社会人に求められるスキルの中でも特に重視されているのが、コミュニケーション能力です。
仕事は人と人がやり取りするものであるため、どのような業種でも必要になります。
一方で、コミュニケーション能力が苦手という方も多くいます。必要だと誰もがわかっているのにも関わらず、学校の授業では一切習いません。苦手な方も増えるわけですよね。
今回はエンジニア初学者の方向けに、コミュニケーション能力を向上させるヒントを紹介します。苦手を得意に変えることは難しくとも、苦手意識を無くすことはできます。
意識するだけで大きく変わるものばかりなので、ぜひ参考にしてください。
コミュニケーションスキルはソフトスキルに内包されるとも考えられます。
https://envader.plus/article/218
エンジニア初学者が知っておきたいコミュニケーション能力の基本
コミュニケーション能力を向上させる前に、まずはコミュニケーション能力について知っておきましょう。何となくイメージできる方は多いでしょうが、言語化すると難しいものです。
まずは基本である以下の2種類のコミュニケーションについて解説します。
- アサーティブコミュニケーション
- ロジカルコミュニケーション
アサーティブコミュニケーション
アサーティブコミュニケーションとは、「相手の考えを尊重しながら、自分の感情や思いを抑圧せずに自己主張する」コミュニケーションです。
人は自分の意見や考えに反対された際、相手を拒絶する性質があります。コミュニケーションを考えた場合、拒絶される状態は防ぎたいものです。
アサーティブコミュニケーションを意識することで、相手の意見を尊重しながら前向きな意見交換ができます。非常に生産的なコミュニケーションとなるでしょう。
ロジカルコミュニケーション
ロジカルコミュニケーションとは、「論理的に自分の考えや相手の話を理解し、相手と円滑にコミュニケーションを図る」方法です。特に会議で重宝される能力となります。
ビジネスにおいてロジカルな考え方は必須です。感情的になって良いことは全くありません。
- 自分がどのように考えているのか
- 相手に何を伝えたいのか
- 相手は何を伝えたいのか
これらをロジカルに考えられれば、スムーズなやり取りが可能です。社会人ならば習得しておきたいコミュニケーション能力と言えるでしょう。
コミュニケーション能力が低い人の特徴5選
コミュニケーション能力が低いとされる人には特徴があります。特に以下の6つは該当する方が多いものです。苦手な方は、自身が当てはまっていないかどうかを振り返ってみましょう。
- 周囲の目を気にしすぎてしまう
- 相手の気持ちを理解するのが苦手
- 他人に興味を持てない
- 話をまとめるのが苦手
- 過去に何らかのトラウマがある
周囲の目を気にしすぎてしまう
コミュニケーション能力が低い人の特徴として、周囲の目を気にしすぎてしまう傾向があります。相手からどう思われるのかが気になって仕方が無いのです。
- この発言をしたら周囲にどう思われるだろうか
- 相手に失礼じゃないかな?
