AWS系の資格でもプロフェッショナル向けであるSAP。エンジニアの方の中には、挑戦しようと考えている方も多いでしょう。
ですが、AWSはプロフェッショナルとあるように、難易度の高い試験です。合格するには、入念な準備が必要になります。
もちろん、合格した際のメリットも大きいのは事実。就職や転職の際に役立つでしょう。
この記事では、そんな「AWSプロフェッショナルSAP」について紹介します。取得するまでの手順やオススメ対策ポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
AWSプロフェッショナルSAPとはAWSの認定試験の1つ
画像引用:AWSプロフェッショナルSAP公式サイト
AWSプロフェッショナルSAPとは、数あるAWSの認定試験の1つです。AWSでのクラウドアーキテクチャの設計とデプロイにおいて、2年以上の実務的な経験を持つ人を対象に実施されています。
そのため試験内容も初学者ではなく、ある程度AWSを使った経験を前提としており、3年程度の経験を積んでおいた方が理解しやすいでしょう。
試験概要
AWSプロフェッショナルSAPは、AWSの高度なサービスと技術を熟知していることを証明する資格試験です。そのため、AWSサービス全般への理解度が問われます。試験範囲が非常に広いのです。
試験時間が180分と長いながらも、問題数が75問と多いため、1問を平均2.4分で解かなければいけません。時間配分が難しい試験です。スムーズに解けるように、理解力が問われると言って良いでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
対象者 | AWSクラウドで複雑なシステム設計を行う高度な技術と経験を有する個人 |
AWS経験値 | 2年以上の実践的なAWS実務経験 |
難易度 | 最上級 |
試験時間 | 180分 |
受験料 | 300ドル |
試験形式 | 選択肢式と複数回答式の組み合わせ |
問題数 | 75問 |
合格ライン | 750点以上 |
試験内容 | ・ソリューションアーキテクチャの設計(30%) |
・アプリケーション設計(25%) | |
・デプロイと運用(25%) | |
・セキュリティ(20%) | |
認定維持 | 3年毎の更新 |
AWS系に転職するなら有利になる
AWSプロフェッショナルSAPは、AWS系の中でも難易度の高い資格です。取得すると、転職市場で高い評価を受ける可能性があります。特にAWSを扱う仕事をするのなら、身につけておくとメリットが非常に大きいでしょう。
AWSを利用したシステム設計や運用、セキュリティやコストなどの豊富な知識・技術を証明できます。試験を通じてAWSだけでなく、クラウドやシステムアーキテクト、インフラについても体系的に学べるため、損がありません。
自身の市場価値を高める意味でも、取得する意味が大きい資格です。
AWSプロフェッショナルSAPに合格するためのステップ
AWSプロフェッショナルSAPに合格するには、定番の手順があります。以下の流れが最も取り組みやすく理解しやすい方法なので、参考にしてみてください。
- 基礎知識を固める
- 実践的なスキルを身につける
- 模擬試験を繰り返し解く
Step1.基礎知識を固める
AWSプロフェッショナルSAP試験に合格するためには、とにかく基礎知識を身につけなければいけません。まずはAWSの広範なサービスと、適用方法に関して勉強していきましょう。
オススメの方法は、公式の学習資料やAWSが提供する基礎コースを利用すること。クラウドの基本からAWSの各サービスの概要まで、幅広い知識を身につけられます。無料で利用できるので、気軽に取り組める点もメリットです。
この際、読み込むだけで終わるのではなく、「読み込む → 覚えた内容を書き出す」を一定間隔で繰り返してください。徐々に知識が定着しやすくなります。覚えた知識は、3日に1度程度、振り返るようにすればOKです。
本を読み込んだりマーカーを引いたりするだけでは記憶に定着しないため、自分なりに覚えやすい方法で身につけていってください。
Step2.実践的なスキルを身につける
AWSの試験に合格するには、単に知識を覚えるだけでは不十分です。実践的なスキルも身につけていきましょう。試験の対象者が「2年以上の実務的な経験を持つ人」となっている点から見ても、実践経験は重要です。
