エンジニアにとってポートフォリオは関係ないものと思っていませんか?
ポートフォリオは、他の職業と同じくエンジニアにとっても重要です。この記事ではエンジニアのポートフォリオについて解説しています。
ポートフォリオは、エンジニアの実績を客観的に示してくれるツールです。ポートフォリオを作るメリットや作り方を紹介しているので、ぜひ確認してくださいね。
ポートフォリオとは営業資料という意味
ポートフォリオとは、直訳すると「折りかばん」「書類入れ」といった意味となります。その名の通り、自分の書類を1つにまとめた資料のことです。営業資料と言い換えても良いでしょう。
主に利用している職業として、デザイナーが有名です。
- 実績
- 能力
- 経歴
- 作品集
こうした情報を網羅的に掲載するため、どういう人物なのかすぐにわかるメリットがあります。自身の能力を証明するツールとして、就職・転職など幅広く活躍してくれます。
エンジニアのポートフォリオは経験・未経験で変わる
エンジニアのポートフォリオも、基本的にデザイナーと同じです。自分の実績や能力を証明するために作成します。
ですが、気になるのは経験です。エンジニアの方の中には、未経験の方もいるでしょう。ここでは経験・未経験に分けて、それぞれどのようにポートフォリオを作るのかを解説します。
経験者の場合
既に様々なプロジェクトを経験しているエンジニアの方の場合、以下を必ず記載しましょう。
- これまで参加したプロジェクト
- これまで作成したアプリやサービス
上記を主軸に作成するのが基本です。作成したアプリやサービスがある場合は、具体的な数字を記載することで、更に資料としての説得力が増します。ユーザーの使用数などが代表格です。
客観的に実績とわかる内容を記載してくださいね。
未経験の場合
未経験の場合、経験者と違って書き込む実勢がありません。そのため、以下の項目を重視してポートフォリオを作成してください。
- 0からどの位の作品を作れるか
- コーディング技術があるか
これらを主軸にすると良いでしょう。ポートフォリオを作る際、ついデザインにも凝ってしまいがちですが、無視して構いません。それよりも、誰が見てもわかりやすいコードで書かれているかが重要です。
ポートフォリオを見る人は、その人の能力を判断したいと考えています。誰が見てもわかりやすいコードを書くことが、最も判断しやすい材料となるのです。
エンジニアがポートフォリオを作るメリット
ポートフォリオは非常に有用なツールです。ですが、エンジニアがわざわざポートフォリオを作るメリットは何があるのでしょうか。
それには、以下の4つが理由として挙げられます。
- 営業ツールとして使える
- 書類選考時に有利になる
- 実績・技術力の証明になる
- ポートフォリオが必須の事が多い
営業ツールとして使える
ポートフォリオは営業ツールとして使えます。最も活躍する場面の多い使い方でしょう。
コミュニケーションが苦手な方の場合、ポートフォリオがあることによって質問を想定できる点もメリットです。
自分のスキルや能力を客観的に証明するのは、一定のコミュニケーション能力が求められます。企業が求めるスキルを持っているのにも関わらず、説明できずに見逃されるなんてことがあるほどです。
ですがポートフォリオがあれば、相手側にも伝わります。実績を元に作成するため、説得力もあります。営業ツールとして、頼りになる存在となってくれるでしょう。
書類選考時に有利になる
採用する側にとっても、ポートフォリオがあるとありがたいと感じる部分が多くあります。特に書類選考時が顕著です。
- 職務経歴書のみ
- 職務経歴書+ポートフォリオ
以上のどちらを評価するのかとなれば、後者になります。エンジニアでポートフォリオを作っている方はそれほど多くないため、作るだけで頭一つ抜け出せるのです。
未経験の場合でも同様で、ポートフォリオがあるだけで客観的な指標となります。就職・転職時にポートフォリオが有利な理由には、そうした側面もあります。
実績・技術力の証明になる
ポートフォリオは、自身のスキルや能力を客観的に現したツールです。持っている技術力の担保としての機能にも期待できます。
エンジニアのポートフォリオでは、更に以下の点のアピールも可能です。
- 作品の構成
- 表示速度
- コードの質
こうした情報があることで、その人の人物像を想像しやすくなります。ポートフォリオが無い場合と比べて、評価する軸が増えることにも繋がります。
ポートフォリオが必須の事が多い
エンジニアは即戦力を求められやすい職種です。就職や転職はもちろん、フリーランスとして仕事を受注する際にポートフォリオを求められる場合が多々あります。
ポートフォリオがあることで選考の手間を省き、採用時のミスマッチを防ぐ効果にも期待できるからです。
そうした理由から、ポートフォリオが無いと面接すら受けられないケースすらあります。技術力を測る指標として、ポートフォリオがいかに重視されているかがわかる事例です。
エンジニアのポートフォリオの作り方・作成手順
実際にポートフォリオを作る際、どのような手順で進めれば良いのでしょうか。ここからは、エンジニアの方がポートフォリオを作る際の進め方について解説します。
以下の手順で進めればOKです。
- アプリやプログラムを作る
- ソースコードを公開する