と考えすぎるあまり、自由な会話ができなくなっています。
人が興味を持つのは自分のことだけ。他人の発言に興味を持っている人はほとんどいません。周囲の目を気にしすぎるあまり萎縮してしまうのは、ただの独り相撲です。
相手の気持ちを考えられるのは素敵なことですが、気を使いすぎないように心がけましょう。
相手の気持ちを理解するのが苦手
相手の気持ちを理解するのが苦手なタイプの方も、コミュニケーション能力が低いと判断されてしまう傾向にあります。
良くあるケースが、忙しいのが見て分かるのに話しかけてくるタイプです。話しかけられた方は、「なぜ今なのか」と嫌な気持ちになってしまうでしょう。
相手の気持ちを理解するのが苦手なタイプは、自分の感情だけを考えている傾向にあります。そのため相手を気遣えず、変なタイミングで割り込んでくるのです。
他人に興味を持てない
相手の気持ちを理解するのが苦手な方もいます。そもそも、周囲の人に興味が無いのですね。例えば、以下の考えを持っている方に多く見られます。
- 会社は仕事をする場所として割り切っている
- 周囲の人はレベルが低いと下に見ている
- 自分以外をみんな敵と考えている
- 一人が好きなので他人と関わりたくない
近年は仕事とプライベートを分ける人が増えてきています。しかし、仕事は人と協力して行う以上、何かしらの関わりが必ず生じます。
面倒であっても、他人に興味を持つよう心がけましょう。
話をまとめるのが苦手
話をまとめるのが苦手なタイプも、コミュニケーション能力が低いとされています。何が言いたいのか伝わってこない会話をする人に多く見られます。
自分の中で話す内容がまとまっていないため、全てを思いつくまま話そうとしてしまうんですね。
このような場合、PREP法を使うなど会話の技法を学べば、あっさり解決することが多くあります。
「話が長い」「順序立てて話して」と言われた経験のある方は、当てはまっているかもしれないので注意しましょう。
過去に何らかのトラウマがある
過去にコミュニケーションで何らかのトラウマがある場合、苦手意識を持つ可能性があります。人間の悩みの9割は対人関係です。古代ローマ時代から、人は対人関係で悩み続けています。
トラウマの種類は人それぞれであるため、克服するには膨大な労力が必要です。例えば吃音症の場合、吃音が大きなトラウマとなり、最悪のケースは死を選ぶことすらあります。
一朝一夕で解決できる問題ではありません。自分のコミュニケーション能力の低さが過去のトラウマにある方は、無理に改善するのではなく逃げるのも1つの方法です。
エンジニア初学者が知っておきたいコミュニケーションスキル向上のための7つのヒント
コミュニケーションスキルの向上をさせるには、抑えておきたいポイントがあります。ここからは、向上のために使えるヒントを7つ紹介します。ぜひ参考にしてください。
- 積極的なリスニングを心がける
- 質問のスキルを磨く
- 非言語コミュニケーションを駆使する
- フィードバックの提供と受け入れを意識する
- エンパシー能力を発展させる
- 要約とクリアな伝達とを心がける
- 自己認識と改善を繰り返す
積極的なリスニングを心がける
相手の言葉に対して、積極的なリスニングを心がけましょう。まず相手が何を伝えたいのかを理解するように努力してみてください。
コミュニケーションスキルで大切なのは、話す力よりも聞く力です。
人は本来、自分の話を誰かに聞いて欲しいと願っています。自分の話を遮られると不快感を示すほどです。まずは相手の話を聞いて、適切な相槌を打つように努力しましょう。
難しいと感じる場合は、明石家さんまがMCをする番組を見てください。日本で最も聞く力が優れている人のひとりです。非常に参考になります。
コミュニケーションが苦手な方は、積極的なリスニングを意識してみましょう。
質問のスキルを磨く
コミュニケーションにおいて、質問のスキルも重要です。適切な質問で対話を深掘りし、相手の意見や視点を深掘りしましょう。
その際に意識したいのが、以下の2つのポイントです。
- 相手が理解しやすいように質問内容を組み立てる
- 相手の考えを先読みして質問を投げかける
両者を意識することで、スムーズにコミュニケーションを進められます。テニスや卓球でラリーをしているかのように、質問を投げかけられるのがベストです。
そのためにも積極的に質問をし、スキルを磨いていきましょう。
非言語コミュニケーションを駆使する
人に伝える方法は、言葉だけではありません。非言語コミュニケーションも重要です。姿勢やジェスチャー、表情などを意識的に使えば、より明確に意思を伝えられます。
道を尋ねてきた外国人に、ジェスチャーを交えて道案内をした経験があると、わかりやすいでしょう。
人は話し言葉だけでなく、話している人の表情や視線など、様々な情報を読み取っています。ジェスチャーや表情などの非言語コミュニケーションを駆使して、相手に伝えるよう意識しましょう。
