こちらの記事は、量産型エンジニアの末路というテーマで解説します。エンジニアとしてのキャリア構築の参考にして頂ければと思います。
量産型エンジニアとは?
私たちは、「量産型エンジニア」を以下に該当する方と定義しました。
項目 | コメント |
---|---|
インターネットの仕組みを説明できない | TCP/IP?となる方は論外 |
サーバーの仕組みを説明できない | Linuxってなに?という方は論外 |
プログラミングの基本原則を知らない | オブジェクト指向ってよくわからないという方は論外 |
ウェブの基礎を知らない | Cookie,jwt周りを適当に理解している方は論外 |
システム設計の基礎を知らない | アーキテクトという職を認識できてない方は論外 |
サイバーセキュリティの基礎を知らない | XSSやSQLインジェクションを知らない方は論外 |
さて、あなたはどうだったでしょうか?きっと1つくらい当てはまることがあったのかと思います。そして、今、あなたの中からこんな反論が出てきていることを予想しています。
- インフラ系でないから、TCP/IPなんて知らなくてもいい
- ウェブ系でないのだから、Cookie周りは知らなくてもいい
- サイバーセキュリティなんて、どこで使うんだい?
筆者は、何者?
私たちは、IT教育を軸に活動するEdTech企業の社員です。
プログラミングスクールRareTECHを作ったり、企業向けのエンジニア研修を担当したり、受託開発やITコンサルティングを提供する企業です。延べ2000名以上のエンジニアの教育に携わってきました。
年齢層としては、20代-50代、経験年数としては、完全未経験-15年目のベテランのような幅広い方々を指導してきました。
そんな私たちは、「どうしたら、より質の良いエンジニアが教育できるのだろうか?」と日々研究しております。そして、「幅広い分野で基礎知識を抑えることが大切だ」と結論付けました。
ここからは、なぜ「量産型エンジニア」という言葉を定義したのか、何がよくないのか?について解説します。
IT業界は、プロ野球の世界と似ている
私たちは、現在のIT業界を「プロ野球業界」と似ていると観測しています。
つまり、その人が出すパフォーマンスによって、待遇・給与・働き方に大きく差が出ているということです。
Aさんは、福利厚生の少ない企業に出社して、夜勤保守や早朝保守をしている一方で、リモートで働き、年俸4桁を超える給与をもらっているBさんがいるということです。
同じ「ITエンジニア」という括りの中で、このように大きな差が出てしまっています。そして、私たちは、この差は「量産型エンジニアか否か?」により生まれていると考えています。
量産型エンジニアまっしぐらな学習方法
多くのIT業界を目指す方にとって、「エンジニア」=「プログラミング」というイメージがあります。そして、多くの方が、プログラミングを一生懸命勉強しています。
そして、ある程度かけるようになってくると、Ruby on RailsやDjangoをはじめとしたウェブフレームワークを使い、ポートフォリオを作成します。
そして、TODOアプリやちょっとしたチャットアプリが作れるようになります。
- はじめから、ORMを利用しているために、細かなSQLの書き方はわかってない。内部結合と外部結合の違いにもわからない。
- 数行書くだけでログイン機能が作れてしまうために、Cookieの存在にすら気づいていない。パスワードのハッシュ化?なんだそれ?という状態
- オブジェクト指向はたい焼きや車の絵でなんとなく理解しているだけなので、オブジェクト思考が解決するペインや設計原則を知らない。
- インフラは、記事をなぞるがままに設定をしていくため、DNSやポート番号についてはほとんど知見がない。1つ設定を間違うと何が間違ってるのかもわからない。
でも、プログラミングの基本文法はわかるし、TODOアプリだって作れる。だから、私は立派なエンジニアなのだ!と勘違いしている。これが、まさに私たちが定義する「量産型エンジニア」なのです。
脱量産型エンジニアになるための勉強法について
私たちの答えは、「徹底的な基礎力」です。以下の領域において、徹底的に基礎を学習しましょう。弊社の代表が数年前に書いた記事に全てが書かれています。
https://note.com/takkun_desu/n/n7297b6ea03ff
まとめ
量産型エンジニアについて説明しました。
多くの方が、転職や昇給を目指してIT業界を志望して下さります。しかし、多くの方が、その理想を叶えられないケースを私たちは見てきました。一方で、多くの広告では、IT業界がまるで楽園かのような表記をしているケースがあります。
だからこそ、不快に思われるかもしれない「量産型」という言葉を使って、私たちはその学習方法・知識レベルに警鐘を鳴らしています。
ぜひ、勉強法や今後の学習方法についての参考になれば幸いです。
【番外編】USBも知らなかった私が独学でプログラミングを勉強してGAFAに入社するまでの話
プログラミング塾に半年通えば、一人前になれると思っているあなた。それ、勘違いですよ。「なぜ間違いなの?」「正しい勉強法とは何なの?」ITを学び始める全ての人に知って欲しい。そう思って書きました。是非読んでみてください。
「フリーランスエンジニア」
近年やっと世間に浸透した言葉だ。ひと昔まえ、終身雇用は当たり前で、大企業に就職することは一種のステータスだった。しかし、そんな時代も終わり「優秀な人材は転職する」ことが当たり前の時代となる。フリーランスエンジニアに高価値が付く現在、ネットを見ると「未経験でも年収400万以上」などと書いてある。これに釣られて、多くの人がフリーランスになろうとITの世界に入ってきている。私もその中の1人だ。数年前、USBも知らない状態からITの世界に没入し、そこから約2年間、毎日勉学を行なった。他人の何十倍も努力した。そして、企業研修やIT塾で数多くの受講生の指導経験も得た。そこで私は、伸びるエンジニアとそうでないエンジニアをたくさん見てきた。そして、稼げるエンジニア、稼げないエンジニアを見てきた。
「成功する人とそうでない人の違いは何か?」
私が出した答えは、「量産型エンジニアか否か」である。今のエンジニア市場には、量産型エンジニアが溢れている!!ここでの量産型エンジニアの定義は以下の通りである。
比較的簡単に学習可能なWebフレームワーク(WordPress, Rails)やPython等の知識はあるが、ITの基本概念を理解していないため、単調な作業しかこなすことができないエンジニアのこと。
多くの人がフリーランスエンジニアを目指す時代に中途半端な知識や技術力でこの世界に飛び込むと返って過酷な労働条件で働くことになる。そこで、エンジニアを目指すあなたがどう学習していくべきかを私の経験を交えて書こうと思った。続きはこちらから、、、、
エンベーダー編集部
エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。
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