AWSを実際の環境で動かし、学んだ知識を使ってシステムを設計し、管理する経験を積むようにしましょう。AWSマネジメントコンソールやAWS CLIの操作に慣れ、実際のプロジェクトで遭遇する可能性のある課題への対処方法を学びます。
理解した内容を実践で使えば、それだけ記憶にも定着します。非常にメリットが大きいので、実践できる環境がある方は、積極的に体験してみてください。
Step3.模擬試験を繰り返し解く
知識がついて経験も積んだと納得したら、次に模擬試験に挑戦しましょう。実際の試験に近い条件下で模擬試験を繰り返し解き、試験の形式や問題に慣れてください。自分の苦手分野もわかるので、一石二鳥です。
また、試験時間は非常にタイトとなっています。1問に2分程度しか時間を割けないため、時間配分の感覚を養っておくのも大切です。間違えた問題を徹底的に復習すれば、弱点の克服も可能でしょう。
模擬試験はAWS公式サイトにあるのはもちろん、書籍も出版されています。使いやすい方を活用し、理解度を深めてください。
AWSプロフェッショナルSAPのオススメ試験対策
AWSプロフェッショナルSAPは難しい試験です。どのような試験対策を取ればいいのかわからないという方も多いでしょう。迷った際は、以下のどちらかを選べばOKです。
- 公式資料を使って学習する
- 学習サイトのオンラインコースで学ぶ
公式資料を使って学習する
AWSプロフェッショナルSAP試験の合格には、公式資料の活用が効果的です。公式が公開している資料なので、試験を正確に反映しています。迷ったら、とりあえず教材として使えば問題ありません。
公式資料を使って徹底的に学習すれば、試験が要求する水準に達します。無料で使えるので、まずは公式資料を活用してみましょう。
学習サイトのオンラインコースで学ぶ
公式の資料がわかりにくい場合は、学習サイトのオンラインコースがオススメです。最も有名なのは「Udemy」でしょう。AWSの専門家によって作成されたカリキュラムが提供されているので、効率的に学習できます。
基本的な知識から応用レベルの技術まで、段階的に学べる構成になっているのもあって、スムーズに知識を身につけられます。
- 独学だと挫折してしまう
- 難しいから頑張れるか不安
このように感じている方は、費用はかかりますが学習サイトの利用を検討してみてください。
AWSプロフェッショナルSAPに合格するためのポイント
AWSプロフェッショナルSAPへの合格は、一筋縄ではいきません。挑戦する際は、以下の3つのポイントを意識してみると良いでしょう。
- 時間管理を徹底する
- 最新の情報にアップデートし続ける
- 実践的な問題に挑戦する
時間管理を徹底する
AWSプロフェッショナルSAP試験に挑戦するにあたって意識したいのが、時間管理です。試験勉強に必要な時間を確保し、効率的な学習計画を立てるようにしましょう。
例えば、勉強時間を日々のスケジュールに組み込み、面倒くさくても必ずやるといった形です。シンプルですが、継続していると勉強に意識を向けやすくなります。
また、時間管理を身につけると、実際の試験時にも役立ちます。問題数が多く、制限時間が短い試験において、時間管理は重要です。
自信を持って本番に挑むためにも、時間管理を意識して過ごすようにしましょう。
最新の情報にアップデートし続ける
AWSの知識を常にアップデートし続けるのも重要です。AWSのサービスは、絶えず更新されています。昨日身につけた知識が、数日後には古くなっていたなんてこともあり得ます。常に、最新の情報にアップデートし続けましょう。
最新情報は、AWSの公式ブログやフォーラム、SNSのアカウントをフォローすると取得しやすくなります。新機能や改善点に関する記事を読めば、自然と最新のトレンドや技術も把握できます。
試験に出る可能性のある新しいトピックを見逃さずに済むため、地味ながらも大きな効果がある方法です。
実践的な問題に挑戦する
理論だけでなく、実践的な問題に取り組むのにも意識してください。AWSプロフェッショナルSAP試験は、実務経験を前提にした試験だからです。