フィードバックの提供と受け入れを意識する
社会人にとって、タメになるフィードバックは重要です。建設的なフィードバックを提供するのはもちろん、自分がされた場合は受け入れるように意識しましょう。
本来、フィードバックは相手のためを思ってする行為です。する側とされる側の両方にメリットがあります。更に、建設的なフィードバックには、人を大きく成長させる効果も。
フィードバックを適切に使い、コミュニケーションスキルを向上させるよう意識してください。
エンパシー能力を発展させる
エンパシー能力を発展させ、相手の視点や感情を理解する能力を身につけましょう。
エンパシーとは、「自分がもし○○だったら」を想像して理解する能力のことです。つまり、相手の立場にたって考える能力とも言えます。
独りよがりなコミュニケーションは、相手を嫌な気持ちにさせてしまいます。エンパシー能力があれば、自分事として共感することが可能です。
ビジネスでは、立場の違う相手と一緒に仕事を進めます。エンパシー能力を発展させ、コミュニケーションをしやすい人を目指しましょう。
要約とクリアな伝達を心がける
コミュニケーションにおいて、言葉の選び方は大切です。人と話す際は、話す内容の要約とクリアな伝達を心がけましょう。
ビジネスでのコミュニケーションにおいて重要なのは、わかりやすい形で素早く話すことです。そのため良く用いられているのが、結論から先に話す方法となります。結論ファーストとも呼ばれますね。
結論から先に話すことで、何について話しているのかを最初に伝えられ、わかりやすく説明できます。話が長いと指摘される方は、挑戦してみてください。
自己認識と改善を繰り返す
コミュニケーション能力の向上には、自己認識と改善を繰り返すことも必要です。PDCAを回してください。
最初から完璧なコミュニケーションができる人は、ほとんどいません。コミュニケーションの中で相手を不快にさせたり、自分でも失敗したなと感じたりした場合は、すぐに改善しましょう。
自己認識と改善を繰り返していけば、コミュニケーション能力は自然と向上していきます。
エンジニア初学者はコミュニケーションスキルを向上していこう
コミュニケーションスキルは、エンジニア初学者のみならず社会人にとって大切なスキルです。ビジネスでは必ず求められます。
一方で、コミュニケーションが苦手という方も多くいます。苦手と感じている方は、少しずつ原因と向き合いながら自分なりのコミュニケーション方法を探していきましょう。
今回紹介したコミュニケーションが向上するポイントは、誰にでもできる簡単なものばかりです。取り組めるものから挑戦し、少しずつ苦手意識を克服していってくださいね。
【番外編】USBも知らなかった私が独学でプログラミングを勉強してGAFAに入社するまでの話
プログラミング塾に半年通えば、一人前になれると思っているあなた。それ、勘違いですよ。「なぜ間違いなの?」「正しい勉強法とは何なの?」ITを学び始める全ての人に知って欲しい。そう思って書きました。是非読んでみてください。
「フリーランスエンジニア」
近年やっと世間に浸透した言葉だ。ひと昔まえ、終身雇用は当たり前で、大企業に就職することは一種のステータスだった。しかし、そんな時代も終わり「優秀な人材は転職する」ことが当たり前の時代となる。フリーランスエンジニアに高価値が付く現在、ネットを見ると「未経験でも年収400万以上」などと書いてある。これに釣られて、多くの人がフリーランスになろうとITの世界に入ってきている。私もその中の1人だ。数年前、USBも知らない状態からITの世界に没入し、そこから約2年間、毎日勉学を行なった。他人の何十倍も努力した。そして、企業研修やIT塾で数多くの受講生の指導経験も得た。そこで私は、伸びるエンジニアとそうでないエンジニアをたくさん見てきた。そして、稼げるエンジニア、稼げないエンジニアを見てきた。
「成功する人とそうでない人の違いは何か?」
私が出した答えは、「量産型エンジニアか否か」である。今のエンジニア市場には、量産型エンジニアが溢れている!!ここでの量産型エンジニアの定義は以下の通りである。
比較的簡単に学習可能なWebフレームワーク(WordPress, Rails)やPython等の知識はあるが、ITの基本概念を理解していないため、単調な作業しかこなすことができないエンジニアのこと。
多くの人がフリーランスエンジニアを目指す時代に中途半端な知識や技術力でこの世界に飛び込むと返って過酷な労働条件で働くことになる。そこで、エンジニアを目指すあなたがどう学習していくべきかを私の経験を交えて書こうと思った。続きはこちらから、、、、
エンベーダー編集部
エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。
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