AWS SAA(AWS Certified Solutions Architect - Associate)****は、****SAPやDVAなど複数あるAWS認定資格のうちの一つです。こちらの記事では、AWS実務未経験でもSAA試験に合格するために行った学習方法やマインドの持ち方、受験した際の失敗談などをご紹介します。
AWS SAA(AWS Certified Solutions Architect - Associate)とは
AWS Solutions Architect - Associate(以降SAA)は、AWSの認定資格のうち中級のアソシエイトレベルに該当する資格になります。AWS認定資格はレベル別に、ベーシック(初級)・アソシエイト(中級)・プロフェッショナル(上級)の3つに分けることができ、SAAはこの中のアソシエイト(中級)に分類されます。
ソリューションアーキテクトとは、日本語に直訳すると「問題解決のための仕組みを設計する人」となり、アーキテクチャの設計原則に基づき具体的なシステムの構成・構築・提案をしていく役割があります。SAAはこのソリューションアーキテクトとして、中級の知識があることが求められるとともに、試験に合格すればその能力があることを証明する資格になります。
2023年4月現在、バージョンはSAA-C03
SAA試験にはバージョンがあり、現在のバージョンはSAA-C03です。2022年8月30日よりSAA-C02よりC03へ変更になりました。バージョンが違うことによって、出題されるサービスの内容や比率が違ってきます。書籍や資料によっては、新しいバージョンに対応していない可能性があるため、注意が必要です。
受験費用について
受験費用は、認定試験の種類によって異なります。SAAの場合には税込16,500円となっています。バウチャーチケット購入センターというサイトでチケットを購入すると、チケットを購入する際に割引を受けられるためお得です。SAAの場合は2023年5月現在、約5%の割引が適用されるため税込16,500円→15,675円で受験することが可能です。
割引チケットを使用して試験の予約をする際には、先にチケットを購入しバウチャーチケット番号を取得。その後、バウチャーチケット番号を使用して試験の予約をするようにしましょう。
また、AWS公式でも時期によってはキャンペーンが実施され、受験費用の割引などの恩恵が受けられる場合もあるため予約する際には確認すると良いでしょう。バウチャーチケットを利用するか、AWS公式のキャンペーンを利用するかは良く検討する必要がありそうです。
この資格を取得するメリット
私が受験した際にメリットと感じた事をご紹介します。
たくさんあるAWSサービスのアーキテクチャを知ることができる
試験問題を通してアーキテクトとしての考え方を知ることができます。
例えば、S3バケットにデータを保存する際に、保存したデータにアクセスされるパターンが不規則だったとします。この場合に、S3でより運用するコストが低いストレージにはどのような種類があるのか?など、試験問題を通してソリューションアーキテクトとして必要な知識を得ることができます。
第三者に知識があることを証明できる
資格を取得することによって、自分以外の第三者に知識があることを証明できます。資格を持っていれば、実際に業務をこなせるかは別としても、自分以外の人に資格相応の知識を有していることを証明することができます。資格を持っていない方でも、資格以上の知識を有している方はたくさんいるかも知れませんが、その証明として資格を持っておくのはメリットになるでしょう。
問題を通して新しい発見だらけなので、試験は難しいが知る楽しさがある
先述したS3バケットのストレージの選択方法のように、試験問題を通して複数のサービスを組み合わせ、課題を解決していくにはどのようにするべきなのかを知ることができます。
初めは全く聞いたこともないようなサービスの名前が出てくることがほとんどでした。それでも問題を解いていくうちに、このパターンであればこの組み合わせで進めていく方法があるのか!という発見の連続がありました。色々なパターンの問題が出題されるため、間違えて落ち込むこともありましたが、新しい発見が続くことは非常に楽しい体験でした。
学習期間および時間
学習期間については約1.5ヶ月で合格することができました。仕事の休憩時間にスマホで問題を解いたり、定時で仕事を終えた時には地元の生涯学習センターなど無料で利用できる施設を使って学習していました。1日平均1.5時間で約70時間前後、学習に時間を費やした計算になります。
学習方法について
私が学習を進めていく上で実践した内容を、マインドの持ち方なども含めてご紹介します。本来ならば問題を解いていくのと同時に実際にAWSに触れてみて、理解していくのが一番ベストな学習方法だと思います。
ガンガン問題を解く