特に、実際にAWSを使ったプロジェクトや模擬問題に挑戦すると、知識を実践的なスキルに変えられます。例えば、無料のAWSアカウントを作成し、実際にサービスを設定し、運用する経験を積むといった方法があります。運用する中で遭遇する問題を解決した経験は、試験対策として非常に有効です。
試験で求められる高度な問題解決能力を身につける経験ができるため、実践的な問題には積極的に挑戦していきましょう。
AWSプロフェッショナルSAP試験は難しいがメリットの大きい資格
AWSプロフェッショナルSAP試験は、AWS系の試験でも難易度の高い資格です。取得すれば、AWSに対する深い理解度と知識を証明できるため、就職・転職市場で有利になるでしょう。クラウドが主流となりつつある現代において、メリットの大きい資格です。
一方で、難易度が高いこともあって取得するには長い勉強時間が必要になります。基礎を固めて実践問題を解く、という流れは他の試験と変わらないので、学習時間の確保を意識しながら挑戦してみてくださいね。
<関連記事>
【番外編】USBも知らなかった私が独学でプログラミングを勉強してGAFAに入社するまでの話
プログラミング塾に半年通えば、一人前になれると思っているあなた。それ、勘違いですよ。「なぜ間違いなの?」「正しい勉強法とは何なの?」ITを学び始める全ての人に知って欲しい。そう思って書きました。是非読んでみてください。
「フリーランスエンジニア」
近年やっと世間に浸透した言葉だ。ひと昔まえ、終身雇用は当たり前で、大企業に就職することは一種のステータスだった。しかし、そんな時代も終わり「優秀な人材は転職する」ことが当たり前の時代となる。フリーランスエンジニアに高価値が付く現在、ネットを見ると「未経験でも年収400万以上」などと書いてある。これに釣られて、多くの人がフリーランスになろうとITの世界に入ってきている。私もその中の1人だ。数年前、USBも知らない状態からITの世界に没入し、そこから約2年間、毎日勉学を行なった。他人の何十倍も努力した。そして、企業研修やIT塾で数多くの受講生の指導経験も得た。そこで私は、伸びるエンジニアとそうでないエンジニアをたくさん見てきた。そして、稼げるエンジニア、稼げないエンジニアを見てきた。
「成功する人とそうでない人の違いは何か?」
私が出した答えは、「量産型エンジニアか否か」である。今のエンジニア市場には、量産型エンジニアが溢れている!!ここでの量産型エンジニアの定義は以下の通りである。
比較的簡単に学習可能なWebフレームワーク(WordPress, Rails)やPython等の知識はあるが、ITの基本概念を理解していないため、単調な作業しかこなすことができないエンジニアのこと。
多くの人がフリーランスエンジニアを目指す時代に中途半端な知識や技術力でこの世界に飛び込むと返って過酷な労働条件で働くことになる。そこで、エンジニアを目指すあなたがどう学習していくべきかを私の経験を交えて書こうと思った。続きはこちらから、、、、
エンベーダー編集部
エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。
関連記事
2020.02.25
完全未経験からエンジニアを目指す爆速勉強法
USBも知らなかった私が独学でプログラミングを勉強してGAFAに入社するまでの話
- キャリア・学習法
- エンジニア
2024.02.27
ITパスポートを学ぶ意味ってある?
今回は、そんなITパスポート試験について解説します。試験内容や範囲はもちろん、対策まで知りたい情報ばかりです。ITパスポート試験の挑戦を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
- 資格
2024.02.01
AWS Healthでシステムの信頼性を高める方法
この記事では、AWS Healthの基本的な概要から始め、AWS Healthが解決する主要な課題、その利点、基本的な使い方、そしてTerraformを用いた設定方法について詳しく解説します。
- AWS
2023.10.25
システム設計のプロフェッショナルへ IPA:システムアーキテクト試験
システムアーキテクト試験を受けるにあたって知っておきたい試験内容の他、合格率や試験対策、体験談まで紹介しています。エンジニア初学者の方は、ぜひ参考にしてくださいね。
- 資格