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2024.03.25

AWSとAzureのストレージサービス徹底比較

一般的にストレージとは、データや情報をデジタル形式で保存するための空間です。コンピューター、スマートフォン、サーバーなど、様々なデバイスに搭載されており、私たちが作成した文書、写真、動画などを保管し、必要な時にいつでもアクセスできるようにします。

クラウド時代のストレージ選び

クラウドコンピューティング技術の発展と共に、ストレージは重要な要素となりました。クラウドストレージは従来の物理ストレージに代わるものとして登場し、パフォーマンス、コスト、セキュリティ、利便性など様々な点で影響を与えるため、適切なサービスを選ぶことが重要です。

主なクラウドストレージには、オブジェクトストレージ(大規模な非構造化データ向け)、ブロックストレージ(データベースやI/O頻繁ワークロード向け)、ファイルストレージ(ファイル共有・協業向け)の3種類があります。

本記事では、AWSとAzureが提供するストレージサービスの違いを明らかにし、各サービスの特徴、適用シナリオ、利点を解説します。クラウドストレージの初心者や選定を行う方々向けに、プロジェクトやビジネスニーズに最適なストレージ選択の決定に役立つ知識を提供します。

クラウドストレージの種類

クラウドストレージには、オブジェクトストレージ、ブロックストレージ、ファイルストレージの3つの主要タイプがあります。

以下の表は、クラウドサービスプロバイダ(CSP)別にオブジェクトストレージ、ブロックストレージ、ファイルストレージサービスを整理し、各サービスの説明を含めています。これにより、AWSとAzureの各ストレージサービスの特徴を明確に理解することができます。

オブジェクトストレージ

非構造化データをオブジェクトとして保存し、大規模データの保存に適しています。

CSPサービス説明
AWSAmazon S3AWSのオブジェクトストレージサービス。大量の非構造化データ保存に適しています。
AzureAzure Blob StorageAzureのオブジェクトストレージサービス。大規模非構造化データの保存やWebコンテンツ配信に利用されます。

ブロックストレージ

データを固定サイズのブロックで管理し、高速I/Oが必要なデータベースやアプリに適しています。

CSPサービス説明
AWSAmazon EBS (Elastic Block Store)AWSの高性能ブロックストレージ。EC2インスタンスに接続し、データベースやアプリのストレージとして利用されます。
AzureAzure Disk StorageAzureの高性能ブロックストレージ。Azure VMに接続され、VMのディスクとして機能します。

ファイルストレージ

ファイルとディレクトリの階層構造を提供し、共有ファイルシステムやファイル共有に適しています。

CSPサービス説明
AWSAmazon EFS (Elastic File System)AWSのファイルストレージサービス。複数EC2インスタンスからのアクセスが可能で、共有データストレージに適しています。
AzureAzure FilesAzureのファイルストレージサービス。クラウド上の共有ファイルシステムとして機能します。

それぞれのストレージタイプは、用途に合わせて使い分ける必要があり、パフォーマンス、コスト、セキュリティなどの観点から最適なサービスを選択することが重要です。

サービス比較

オブジェクトストレージ比較 Amazon S3 vs Azure Blob Storage

  • 保存データの種類

    • Amazon S3Azure Blob Storageはどちらも非構造化データの保存に適しており、任意の種類のデータを無制限に保存できます。
    • Azure Blob Storageは、ホット、クール、アーカイブの3つのアクセス層を提供し、データアクセス頻度に基づいたコスト最適化が可能です。
  • 機能の違い

    • Amazon S3は、バージョニング、ライフサイクルポリシー、マルチパートアップロードなどの独自機能を提供します。
    • Azure Blob Storageは、Azure Data Lake Storage Gen2との統合を通じて、ビッグデータ分析に適した機能を強化しています。

ブロックストレージ比較 Amazon EBS vs Azure Disk Storage

  • 性能

    • Amazon EBSは、プロビジョニングされたIOPSオプションで高いI/Oパフォーマンスを実現できます。
    • Azure Disk Storageは、Ultra Diskを含む複数のディスクタイプを提供し、幅広いワークロードに対応可能です。
  • 保存場所の違い

    • Amazon EBSボリュームは特定のEC2インスタンスに接続されますが、別インスタンスへの接続変更も可能です。
    • Azure Disk Storageは、Azure VMに接続されますが、VMから独立したリソースとして管理・永続化されます。

