Microsoft AzureはMicrosoft社が提供するクラウドサービスです。2010年からサービスが開始され、2023年現在においてAWSに続く世界トップ2となっています。まさしくクラウドサービスの代表格と言って良いでしょう。
そんなAzureにはMicrosoft社認定の資格があります。今回は、エンジニアとして取得を考えている方も多いAzureについて解説します。難易度別にまとめたので、ぜひ参考にしてください。
Microsoft Azure認定資格とはMicrosoft公式の認定資格
Microsoft Azure(Microsoft アジュール)は、Microsoft社の認定資格であるMCPの1つです。その名の通り、Azureに関する知識やスキルを認定する資格となってます。
近年はAWSを始めに、クラウドサービスを業務で利用することが一般化しています。その中でもMicrosoftからスキルと技術を公認された証として、注目を集めている資格です。
Microsoft Azure認定資格の難易度別の資格一覧
Microsoft Azure認定資格は、14種類にも分かれています。非常に多いように感じられますが、それぞれ対象が異なっているため専門性のある資格を取得しやすいメリットもあります。
ここからは以下のようにランク分けして、それぞれ解説していきます。
- 初級レベル
- 中級レベル
- 上級レベル
初級レベル
Azureの初級レベルは、Fundamentalsの資格が該当します。主にAzureのサービスなどに関する一般的な知識や概念、スキルについて学習し試験を受けます。Azureの基礎的な資格となっており、初めての方はまずこの初級レベルに挑戦してください。
Azure Fundamentals(初級者向け):AZ-900
Azure Fundamentalsは、主に以下の内容の知識・スキルがあるかを証明する資格です。
- クラウドサービスの基礎知識や概念
- Azureのサービスに関する知識やスキル
基礎的な知識が問われます。Azureの資格に挑戦するのなら、最初に受けたい資格でもあります。
Azure AI Fundamentals(AIエンジニア向け):AI-900
Azure AI Fundamentalsは、機械学習やAIに関するAzureサービスの知識・スキルがあるかを証明する資格です。
その名の通り、AIエンジニアが主な対象となっています。しかし試験内容においてはソフトウェア開発の経験を問われないため、一般的なプログラミング知識さえあれば受けられる内容です。
Azure Data Fundamentals(データエンジニア向け):DP-900
Azure Data Fundamentalsは、Azureのデータサービスを利用して実装するための基礎知識
があるかを証明する資格です。主にAzure内のデータ取り扱いについて問われます。
- トランザクションや分析
- データの分析
- リレーショナルデータと非リレーショナルデータの概念
以上の知識が必要です。初級レベルのデータエンジニア向けの資格となっています。
中級レベル
中級レベルの資格は、8つあります。一部の資格には、別の資格を取っていなければ受けられないものもあるため、注意しましょう。
Azure Administrator Associate(管理者向け):AZ-104
Azure Administrator Associateは、中級レベルの管理者向けの資格です。
- Azureソリューションの実装
- Azureソリューションの監視
- Azureソリューションのメンテナンス
- Azureでのストレージ作成・管理
- Azureでの資源の展開・管理
- 仮想ネットワークの構成・管理
以上の知識が問われます。また、資格認定を受けるには、「Microsoft Azure Administrator:AZ-104」の認定試験に合格していなければなりません。
Azure Data Engineer Associate(データエンジニア向け):DP-203
Azure Data Engineer Associateは、中級レベルのデータエンジニア向けの資格です。
- Azureでのデータ設計と実装
- Azureでのデータ管理・監視
- Azureのデータソリューションのデザイン
- データセキュリティとコンプライアンスの設計・知識
以上の知識が問われます。
Azure AI Engineer Associate(AIエンジニア向け):AI-102
Azure AI Engineer Associateは、中級レベルのAIエンジニア向けの資格です。
- Microsoft AIソリューションの設計・実装
- ソリューション要件の分席
- AIソリューションの設計
以上の知識が問われます。
また、認定試験の合格には、「Designing and Implementing an Azure AI Solution:AI-100」の認定試験に合格している必要があります。
Azure IoT Developer Specialty(開発者向け):AZ-220
Azure IoT Developer Specialtyは、中級レベルの開発者向けの資格です。
- Azureサービスの実装
- Azure IoTサービス構成の設定
- Microsoft Edgeの実装
- IoTソリューションの監視
これらの知識が求められます。
また、認定試験の合格には、「Microsoft Azure IoT Developer:AZ-220」の認定試験に合格している必要があります。
Azure Database Administrator Associate(管理者向け):DP-330
Azure Database Administrator Associateは、中級レベルのデータベース管理者向けの資格です。
- Microsoft Azure Data ServicesとMicrosoft SQL Serverの実装
- Microsoft Azure Data ServicesとMicrosoft SQL Serverの運用
- Microsoft Azure Data ServicesとMicrosoft SQL Serverの管理
これらの知識が求められます。
また、認定試験の合格には、「Administering Relational Databases on Microsoft Azure:DP-300」の認定試験に合格している必要があります。
Azure Developer Associate(開発者向け):AZ-204
Azure Developer Associateは、中級者レベルの開発者向けの資格です。
- クラウドソリューションの設計
- クラウドソリューションの構築
- クラウドソリューションの保守
- Azureストレージの開発
- トラブルシューティング
- 最適化
これらの知識が求められます。
また、認定試験の合格には、「Developing Solutions for Microsoft Azure:AZ-204」の認定試験に合格している必要があります。
Azure Data Scientist Associate(データサイエンティスト向け):DP-100
Azure Data Scientist Associateは、中級レベルのデータサイエンティスト向けの資格です。
