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2024.07.29

インフラ・クラウドエンジニア必見!AzureとAWSのRBACの違いを徹底解説

クラウドサービスを利用する上で、セキュリティとアクセス管理は非常に重要です。特にAzureとAWSは、それぞれ独自のRBAC(ロールベースアクセス制御)を提供しており、その違いを理解することが求められます。本記事では、初心者インフラ・クラウドエンジニアに向けて、AzureとAWSのRBACの違いを詳しく解説します。

実例で見るRBACの重要性

RBACの仕組みを理解することは、企業のセキュリティポリシーを強化し、リソースの適切な管理を可能にします。例えば、大規模な企業では、異なる部署の社員がアクセスできるリソースを制限することで、不要なデータ漏洩を防ぎます。

具体例1「AzureにおけるRBACの利用」

ある企業で、マーケティングチームがAzureのデータベースにアクセスする必要があるとします。この場合、マーケティングチームには「共同作成者(Contributor)」ロールが割り当てられ、データの閲覧や更新が可能となります。一方、経理チームには「読者(Reader)」ロールを割り当て、データの閲覧のみを許可することができます。この設定により、各チームが必要なリソースに対して適切なアクセス権限を持ち、セキュリティが保たれます。

具体例2「AWSにおけるRBACの利用」

AWS環境で、開発チームが新しいアプリケーションを開発する場合、開発者には特定のS3バケットに対するフルアクセス権限が必要です。この場合、IAMポリシーを使用して開発チームに「AmazonS3FullAccess」ポリシーを適用します。一方、監査チームには読み取り専用の「AmazonS3ReadOnlyAccess」ポリシーを適用することで、セキュリティを維持しながら必要なアクセスを提供します。

RBACの効果

RBACの導入により、以下の効果が期待できます。

  • セキュリティの強化

    不要なアクセスを防ぎ、データ漏洩のリスクを低減。

  • 管理の効率化

    一元管理された権限設定により、管理負担の軽減。

  • コンプライアンスの維持

    企業のセキュリティポリシーに基づいた適切なアクセス制御が可能。

これらの実例を通じて、RBACの重要性とその効果を具体的に理解することができます。

RBACとは何か?

RBACの基本概念

RBAC(Role-Based Access Control)は、ユーザーやアプリケーションに特定のリソースへのアクセス権限を付与するためのシステムです。これにより、管理者は細かいアクセス制御を行うことができ、セキュリティを強化できます。

RBACの重要性

アクセス管理はクラウドセキュリティの基盤です。RBACを適用することで、適切な人だけが必要なリソースにアクセスできるようにし、セキュリティインシデントを防ぎます。

実例で見るRBACの効果

例えば、大規模な企業では、異なる部署の社員がアクセスできるリソースを制限することで、不要なデータ漏洩を防ぎます。あるプロジェクトでは、開発者が特定のデータベースにフルアクセスできる一方で、マーケティング担当者は読み取り専用のアクセスしか持たないように設定することが可能です。これによって、リソースの適切な管理とセキュリティの強化が実現します。

次に、AzureのRBACについて詳しく見ていきましょう。

Azure RBACの概要

基本構造

AzureのRBACは、ユーザー、グループ、サービスプリンシパル、マネージドIDにロールを割り当て、リソースへのアクセスを制御します。これにより、特定のアクションを実行できるプリンシパルを制限できます。

ロールの種類

ビルトインロール

Azureには、共通のユースケースに対応したビルトインロールが用意されています。代表的なものには以下があります:

  • 所有者(Owner): リソースの完全な管理が可能
  • 共同作成者(Contributor): リソースの管理はできるが、アクセス管理は不可
  • 読者(Reader): リソースの閲覧のみ可能