- アプリの概要をまとめる
- スキルシートを作る
- レイアウトをまとめて公開する
Step1.アプリやプログラムを作る
まず、自分のスキルや能力を証明するためのアプリやプログラムを作ります。制作物を用意するわけですね。既にある方は、手順を飛ばしてOKです。
就職したい企業がある場合は、そのかんきょうで 使用されている言語や技術を使いましょう。
制作物は、自分の持つアイデアやスキルを盛り込んだものが好まれます。オリジナリティ溢れる制作物を作ってくださいね。
Step2.ソースコードを公開する
アプリやプログラムを作成したら、次は制作物のソースコードを公開します。完成した制作物だけではなく、どの言語を使ってどのように開発したのかも重要視されるためです。
ソースコードを公開するサービスは、以下が代表格となっています。
- GitHub
- レンタルサーバー
- Amazon Lightsail
コストをかけたくない場合は、無料で利用できるものがオススメです。自社サイトを運営しているのなら、動線を作っておくことで更に情報を追加できます。
Step3.アプリの概要をまとめる
次にアプリの概要をまとめます。以下を記載してください。
- 使用した技術
- 技術を使った理由
- 開発の意図
- 苦労したポイント
- こだわったポイント
これらがあることで、説得力が増します。見た人がひと目で分かるように、ポイントを抑えて見やすくしましょう。
情報だけでなく、苦労した部分やこだわった部分があれば、より魅力的なポートフォリオになります。ぜひ盛り込んでみてください。
Step4.スキルシートを作る
次に、今までの自身の経歴をまとめます。以下の情報を載せてください。
- 氏名
- 経歴
- 活かせる経験や知識
- 保有技術
- 得意分野
- 現在学んでいること
- Webサイトやブログ
- SNS
- 連絡先
ポートフォリオを見るだけで、その人物がわかる程の情報量です。これらがあることで、より人となりを判断できます。自分のWebサイトやブログで精力的に活動している方は、参考資料としてぜひ掲載してください。
Step5.レイアウトをまとめて公開する
スキルシートまで作成したら、後は公開するだけです。
ただしすぐに公開するのではなく、レイアウトを見やすく整えましょう。ポートフォリオは相手に送るプレゼントのようなものです。知りたい情報がわかりやすいかは、重要なポイントとなります。
デザインが自己満足になっていないかを判断した上で、公開してください。公開後も適宜変更し、常に最新の状態を保つよう心がけましょう。
エンジニアのポートフォリオ例
ここからは、エンジニアの方のポートフォリオを紹介します。作成の際の参考にしてくださいね。
Naoto Suzuki’s portfolio
LPと同じデザインで、1ページで基本的な情報を確認できるようにしているポートフォリオです。
- 自己紹介や経歴
- スキルレベル
- 保有する資格
- 作成したアプリやサイト
- 連絡先
これらが簡潔にかつわかりやすくまとめられています。忙しい方でもすぐに確認できるホスピタリティに溢れています。
見やすくわかりやすいポートフォリオの良い事例です。
Yohei Munesada’s Portfolio
画像引用:Yuhei Munesada’s Portfolio
トップページがメニューと文字だけという、シンプルさを追求したポートフォリオです。しかし、文字にカーソルを持っていくと、溶けるようなアニメーションが再生されます。印象に残りやすいデザインです。
- 自己紹介
- 作成したアプリやサイト
- ブログへのリンク
- 連絡先
これらの他、在籍した企業や紹介された記事などにはリンクが貼られています。ワンクリックですぐに確認できるため、情報を得やすいデザインです。
エンジニアはポートフォリオを作っておくべき
エンジニアでもポートフォリオは必要です。自身の実績・技術力の証明にもなるため、営業ツールとして様々な場面で活用できます。近年はポートフォリオが必須のことも多く、ますます必要性が増していくでしょう。
ポートフォリオの作成は簡単です。制作物を中心に、相手が知りたい情報をまとめていけば作れます。ただし、見やすく工夫することが重要です。伝わらなければ意味がないため、プレゼンだと思って見やすいポートフォリオを心がけてくださいね。
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比較的簡単に学習可能なWebフレームワーク(WordPress, Rails)やPython等の知識はあるが、ITの基本概念を理解していないため、単調な作業しかこなすことができないエンジニアのこと。
多くの人がフリーランスエンジニアを目指す時代に中途半端な知識や技術力でこの世界に飛び込むと返って過酷な労働条件で働くことになる。そこで、エンジニアを目指すあなたがどう学習していくべきかを私の経験を交えて書こうと思った。続きはこちらから、、、、
エンベーダー編集部
エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。
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