ITエンジニアの資格として多くの方が取得を目指している応用情報技術者試験。エンジニアとしての仕事の幅を広げるなら、ぜひ取っておきたい資格の1つです。
応用情報技術者試験は難易度の高い資格でもあります。
今回は応用情報技術者試験に興味のある方に向けて、試験の概要と独学で使いたいオススメの参考書について解説します。
取得を考えている方はぜひ参考にしてくださいね。
応用情報技術者試験(AP)はIPAが実施している国家試験
応用情報技術者試験(AP)は、IPAが実施している国家試験の1つです。応用とついていることからもわかるように、高度IT人材を目指す方のための資格として位置付けられています。
合格すれば技術者からエンドユーザーまで、ITに関わる全ての人が活用できます。ざっくり言うと、一人前として認められるのです。
取得を目指す方の多くは、基本情報技術者試験に合格してからスキルアップとして挑戦します。
基本技術者試験についてはこちらで解説しています。
https://envader.plus/article/101
更に上位の資格である高度情報技術者試験の前哨戦として挑むのも良いでしょう。
応用情報技術者試験の試験概要
応用情報技術者試験は春期(4月)と秋期(10月)の2回実施されています。午前と午後に分かれており、1日を使って試験に挑みます。
出題範囲も非常に広く、ITに関する広範囲の知識が必要です。
合格基準は、午前試験と午後試験でそれぞれ100点満点中60点以上を取ること。午前試験の得点が基準点に達していなければ、午後試験は採点されません。過去に合格点を満たしていたからといって試験免除もありません。
常に本試験として挑まなければならない試験です。
午前 | 午後 | |
---|---|---|
試験時間 | 9:30~12:00(150分) | 13:00~15:30(150分) |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) | 記述式 |
出題数 | 80問 | 11問 |
解答数 | 80問 | 5問 |
午前試験
午前試験の問題は、四肢択一で全80問が出題されます。内訳も公開されており、以下の3つに分けられます。
- テクノロジ系:50問
- マネジメント系:10問
- ストラテジ系:20問
各分野それぞれ更に細分化されているのが応用情報技術者試験の特徴です。内容もITの基礎理論からマネジメント、更に企業活動や法務まで多岐に渡ります。
知識だけで解ける問題ばかりではなく、計算が必要な問題もあります。傾向として半分近くの問題が過去問と同じであるため、午前試験は過去問対策がポイントです。
午後試験
午後試験の問題は、分野別の11問が出題されます。その中から5問だけを選んで解答する形です。解答する問題は、必須となっている問1のセキュリティ問題以外は、何を選んでも自由となっています。
簡単なようにも思えますが、記述式であるため1問ごとに時間がかかります。過去問と同じ問題もありません。
長い問題文を読み解きながら、記述式の解答をするという読解力・文章力も問われる試験です。
応用情報技術者試験の難易度は高い
応用情報技術者試験は難易度の高い試験です。試験の主催機関であるIPAが発表しているデータでは、以下のように変化しています。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
令和4年度秋期 | 36,329人 | 9,516人 | 26.2% |
令和4年度春期 | 32,189人 | 7,827人 | 24.3% |
令和3年度秋期 | 33,513人 | 7,719人 | 23.0% |
令和3年度春期 | 26,185人 | 6,287人 | 24.0% |
令和2年度 | 29,024人 | 6,807人 | 23.5% |
直近の合格率は平均で23%ほどです。約4人に1人が合格している割合になります。
数値だけ見ると高いように感じられますが、受験者は既に基礎的な知識を身につけている人たちばかりです。そのため、難易度は高いと言っても良いでしょう。
勉強時間は500時間ほど必要
応用情報技術者試験に向けて勉強する際、必要な時間は初学者なら500時間ほど必要と言われています。これは、1日2時間を勉強にあてても9ヶ月程度かかる時間です。仕事などで勉強できない時間を換算すれば、1年ほどかかると考えた方が良いでしょう。
基礎知識を持っていたとしても、200時間程度は必要です。こちらも1日2時間を勉強にあてても4ヶ月程度かかります。
どちらも長期間の学習が必要となるため、学習スケジュールをしっかり組むことが求められます。
応用情報技術者試験で使いたいオススメ参考書
応用情報技術者試験を独学で学ぶ場合、お世話になるのが参考書です。参考書は様々な出版社から出版されているため、どれを選べばいいのかわからない方も多いことでしょう。
もし迷った場合は、以下の4冊がオススメです。
- 令和5年【春期】【秋期】応用情報技術者 合格教本
- キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者 令和05年
- ニュースペックテキスト 応用情報技術者 2023年度[オールカラー印刷]
- 2023 応用情報技術者 午後問題の重点対策
令和5年【春期】【秋期】応用情報技術者 合格教本
画像引用:技術評論社
数多くの試験の教材を世に送り出している技術評論社が出版する教本です。旧試験や高度試験を網羅的に分析した非常にわかりやすい内容となっています。