カスタムロール

特定のニーズに応じて、独自のロールを作成することができます。これにより、細かい権限設定が可能です。

スコープ

ロールはサブスクリプション、リソースグループ、リソースレベルで割り当てることができます。これにより、管理の柔軟性が高まります。

管理方法

Azure RBACは、Azureポータル、Azure CLI、Azure PowerShell、REST APIを使用して管理できます。

AzureのRBACの具体的な使用例を見てみましょう。例えば、ある企業でマーケティングチームがデータベースにアクセスする必要がある場合、マーケティングチームに「共同作成者」ロールを割り当て、経理チームには「読者」ロールを割り当てることで、それぞれのチームが必要な権限のみを持つように設定します。こうすることで、各チームの作業がスムーズに進み、同時にセキュリティも確保されます。

AWS IAMの概要

基本構造

AWSのIAM(Identity and Access Management)は、ユーザー、グループ、ロールにポリシーを割り当て、リソースへのアクセスを制御します。ポリシーはJSON形式で記述され、非常に細かいアクセス制御が可能です。

ポリシーの種類

マネージドポリシー

AWSが提供する標準のポリシーです。代表的なものには以下があります。

  • AdministratorAccess は、すべてのリソースに対する完全なアクセス権限を持ちます。
  • ReadOnlyAccess は、すべてのリソースに対する読み取り専用アクセス権限を持ちます。

カスタムポリシー

ユーザーが独自に作成するポリシーで、JSON形式で記述されます。これにより、特定のリソースやアクションに対する詳細なアクセス制御が可能です。

スコープ

ポリシーはグローバルおよびリソースレベルで適用されます。このアプローチにより、特定のリソースに対する細かい権限設定が可能となります。

管理方法

AWS IAMは、AWSマネジメントコンソール、AWS CLI、AWS SDK、IAM APIを使用して管理できます。

実例で見るIAMの利用

例えば、ある企業で開発チームが新しいアプリケーションを開発する場合、開発者には特定のS3バケットに対するフルアクセス権限が必要です。この場合、IAMポリシーを使用して開発チームに「AmazonS3FullAccess」ポリシーを適用します。一方、監査チームには読み取り専用の「AmazonS3ReadOnlyAccess」ポリシーを適用することで、セキュリティを維持しながら必要なアクセスを提供します。

Azure RBACとAWS IAMの主な違い

権限の定義と適用の違い

Azureでは、ロールを使用して権限を定義し、それをユーザーやグループ、サービスプリンシパル、マネージドIDといったプリンシパルに割り当てます。一方、AWSでは、JSON形式のポリシーを使用して権限を定義し、ユーザー、グループ、ロールにアタッチします。Azureのロールは、特定のリソースに対する権限を簡単に設定できるのに対し、AWSのポリシーはより柔軟で詳細なアクセス制御を設定することが可能です。

管理の柔軟性の違い

AWSのIAMは、ポリシーの柔軟性が高く、リソースレベルで非常に詳細なアクセス制御が可能です。例えば、AWSでは条件付きアクセスポリシーを使用して特定の条件下でのみ権限を付与することができます。Azureも詳細な管理が可能ですが、AWSの方が細かい制御がしやすい場合があります。

ユーザーとロールの概念の違い

AzureのマネージドIDは、リソースに直接紐付けられ、そのリソースのライフサイクルと共に作成・削除されます。これは、リソースのライフサイクルに基づいて自動的に管理されるため、管理が簡単です。一方、AWSのAssume Roleは、あるアカウントのリソースが一時的に他のロールを引き受ける仕組みです。これにより、動的に権限を取得することができ、柔軟なアクセス管理が可能となります。

AzureとAWSのRBACの具体例

Azureの具体例

Automationアカウントのシステム割り当てマネージドIDを使用してVPNゲートウェイに権限を付与する手順を説明します。

  1. システム割り当てマネージドIDの有効化

    • AzureポータルでAutomationアカウントを開き、「設定」セクションの「ID」を選択します。
    • 「システム割り当て」を「オン」にして保存します。
  2. VPNゲートウェイへの権限付与

    • VPNゲートウェイのリソースに移動し、「アクセス制御 (IAM)」を選択します。
    • 「ロールの割り当ての追加」をクリックします。
    • 「メンバーの選択」フィールドで、システム割り当てマネージドIDを選択します。
    • 「ネットワークコントリビューター」ロールを選び、「保存」をクリックして設定を適用します。

