AWSプロフェッショナルDOP試験は、DevOpsの実践者にとっての登竜門とも言える資格です。取得しようと考えている方も多いでしょう。
一方で、試験範囲が非常に広く、合格するためには広範な知識と実践的なスキルが必要です。そのため難易度も高く、気軽に挑戦できる資格ではありません。中には、「どこから手をつけていいのかわからない」「どのように効率よく学習を進めれば良いのかわからない」と悩むこともあるでしょう。
そこで今回は、「AWSプロフェッショナルDOP試験に合格するための勉強方法」について解説します。受験するにあたって知っておきたい「試験概要」や「合格のために意識したいポイント」も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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AWSプロフェッショナルDOP試験とは
AWSプロフェッショナルDOP試験とは、数あるAWSの認定試験の1つです。AWS環境のプロビジョニング、運用、管理において2年以上の経験を持つ人を対象にしています。もちろん条件を満たしていなくても受験できますが、未経験からだと非常に難しい内容になるでしょう。
試験内容も初学者ではなく、ある程度AWSを使った経験を前提としており、実務経験を経てからの方が取得しやすい資格です。
認定を必要とする求人情報は、2021年10月~2022年9月までの間に52%も増加しており、取得するメリットは大きいと言えます。
試験概要
AWSプロフェッショナルDOP試験は、DevOpsの知識とAWS上での実践能力を証明する資格です。AWSでの分散システムおよびサービスのプロビジョン、運用、管理についての技術的な専門知識が問われます。
アソシエイトクラスの資格を取った、もしくは取る予定であるレベルの方向けです。試験範囲が広いため、AWSを扱う業務において幅広く活用できる知識を得られるでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
対象者 | AWSクラウドでDevOpsエンジニアロールを担う個人 |
AWS経験値 | 2年以上の実践的なAWS実務経験 |
難易度 | 最上級 |
試験時間 | 180分 |
受験料 | 300ドル |
試験形式 | 選択肢式と複数回答式の組み合わせ |
問題数 | 75問 |
合格ライン | 750点以上 |
試験内容 | ・SDLCのオートメーション(22%) |
・設定管理とIaC (17%) | |
・耐障害性の高いクラウドソリューション(15%) | |
・モニタリングとロギング(15%) | |
・インシデントとイベントへの対応(14%) | |
・セキュリティとコンプライアンス(17%) | |
認定維持 | 3年毎の更新 |
内包する範囲が非常に広い
AWSプロフェッショナルDOP試験の範囲は、AWSのサービス全般に及びます。ネットワーキングやストレージ、セキュリティなど範囲が非常に広いのです。
受験者は、AWSのサービスを組み合わせて効率的なDevOpsプロセスを設計、実装する能力を証明しなければいけません。コードの自動デプロイ、インフラの監視と自動化、セキュリティの強化など、実際のプロジェクトで直面するような問題が出題されます。
AWSの中では上級に位置づけされる資格なので、不安な方はアソシエイトなどの資格を取得してからでも良いでしょう。下地ができている分、理解度が向上します。
AWSプロフェッショナルDOP試験に合格するためのステップ
AWSプロフェッショナルDOP試験は、簡単に合格できる資格ではありません。挑戦する際は、以下の手順を参考に進めてみてください。
- 基礎知識を固める
- 実践的なスキルを身につける
- 模擬試験を繰り返し解く
Step1.基礎知識を固める
AWSプロフェッショナルDOP試験に合格するためには、とにかく基礎知識を身につけなければいけません。まずはAWSの広範なサービスと、DevOpsの原則に関して勉強していきましょう。
オススメの方法は、公式の学習資料やAWSが提供する基礎コースを利用すること。クラウドの基本からAWSの各サービスの概要まで、幅広い知識を身につけられます。無料で利用できるので、気軽に取り組める点も嬉しいポイントです。
この際、読み込むだけで終わるのではなく、「読み込む → 覚えた内容を書き出す」を一定間隔で繰り返してください。徐々に知識が定着しやすくなります。覚えた知識は、3日に1度程度、振り返るようにすればOKです。
本を読み込んだりマーカーを引いたりするだけでは記憶に定着しないため、自分なりに覚えやすい方法で身につけていってください。
Step2.実践的なスキルを身につける
基礎知識を身につけたら、次に実践的なスキルを習得しましょう。試験の対象者が「2年以上のAWS環境のプロビジョニング、運用、管理経験を持つ個人」となっている点から見ても、実践経験は重要です。
AWSを実際の環境で動かし、学んだ知識を使ってシステムを設計し、管理する経験を積むようにしましょう。理解した内容を実践で使えば、それだけ記憶にも定着します。非常にメリットが大きいので、実践できる環境がある方は、積極的に体験してみてください。
ただ、実務経験がなくても合格できる資格なので、教材などを深く読み込んで経験をカバーはできます。
Step3.模擬試験を繰り返し解く
基礎知識と実践的なスキルを身につけたら、最後に模擬試験を繰り返し解きましょう。試験に慣れ親しむのはもちろん、出題の傾向を掴みます。
制限時間が設けられているので、試験の形式や質問のタイプに慣れるためには不可欠です。余裕を持って受験するためにも、模擬試験には慣れておきましょう。
試験当日のプレッシャーに対応できれば、時間切れの心配なく、全ての質問に答えられます。精神的な面でも、重要なステップです。
AWSプロフェッショナルDOP試験のオススメ試験対策
AWSプロフェッショナルDOP試験は、以下がオススメの試験対策です。様々な方法がありますが、どんな方でも以下の2つを中心に勉強すれば、合格ラインに届くでしょう。