私は最初から問題集をひたすら解きました。まずは書籍から、とも思ったのですが、お世話になっている方からもガンガン問題を解きましょう!とのアドバイスをいただいたのもあり、この方法を選択しました。
書籍を読む、ハンズオンをしながら理解する。これは非常に大切なことだと思いますが、試験合格を最優先にする場合にはひたすら問題を解くのも悪くないと思います。
YouTubeの動画の中でも、実務経験がある方でも試験問題を解かないと合格するのは難しいと言われていました。試験範囲もかなり広いため、仮に実務経験が豊富な方でも出題される全てを理解している訳ではない、ということでしょう。
こう考えると、ガンガン問題を解き、間違えながら理解していくこの方法が一番効果があったと思います。
マインドの持ち方
問題を読んで正解が分からなくても落ち込まない。間違えても気にしない。
これが私の中では一番重要でした。私はハートが弱い方なので、問題を解き始めた当初は初めて聞くサービス名が多すぎて、正直何を言っているのか分かりませんでした。こんなことで受かるのか?と不安になったことを覚えています。
結果、同じ問題を繰り返し解くことでやがて正解率も上がっていき、問題の内容も理解できるようになっていったため、いちいち落ち込まず淡々と進めることが大切だったなと感じています。
YouTubeを利用する
SAA試験対策の問題はYouTubeにもたくさん動画があるため、こちらを利用しました。CloudTechさんが運営されているチャンネルでは、問題の後に解説されている動画もあるため内容を理解するのに非常に役に立ちました。
この時にも聞いたことのないサービスや問題があり、初めは正解することができませんでしたが、落ち込まないマインドでなんとか乗り越えたことを覚えています。
書籍を読んで理解する
ひたすら間違えながらも問題を解く。そうして分からなかったサービス名や特徴について、書籍を読んで調べることで理解が深まります。
繰り返し問題を解いていくことで、ある程度自分が理解できていないポイントが見えてきます。そのタイミングで書籍を利用して内容を確認する。こうすることで、サービスに対しての理解も深まり、問題がどのような意味だったのかを理解することができるようになりました。
毎日問題を解き続ける
気持ちを切らさないように、5分、10分だけでも必ず毎日問題を解き続けることを意識していました。1日でも問題を解かない日があると忘れてしまいそうで不安だったのもあり、どんなに忙しく疲れていても必ず問題を解くことは意識しました。
正直なところ、1問だけしか取り組めない日もありました。そんな日は1問だけでも良くやった!と自分のことを褒めてあげるようにしましょう。
筆者が利用したサービス
YouTubeなどで無料で学習することは可能ですが、それだけでは合格する自信が持てなかったため、有料サービスを利用しました。利用した有料サービスは以下のサービスです。
Cloud Tech
AWS系YouTuberのくろかわこうへい氏が運営されているサービスです。YouTubeでも試験対策動画をアップされており、分かりやすい解説だったためとてもお世話になったサービスです。無料でも利用することが可能ですが、有料会員になることで最新バージョンのSAA-C03に対応した最新の問題を解くことができます。
ただ問題を解いていくだけではなく、問題に対してテキストでの解説や解説動画もあるため、間違えても次に活かすことができる仕組みになっている点が良かったです。
Tech Stock
こちらのサービスは、7問単位で出題されていくスタイルで、ちょっとした隙間時間を利用して学習するのに非常に適したサービスです。私は仕事の休憩時間を利用して問題を解くようにしていました。
すでに資格を取得されている先輩から、最低でも3周は問題を解くように!とのアドバイスをいただいたため、試験日前日までに3周ほど周回し問題を解きました。こちらも問題を解くと解説のテキストが表示されるため、なぜ間違えたのかを確認しながら進められる点が良かったです。
受験方法の違いや注意点
試験を受験するには、試験センターへ出向いて受験する方法と、OnVUEというサービスを利用して自宅で受験するという2つの方法があります。日本ではNational Computer Systems Japan K.K. (ナショナル・コンピュータ・システムズ・ジャパン株式会社)が運営しているPearson VUEというサービスを利用します。後述しますが、私が初めて受験する際にはOnVUEを利用してオンラインで受験しました。その際、試験の途中で謎のフリーズが発生してしまい、その日の受験は最後まで受けることができませんでした。
試験センターへ出向いて受験
試験センターへ足を運び、センター内で受験する方法です。受験センター内に設置されているPCを使用して受験するため、私が受験した際には持参するものは身分を証明するもの2つのみで、そのほかは必要ありませんでした。
交通費や移動時間はかかりますが、システムエラーなどの影響を受けることはないため、確実に受験したい方はこちらの方法がおすすめです。
