレームワークがPythonで書かれています。
基本的な文法を習得することが、AI開発の第1歩です。
Step3:数学・統計の知識を学ぶ
AIエンジニアは、アルゴリズムの背後にある数学的な原理を理解しなければいけません。特に以下の分野は理解しておきましょう。
- 線形代数
- 微分積分
- 確率統計
こうした数学的な知識は、データを分析し、モデルを構築する際の基盤となります。原理を理解すれば難しくはないので、文系出身の方でも安心してください。
Step4:AIプログラミングについて学ぶ
次にAIプログラミングの基本を学びます。機械学習モデルの構築やニューラルネットワークの設計を身につけましょう。
Step2で学んだPythonを使用して、簡単なAIプログラムを書いてみることから始めます。理論だけでなく実践的なスキルも身につけることができます。
1度で上手くいくことはほとんどないため、トライアンドエラーを繰り返すのがポイントです。
Step5:オリジナルのプログラムを開発する
最後に、学んだ知識とスキルを活かして、自分だけのオリジナルプログラムを開発します。
自分で考えたアイデアを形にすることは、AIエンジニアとしての創造性を高めるだけでなく、実際の問題解決能力を養う上でも非常に有効です。
例えば、日常生活で感じた不便を解消するためのアプリケーションを作成するなど、実用的なプログラムを開発しましょう。身近に感じているため、モチベーションを維持して取り組めます。
オリジナルのプログラムが開発できたら、ポートフォリオでアピールポイントとして活用することをオススメします。
なお、技術者のポートフォリオについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ確認してください。
https://envader.plus/article/123
AIエンジニアと機械学習プロジェクト
AIエンジニアは、機械学習プロジェクトの成功に不可欠な存在です。機械が人間のように考え、学び、作業を行うためのプログラムを作成します。「マシンラーニング」とも呼ばれています。
例えば、チャットボットの開発では、顧客の質問に自動で答えるシステムを構築しなければいけません。このような場合、AIエンジニアが人工知能の知識を活かし、複雑なアルゴリズムを用いて、機械が自然な対話を行えるようにプログラミングします。
2020年にはヤマト運輸が機械学習の技術を応用して、宅配便の集配を行う営業所における、業務量予測の精度向上に取り組んでいます。(日経XTECHより)
こうした取り組みは、今後ますます増えていくでしょう。
AIエンジニアにオススメの資格
エンジニア初学者の方がAIエンジニアを目指すにあたって、オススメの資格は以下です。
- G検定
- E資格
- AWS Certified Machine Learning-Specialty
- Professional Data Engineer
- AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentals
- AI-102: Designing and Implementing a Microsoft Azure AI Solution
- DP-100: Designing and Implementing a Data Science Solution on Azure
- データサイエンティスト検定 リテラシーレベル
- 統計検定
これらの資格は、AI分野でのキャリアアップやスキルアップを目指す方に有益です。資格取得を通じて、AIIエンジニアとしての市場価値を高められます。
AIエンジニアのキャリアパス:オススメの4つの進路
AIエンジニアは、IT技術の最前線で活躍する職種です。専門性を深めれば、多様なキャリアパスを選択できます。中でも以下は代表的なキャリアパス候補です。
- 機械学習エンジニア
- データサイエンティスト・データアナリスト
- AIエンジニアとしてキャリアアップ
- マネジメント職
機械学習エンジニア
機械学習エンジニアは、AI技術の中核をなす重要な役割です。主にプログラミング分野を担います。
膨大なデータをシステムに学習させる機械学習システムの開発から実装までを担当するため、AI開発には欠かせません。以下のスキルが必要です。
- 機械学習に関する知識
- ディープラーニングに関する知識
- Pythonに関する知識
- 数学的知識
現在のAI技術の根本とも言われている技術のため、必要なスキルは多くあります。微分積分学といった数学的知識も身につけていきましょう。
データサイエンティスト・データアナリスト
データサイエンティストやデータアナリストは、膨大なビッグデータを解析し、導き出した結果から改善施策の立案を行う存在です。以下のスキルを求められます。
- データ分析のために必要なプログラミングスキル
- 統計学に関する基本的な知識
- 課題解決に向けて動けるコンサルティング能力
- コンサルティングスキル
- マネジメントスキル
- コミュニケーション能力
- ビジネススキル
AIに関するスキル以外に必要なスキルが多くあります。ビッグデータに関する知識はもちろん、分析や統計スキルは必須です。施策の立案もするため、コミュニケーション能力やビジネススキルも問われます。
付加価値の高い役割であるからこそ、多くのスキルが必要な仕事です
AIエンジニアとしてキャリアップ
AIエンジニアとしてのキャリアアップとして、自分の専門分野を磨く方法があります。例えば以下の技術です。