AWSの具体例

EC2インスタンスがS3バケットにアクセスするためにAssume Roleを使用する手順を説明します。

  1. IAMロールの作成

    • AWSマネジメントコンソールでIAMサービスに移動し、「ロールの作成」をクリックします。
    • EC2サービスを選択し、必要なポリシー(例:AmazonS3FullAccess)をアタッチします。
    • ロールを作成し、ロールのARNをメモします。
  2. EC2インスタンスにロールをアタッチ

    • EC2インスタンスの設定画面に移動し、「インスタンス設定」 > 「IAMロールのアタッチ/置換」を選択します。
    • 作成したIAMロールを選択し、アタッチします。

AzureとAWSのRBACの主な違い

権限の定義と適用の違い

Azureではロールを使用して権限を定義し、プリンシパルに割り当てます。一方、AWSではポリシーを使用して権限を定義し、ユーザー、グループ、ロールにアタッチします。Azureのロールは特定のリソースに対する権限を簡単に設定できるのに対し、AWSのポリシーはより柔軟で詳細なアクセス制御を設定することが可能です。

管理の柔軟性の違い

AWSのIAMはポリシーの柔軟性が高く、リソースレベルで非常に詳細なアクセス制御が可能です。Azureも詳細な管理が可能ですが、AWSの方が細かい制御がしやすい場合があります。例えば、AWSでは条件付きアクセスポリシーを使用して特定の条件下でのみ権限を付与することができます。

ユーザーとロールの概念の違い

AzureのマネージドIDは、リソースに直接紐付けられ、そのリソースのライフサイクルと共に作成・削除されます。これは、リソースのライフサイクルに基づいて自動的に管理されるため、管理が簡単です。一方、AWSのAssume Roleは、あるアカウントのリソースが一時的に他のロールを引き受ける仕組みです。これにより、動的に権限を取得することができ、柔軟なアクセス管理が可能となります。

これらの具体例と違いを通じて、AzureとAWSのRBACの実践的な使い方とその違いを理解することができます。

まとめ

AzureとAWSのRBACの違いとそれぞれの特徴を理解することは、クラウドインフラを効率的かつ安全に管理するために非常に重要です。これまでに説明した内容を振り返り、運用におけるRBACの重要性を強調します。

AzureとAWSのRBACの振り返り

  • AzureのRBACは、ロールを使用して権限を定義し、ユーザー、グループ、サービスプリンシパル、マネージドIDに割り当てる仕組みです。ロールの適用範囲はサブスクリプション、リソースグループ、リソースレベルと柔軟に設定できます。
  • AWSのIAMは、ポリシーを使用して権限を定義し、ユーザー、グループ、ロールにアタッチします。ポリシーはJSON形式で記述され、非常に詳細なアクセス制御が可能です。特に条件付きアクセスポリシーを使用することで、特定の条件下でのみ権限を付与することができます。

運用におけるRBACの重要性

RBACを適切に導入することは、クラウド環境のセキュリティを強化し、運用の効率化を図るために不可欠です。

セキュリティの強化

RBACを利用することで、必要なリソースに対して適切な権限だけを付与し、不必要なアクセスを防ぐことができます。これにより、データ漏洩や不正アクセスのリスクを大幅に低減できます。

管理の効率化

一元管理された権限設定により、アクセス権限の付与や変更が容易になります。特に大規模な環境では、手動でのアクセス管理が困難なため、RBACを活用することで管理負担を軽減できます。

コンプライアンスの維持

企業のセキュリティポリシーや法規制に基づいた適切なアクセス制御を実現するためには、RBACが有効です。特に金融業界や医療業界では、厳格なコンプライアンス要件が求められるため、RBACの導入は必須です。

次のステップと学習リソース

初心者クラウドエンジニアがさらに学ぶべきステップとして、以下のリソースを活用してください。

これらのリソースを参考に、実際の環境でRBACを適用し、運用することで、クラウドインフラのセキュリティと効率性を向上させることができます。RBACの基本を理解し、実践することで、インフラエンジニアやクラウドエンジニアとしてのスキルをさらに高めることができるでしょう。

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エンベーダー編集部

エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。

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