OnVUEを利用して自宅で受験
OnVUEとは、2019年より立ち上げられたオンラインで試験が受けられるサービスです。こちらのメリットはなんといってもSAAなどの認定試験を自宅で受けられることです。試験センターへ足を運ぶ手間や交通費などを気にしなくて良いことが最大のメリットだと思います。
受験する際には、試験を受ける部屋の片付けや部屋の全体像を映したり、身分証明書をスマホで撮影してオンライン試験監督へ提出したりする手間が発生します。私はこれが手間に感じてしまいました。そのため、慣れていないうちは試験開始時間より早めにログインし、手続き等を進める必要があります。余裕を持った行動を意識した方が、よりスムーズに受験することができるでしょう。
OnVUEで受験した際の失敗談と対応策
先述したように、私が初めて受験した際にはOnVUEを利用してオンラインで受験しました。受験中、20門くらいを解いた後に画面がフリーズしてしまい、先に進めず途中で試験が終了してしまうというトラブルが発生。原因が自身のPCのスペックの問題だったのか、ネットワークの問題だったのか、Pearson VUE側の問題なのかは最終的に分かりませんでした。
調べてみると、同様のトラブルに見舞われている方もいるため、オンラインで受験する際にはこういったトラブルが発生するかも知れないことを頭に入れておく必要があります。
また、こう言ったトラブルに見舞われてしまった場合には、運営側にすぐに連絡をしましょう。そうすることで、サービスバウチャーと呼ばれる割引サービスが受けられます。私はこのサービスバウチャーを利用し、再度受験する際の費用を全額免除していただきました。
試験合格の通知について
合格の通知については、メールで通知されます。通知されるまでにかかる日数は試験終了後5営業日以内と公式で案内されています。様々なケースがあるかも知れませんが、私の場合は受験当日の夜にメールで合格を知らせるバッジがメールで送られてきました。この時点ではスコアは確認できませんでしたが、後日再度メールが届き、スコアを確認することができました。
万が一試験に合格できなかった場合には、14日間は再受験することができないということも頭に入れておく必要があります。時期によっては再受験費用が半額になることもあるため、情報をチェックしておくと良いでしょう。
まとめ
AWS SAA(AWS Certified Solutions Architect - Associate)を受験することで、AWSのサービスについての様々な発見や理解ができることは間違いありません。学習する際には、合格を目的にすることはもちろん、知らなかったことを知る喜びや楽しさを感じながら学習を進められたら最高だと思います。
【番外編】USBも知らなかった私が独学でプログラミングを勉強してGAFAに入社するまでの話
プログラミング塾に半年通えば、一人前になれると思っているあなた。それ、勘違いですよ。「なぜ間違いなの?」「正しい勉強法とは何なの?」ITを学び始める全ての人に知って欲しい。そう思って書きました。是非読んでみてください。
「フリーランスエンジニア」
近年やっと世間に浸透した言葉だ。ひと昔まえ、終身雇用は当たり前で、大企業に就職することは一種のステータスだった。しかし、そんな時代も終わり「優秀な人材は転職する」ことが当たり前の時代となる。フリーランスエンジニアに高価値が付く現在、ネットを見ると「未経験でも年収400万以上」などと書いてある。これに釣られて、多くの人がフリーランスになろうとITの世界に入ってきている。私もその中の1人だ。数年前、USBも知らない状態からITの世界に没入し、そこから約2年間、毎日勉学を行なった。他人の何十倍も努力した。そして、企業研修やIT塾で数多くの受講生の指導経験も得た。そこで私は、伸びるエンジニアとそうでないエンジニアをたくさん見てきた。そして、稼げるエンジニア、稼げないエンジニアを見てきた。
「成功する人とそうでない人の違いは何か?」
私が出した答えは、「量産型エンジニアか否か」である。今のエンジニア市場には、量産型エンジニアが溢れている!!ここでの量産型エンジニアの定義は以下の通りである。
比較的簡単に学習可能なWebフレームワーク(WordPress, Rails)やPython等の知識はあるが、ITの基本概念を理解していないため、単調な作業しかこなすことができないエンジニアのこと。
多くの人がフリーランスエンジニアを目指す時代に中途半端な知識や技術力でこの世界に飛び込むと返って過酷な労働条件で働くことになる。そこで、エンジニアを目指すあなたがどう学習していくべきかを私の経験を交えて書こうと思った。続きはこちらから、、、、
エンベーダー編集部
エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。
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