- データ解析技術
- 画像解析技術
- 自然言語処理技術
最新の技術動向に常にアンテナを張り、学習を続けましょう。AIに触れている中で、楽しんで仕事をしているかどうかで判断すると、専門線を極めやすくなるのでオススメです。
マネジメント職
AIエンジニアとしての技術だけでなく、プロジェクトやチームの管理能力を身につければ、マネジメント職への道も開けます。例えば以下のような業務です。
- スケジュール管理
- タスク管理
- メンバー管理
マネジメント職は、エンジニアとは違ったスキルを求められます。新しくスキルを習得しなければいけませんが、マネジメント経験という点で強みになります。
技術的な知見を活かしながらプロジェクトの方向性を決定し、チームをリードできる存在は、今後ますます需要が高まっていくでしょう。
AIエンジニアが注目するべき最新トレンド
AIエンジニアにとって技術のトレンドを追うことは、業界での競争力を維持する上で不可欠です。特に注目すべきは、以下の3つの分野です。
- 自然言語処理の進化
- 画像認識技術の革新
- 自動化とロボティクスの統合
自然言語処理の進化
自然言語処理(NLP)は、人間の言葉をコンピュータが理解し、処理する技術です。近年は多言語対応や感情分析など、より高度なNLPが求められています。
例えば、SNSの投稿からユーザーの感情を読み取り、マーケティング戦略に活用するといった形です。
インバウンドの影響もあり、自然言語処理は今後ますます注目されていく領域です。トレンドとして抑えておきましょう。
画像認識技術の革新
画像認識技術は、セキュリティから医療診断まで幅広い分野で使われています。ChatGPT-4Vでも話題になったため、記憶にある方は多いでしょう。
画像認識技術が進化すれば、スマートフォンのカメラだけで病気を診断することも可能です。
生活水準を向上させる技術として、より注目を集めていく技術と予想できます。
ChatGPT-4Vについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ確認してくださいね。
https://envader.plus/article/236
自動化とロボティクスの統合
自動化とロボティクスの統合は、労働集約型の作業を効率化できます。製造業を例に取ると、ロボットが人間の作業を補助し、生産性の向上に貢献しています。
特に製造業は、人手不足で悩んでいます。限られた人員で効率的に製造を続けるには、AIによる自動化は必須です。
AI Market「製造業のAI導入・活用事例20選!生産性向上・工場自動化は可能?【2023年最新版】」によると、既に多くの企業がAIを導入して効果を実感しています。
この流れは今後増えていくと予想でき、AI技術のトレンドとして意識しておいた方が良いでしょう。
AIエンジニアのまとめ
AIエンジニアは、AI技術が進歩している現代において、需要が高まっているエンジニアです。初学者の方が目指す場合は、AIエンジニアとして実現したい目的を定めてから学んでいくと良いでしょう。
キャリアパスも豊富にあるため、得意な分野を伸ばしやすい職種です。最新のトレンドをキャッチしながら、スキルを身につけていってください。
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【番外編】USBも知らなかった私が独学でプログラミングを勉強してGAFAに入社するまでの話
プログラミング塾に半年通えば、一人前になれると思っているあなた。それ、勘違いですよ。「なぜ間違いなの?」「正しい勉強法とは何なの?」ITを学び始める全ての人に知って欲しい。そう思って書きました。是非読んでみてください。
「フリーランスエンジニア」
近年やっと世間に浸透した言葉だ。ひと昔まえ、終身雇用は当たり前で、大企業に就職することは一種のステータスだった。しかし、そんな時代も終わり「優秀な人材は転職する」ことが当たり前の時代となる。フリーランスエンジニアに高価値が付く現在、ネットを見ると「未経験でも年収400万以上」などと書いてある。これに釣られて、多くの人がフリーランスになろうとITの世界に入ってきている。私もその中の1人だ。数年前、USBも知らない状態からITの世界に没入し、そこから約2年間、毎日勉学を行なった。他人の何十倍も努力した。そして、企業研修やIT塾で数多くの受講生の指導経験も得た。そこで私は、伸びるエンジニアとそうでないエンジニアをたくさん見てきた。そして、稼げるエンジニア、稼げないエンジニアを見てきた。
「成功する人とそうでない人の違いは何か?」
私が出した答えは、「量産型エンジニアか否か」である。今のエンジニア市場には、量産型エンジニアが溢れている!!ここでの量産型エンジニアの定義は以下の通りである。
比較的簡単に学習可能なWebフレームワーク(WordPress, Rails)やPython等の知識はあるが、ITの基本概念を理解していないため、単調な作業しかこなすことができないエンジニアのこと。
多くの人がフリーランスエンジニアを目指す時代に中途半端な知識や技術力でこの世界に飛び込むと返って過酷な労働条件で働くことになる。そこで、エンジニアを目指すあなたがどう学習していくべきかを私の経験を交えて書こうと思った。続きはこちらから、、、、
エンベーダー編集部
エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。
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