ファイルストレージ比較 Amazon EFS vs Azure Files

  • スケーラビリティ

    • Amazon EFSは自動的にスケールアップ/ダウンし、ペタバイト規模のデータをサポートします。
    • Azure Filesはシェアあたり最大5TBの容量を提供し、ストレージアカウントで最大100TBまでスケールできます。
  • アクセスと統合

    • Amazon EFSは、NFSプロトコルでEC2インスタンスからアクセス可能で、オンプレミスからの直接接続もサポートしています。
    • Azure Filesは、SMBプロトコルでWindows、Linux、macOSからアクセス可能で、Azure RBAC(ロールベースアクセス制御)によるセキュリティ強化が可能です。
  • パフォーマンスと価格設定

    • Amazon EFSは、パフォーマンスモードとストレージクラス(標準、IAモード)を選択できるため、コストを最適化可能です。
    • Azure Filesは、標準とプレミアム(キャッシュ利用可能で低遅延)の2つのパフォーマンス層を提供します。料金は層とプロビジョニング容量に基づきます。

統合とエコシステム

  • AWS

    • AWSストレージサービスは他のAWSサービスと緊密に統合されています。Amazon S3は分析サービスと連携してデータレイクを構築でき、Amazon EFSはAmazon ECS/EKS、AWS Lambdaと統合できます。
  • Azure

    • Azureストレージサービスも、Azure内の多くのサービスと統合されています。Azure Blob StorageはHDInsight、Databricksなどのビッグデータ/分析サービスと連携してデータレイクを構築でき、Azure FilesはAzure Kubernetes Serviceと統合できます。

以上のように、AWSとAzureのストレージサービスには、テクニカル要件、コスト、将来の拡張性など、さまざまな観点で違いがあります。オブジェクト、ブロック、ファイルストレージの各サービスには独自の特徴と利点があり、ユースケースやアプリケーション要件に最適な選択肢を提供します。これらの違いを総合的に評価し、ビジネス目標と技術的要件に最も適合するサービスを選択することが重要です。

以下に、AWSとAzureの主要なストレージサービスの強みと弱点をまとめた表、およびユースケース別のおすすめサービスを提供します。この情報は、クラウドストレージの選択において、バランスの取れた視点から判断を下すのに役立ちます。

各サービスの強みと弱み

サービス強み弱み
Amazon S3高い耐久性とスケーラビリティ、広範な統合オプションアクセス頻度の低いデータのコスト
Amazon EBS高性能、低遅延、EC2との密接な統合地域外への非対応(インスタンス固有のストレージ)
Amazon EFS高いスケーラビリティ、簡単な管理、複数のEC2での共有コストが高め、特に小規模利用において
Azure Blob Storageホット、クール、アーカイブのアクセス層、高いスケーラビリティストレージアカウントごとに制限がある
Azure Disk Storage高性能、特にUltra Diskでの超高速I/O高性能ディスクはコストが高い
Azure Files簡単な共有とアクセス、Azure ADとの統合スケーラビリティに限界がある、比較的高コスト

ユースケース別のおすすめサービス

  • 静的コンテンツ配信
    • AWS: Amazon S3
    • Azure: Azure Blob Storage
  • 仮想マシンディスク
    • AWS: Amazon EBS
    • Azure: Azure Disk Storage
  • 共有ファイルストレージ
    • AWS: Amazon EFS
    • Azure: Azure Files
  • コンテナストレージ
    • AWS: Amazon EFS (永続ストレージが必要な場合)
    • Azure: Azure Files (Kubernetes環境での共有ストレージが必要な場合)
  • ビッグデータとデータレイク
    • AWS: Amazon S3
    • Azure: Azure Blob Storage (特にData Lake Storage Gen2との統合を利用する場合)
  • バックアップとアーカイブ
    • AWS: Amazon S3 (長期保持が必要な場合、Glacierを利用)
    • Azure: Azure Blob Storage (クールおよびアーカイブ層を利用)

この比較からわかるように、AWSとAzureの各ストレージサービスにはそれぞれ特有の強みと適用シナリオが存在します。選択は、特定のユースケースの要件、コスト感度、既存のインフラとの統合性などを考慮して行う必要があります。最終的に、各組織のニーズに最も適したサービスを選択することが重要です。

エンベーダー編集部

エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。

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