- 公式資料を使って学習する
- 学習サイトのオンラインコースで学ぶ
公式資料を使って学習する
AWSプロフェッショナルDOP試験の試験対策には、公式資料の利用が最適です。公式ガイドは試験範囲を正確にカバーしているため、最新の情報で勉強できます。AWS自体が提供する資料であるため、試験内容と最も合致しています。
オススメは、AWS公式の試験ガイドとAWSの公式トレーニングです。どちらも公式のため試験内容に合致しており、丁寧な解説もついているのでわかりやすい教材となっています。
まずは公式資料に触れて、理解度を深めるようにしましょう。
学習サイトのオンラインコースで学ぶ
公式の資料がわかりにくい場合や、より深く学びたい場合は、学習サイトのオンラインコースがオススメです。最も有名なのは「Udemy」でしょう。AWSの専門家によって作成されたカリキュラムが提供されているので、効率的に学習できます。他にも以下のようなサービスがあります。
- Black Belt
- Cloud License(旧koiwa,TechStock)
どれも学びやすい教材なので、スムーズに知識を身につけられます。費用はかかりますが、学習サイトならではのメリットも大きいため、状況に合わせて検討してみてください。
AWSプロフェッショナルDOP試験に合格するためのポイント
AWSプロフェッショナルDOP試験に合格するには、意識したいポイントがあります。特に以下の3つは試験対策として通じるものなので、意識して見ましょう。
- 時間管理を徹底する
- 最新の情報にアップデートし続ける
- 実践的な問題に挑戦する
時間管理を徹底する
AWSプロフェッショナルDOP試験に合格するには、時間管理が不可欠です。試験勉強に必要な時間を確保し、効率的な学習計画を立てるようにしましょう。
例えば、勉強時間を日々のスケジュールに組み込み、面倒くさくても必ずやるといった形です。シンプルですが、継続していると勉強に意識を向けやすくなります。
また、時間管理を身につけると、実際の試験時にも役立ちます。問題数が多く、制限時間が短い試験において、時間管理は重要です。
自信を持って本番に挑むためにも、時間管理を意識して過ごすようにしましょう。
最新の情報にアップデートし続ける
AWSの技術は日々進化しています。そのため、AWSプロフェッショナルDOP試験に合格するためには、最新の情報を常にキャッチアップするように意識しましょう。古い知識や情報では、新しいサービスや機能に関する問題に対応できない可能性があります。
AWSの公式ブログやフォーラムを定期的にチェックし、新しいリリース情報やアップデートを学ぶように意識してください。
実践的な問題に挑戦する
理論知識だけでなく、実践的な問題解決能力もAWSプロフェッショナルDOP試験に合格するための重要なポイントです。実際のプロジェクトやシナリオを想定した演習に取り組むことで、試験の問題形式に慣れ、応用力を養えます。
例えば、AWS上で実際に環境を構築し、トラブルシューティングやパフォーマンスの最適化を行うといった方法が有効です。
試験で求められる高度な問題解決能力を身につける経験ができるため、実践的な問題には積極的に挑戦していきましょう。
AWSプロフェッショナルDOP試験はDevOpsやSREの知識があると証明できる資格
AWSプロフェッショナルDOP試験は、AWS系の試験でも難易度の高い資格です。取得すれば、AWSに対する深い理解度と知識を証明できるため、就職・転職市場で有利になるでしょう。DevOpsやSREを扱うのなら、取得しておいて損はありません。
一方で、難易度が高いこともあって取得するには長い勉強時間が必要になります。基礎を固めて実践問題を解く、という流れは他の試験と変わらないので、学習時間の確保を意識しながら挑戦してみてくださいね。
【番外編】USBも知らなかった私が独学でプログラミングを勉強してGAFAに入社するまでの話
プログラミング塾に半年通えば、一人前になれると思っているあなた。それ、勘違いですよ。「なぜ間違いなの?」「正しい勉強法とは何なの?」ITを学び始める全ての人に知って欲しい。そう思って書きました。是非読んでみてください。
「フリーランスエンジニア」
近年やっと世間に浸透した言葉だ。ひと昔まえ、終身雇用は当たり前で、大企業に就職することは一種のステータスだった。しかし、そんな時代も終わり「優秀な人材は転職する」ことが当たり前の時代となる。フリーランスエンジニアに高価値が付く現在、ネットを見ると「未経験でも年収400万以上」などと書いてある。これに釣られて、多くの人がフリーランスになろうとITの世界に入ってきている。私もその中の1人だ。数年前、USBも知らない状態からITの世界に没入し、そこから約2年間、毎日勉学を行なった。他人の何十倍も努力した。そして、企業研修やIT塾で数多くの受講生の指導経験も得た。そこで私は、伸びるエンジニアとそうでないエンジニアをたくさん見てきた。そして、稼げるエンジニア、稼げないエンジニアを見てきた。
「成功する人とそうでない人の違いは何か?」
私が出した答えは、「量産型エンジニアか否か」である。今のエンジニア市場には、量産型エンジニアが溢れている!!ここでの量産型エンジニアの定義は以下の通りである。
比較的簡単に学習可能なWebフレームワーク(WordPress, Rails)やPython等の知識はあるが、ITの基本概念を理解していないため、単調な作業しかこなすことができないエンジニアのこと。
多くの人がフリーランスエンジニアを目指す時代に中途半端な知識や技術力でこの世界に飛び込むと返って過酷な労働条件で働くことになる。そこで、エンジニアを目指すあなたがどう学習していくべきかを私の経験を交えて書こうと思った。続きはこちらから、、、、
エンベーダー編集部
エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。
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