- Azureへの機械学習ワークロードの実装
- Azureへの機械学習ワークロードの実行
- Azure Machine Learning Serviceの使用
これらの知識が求められます。
また、認定試験の合格には、「Designing and Implementing a Data Science Solution on Azure:DP-100」の認定試験に合格している必要があります。
Azure Security Engineer Associate(セキュリティエンジニア向け)AZ-500
Azure Security Engineer Associateは、中級レベルのセキュリティエンジニア向けの資格です。
- セキュリティコントロール
- Azureでのネットワーク管理
- ハイブリッド環境内でのネットワーク管理
- プラットフォーム保護
- データとアプリケーションの保護
これらの知識が問われます。
また、認定試験の合格には、「Microsoft Azure Security Technologies:AZ-500」の認定試験に合格している必要があります。
上級レベル
ここからは、上級レベルの位置付けとなっている3つの資格を紹介します。Azureの認定資格を取りたい場合、最終地点となる資格です。
Azure for SAP Workloads Specialty(管理者向け):AZ-120
Azure for SAP Workloads Specialtyは、上級レベルのSAP管理者向けの資格です。SAPと呼ばれる、ドイツのSAP社が展開するERP製品について精通している証となります。
- SAP Landscape Certificationプロセスの知識と経験
- SAPソリューションの長期運用の知識と経験
これらの知識が問われます。
また、「Planning and Administering Microsoft Azure for SAP Workloads:AZ-120」の認定試験に合格している必要があります。
Azure DevOps Engineer Expert(DevOpsエンジニア向け):AZ-400
Azure DevOps Engineer Expertは、上級レベルのDevOpsエンジニア向けの資格です。Azure提供サービスの1つである、DevOpsに精通している証となります。
- DevOps戦略の設計
- DevOps開発プロセスの実装
これらの知識が問われます。
また、資格認定を受けるためには、以下の資格を取得している必要があります。
- Azure Administrator AssociateもしくはAzure Developer Associate
- Microsoft Azure DevOps Solutions::AZ-400
段階を踏んでステップアップしていくイメージです。
Azure Solutions Architect Expert(ソリューションアーキテクト向け):AZ-303、AZ-304
Azure Solutions Architect Expertは、上級レベルのソリューションアーキテクト向けの資格です。
- Azure上でのコンピューティングの専門知識
- Azure上でのネットワークの専門知識
- Azure上でのストレージの専門知識
- Azure上でのセキュリティの専門知識
これらの知識が問われます。
また、資格認定を受けるためには、以下の資格を取得している必要があります。
- Microsoft Azure Architect Technologies:AZ-300
- Microsoft Azure Architect Design:AZ-301
段階を踏んでステップアップしていきましょう。
Microsoft Azureのステップアップに向けてのロードマップ
Microsoft Azureは資格の数が非常に多くなっています。そのため、どの分野の資格を取れば良いのかと迷う方がいます。
結論から言えば、自分が学びたいジャンルの資格を取ることが大切です。どのような業界においても基礎知識が大切なことから、以下のロードマップで進むと良いでしょう。
- 初級レベル
- 中級レベルで関連付いている資格を全て
- 上級レベル
中級レベル以上になると、別の資格認定を受けていることが条件となっている資格が増えます。自分が何の立ち位置になりたいのかを見定めた上で、逆算してロードマップを組んでくださいね。
Microsoft Azure認定資格はクラウド需要に応えられるエンジニアのための資格
Microsoft Azure認定資格は、Microsoftが提供するAzureの認定資格です。昨今のクラウド需要に応えられるエンジニアとしての証でもあります。
その種類は非常に多く、統廃合をされながら新たに増えていっている状態です。そのため、資格を取得するにあたってロードマップが重要となります。
ロードマップを描く際は、到達点をまず決めてから逆算することをオススメします。資格の中には複数の認定が必要なものもあるため、最短で専門的な知識を身につけることが可能です。ぜひ検討してみてくださいね。
【番外編】USBも知らなかった私が独学でプログラミングを勉強してGAFAに入社するまでの話
プログラミング塾に半年通えば、一人前になれると思っているあなた。それ、勘違いですよ。「なぜ間違いなの?」「正しい勉強法とは何なの?」ITを学び始める全ての人に知って欲しい。そう思って書きました。是非読んでみてください。
「フリーランスエンジニア」
近年やっと世間に浸透した言葉だ。ひと昔まえ、終身雇用は当たり前で、大企業に就職することは一種のステータスだった。しかし、そんな時代も終わり「優秀な人材は転職する」ことが当たり前の時代となる。フリーランスエンジニアに高価値が付く現在、ネットを見ると「未経験でも年収400万以上」などと書いてある。これに釣られて、多くの人がフリーランスになろうとITの世界に入ってきている。私もその中の1人だ。数年前、USBも知らない状態からITの世界に没入し、そこから約2年間、毎日勉学を行なった。他人の何十倍も努力した。そして、企業研修やIT塾で数多くの受講生の指導経験も得た。そこで私は、伸びるエンジニアとそうでないエンジニアをたくさん見てきた。そして、稼げるエンジニア、稼げないエンジニアを見てきた。
「成功する人とそうでない人の違いは何か?」
私が出した答えは、「量産型エンジニアか否か」である。今のエンジニア市場には、量産型エンジニアが溢れている!!ここでの量産型エンジニアの定義は以下の通りである。
比較的簡単に学習可能なWebフレームワーク(WordPress, Rails)やPython等の知識はあるが、ITの基本概念を理解していないため、単調な作業しかこなすことができないエンジニアのこと。
多くの人がフリーランスエンジニアを目指す時代に中途半端な知識や技術力でこの世界に飛び込むと返って過酷な労働条件で働くことになる。そこで、エンジニアを目指すあなたがどう学習していくべきかを私の経験を交えて書こうと思った。続きはこちらから、、、、
エンベーダー編集部
エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。
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