巻末にはサンプル問題も掲載されているため、学習語の腕試しも可能です。更に過去19回分の本試験午前問題に挑戦できる問題演習アプリもついています。
1冊あれば基礎学習から過去問まで学習できる書籍です。
キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者 令和05年
画像引用:技術評論社
IT関係の資格の教本では有名なキタミ式の応用情報技術者Verです。同じく技術評論社が出版しています。
全ての解説をイラストベースで行っているため、わかりやすいのが最大の魅力です。試験範囲を一通り理解して対策する場合に重宝します。過去問の解説も掲載されているので、対策面でも安心です。
1冊で基礎から勉強したい方にオススメの書籍となっています。
ニュースペックテキスト 応用情報技術者 2023年度[オールカラー印刷]
画像引用:TAC出版
数多くの資格試験対策で有名なTAC出版が手がけた教本です。オールカラーで構成され、テキストと問題演習を掲載しています。中でも図解が非常にわかりやすく、考え方のプロセスがひと目でわかります。
学習する順番・関連性を示した学習mapがあるので、始めて学習する方でも迷わずに勉強できる点がポイント。目的意識を持って学習を進めることができます。
午前試験・午後試験と対策を分けてくれているのも、初学者には嬉しい部分です。効率良く勉強するなら、ぜひ手に取りたい1冊となっています。
2023 応用情報技術者 午後問題の重点対策
画像引用:アイテック
難しいとされる午後問題に焦点を当てた教材です。問題文の読み方をわかりやすく丁寧に解説してくれているため、午後試験対策ならこの本を選んでおけば問題ありません。
記述式解答の厄介な点は正解が決まっていない部分ですが、模範解答が複数あるため対策として非常に優秀です。
午後試験の記述試験が不安な方にオススメしたい1冊となっています。
Webサイトにある過去問一式
応用情報技術者試験を実施しているIPAの公式サイトでは、過去15年以上の過去問が無料で公開されています。
教材を使って基礎的な知識を身につけられたら、次は公式サイトを活用しましょう。
応用情報技術者試験で注意したいのが、時間配分です。午前問題は問題数が多いため、時間配分を失敗すると取り返しが効きません。
過去問を何度も繰り返し、暗記するほどになれば時間に余裕が生まれます。
せっかく用意してくれているので、自信がつくまで過去問を解き続けましょう。
応用情報技術者試験はITの応用知識や技能を問う国家資格
応用情報技術者試験はITの応用知識や技能を問う国家資格です。試験は午前と午後に分かれ、それぞれ出題される問題形式が異なります。合格率は23%ほどありますが、実務経験のある方が受けての合格率なので、初学者の方はより苦戦するでしょう。
独学で勉強する場合は、500時間ほど必要です。人気の資格であるため教材も豊富にあり、自分に合ったものを選んで長く使っていきましょう。公式サイトの過去問も活用することで、試験対策もコストをかけずにできます。
エンジニアの方で何か資格を取りたいと考えているなら、応用情報技術者試験に挑戦してみてはいかかでしょうか。
【番外編】USBも知らなかった私が独学でプログラミングを勉強してGAFAに入社するまでの話
プログラミング塾に半年通えば、一人前になれると思っているあなた。それ、勘違いですよ。「なぜ間違いなの?」「正しい勉強法とは何なの?」ITを学び始める全ての人に知って欲しい。そう思って書きました。是非読んでみてください。
「フリーランスエンジニア」
近年やっと世間に浸透した言葉だ。ひと昔まえ、終身雇用は当たり前で、大企業に就職することは一種のステータスだった。しかし、そんな時代も終わり「優秀な人材は転職する」ことが当たり前の時代となる。フリーランスエンジニアに高価値が付く現在、ネットを見ると「未経験でも年収400万以上」などと書いてある。これに釣られて、多くの人がフリーランスになろうとITの世界に入ってきている。私もその中の1人だ。数年前、USBも知らない状態からITの世界に没入し、そこから約2年間、毎日勉学を行なった。他人の何十倍も努力した。そして、企業研修やIT塾で数多くの受講生の指導経験も得た。そこで私は、伸びるエンジニアとそうでないエンジニアをたくさん見てきた。そして、稼げるエンジニア、稼げないエンジニアを見てきた。
「成功する人とそうでない人の違いは何か?」
私が出した答えは、「量産型エンジニアか否か」である。今のエンジニア市場には、量産型エンジニアが溢れている!!ここでの量産型エンジニアの定義は以下の通りである。
比較的簡単に学習可能なWebフレームワーク(WordPress, Rails)やPython等の知識はあるが、ITの基本概念を理解していないため、単調な作業しかこなすことができないエンジニアのこと。
多くの人がフリーランスエンジニアを目指す時代に中途半端な知識や技術力でこの世界に飛び込むと返って過酷な労働条件で働くことになる。そこで、エンジニアを目指すあなたがどう学習していくべきかを私の経験を交えて書こうと思った。続きはこちらから、、、、
エンベーダー編集部
エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。
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