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2023.02.24

基本情報技術者試験「意味ない」「いらない」本当に?エンジニア志望者は取得するべき?

ITに関する資格は様々なものがありますが、中でも知名度の高い資格として基本情報技術者試験があります。通称FEとも呼ばれるこの資格は、IT業界を目指しているのなら1度は耳にするほど有名です。

ですが、巷では「意味無い」「いらない」といった声も少なからずあります。国家資格なのに疑問を感じている方もいるでしょう。

今回はそんな基本情報技術者試験について解説します。勉強方法やITパスポートとの違いについても紹介しますので、資格の取得を考えているエンジニアの方は、ぜひ参考にしてください。

基本情報技術者試験はエンジニアなら取っておきたい国家資格

基本情報技術者試験は、エンジニアの方なら取っておいて損はない国家資格です。徳利知行制法人情報処理推進機構が所管しています。取得することで「高度IT人材として必要な基本的知識・技能、技術的な活用能力」があると判断されます。

受験方法はCBTで、試験会場に出向いてパソコンを使って受験する形です。令和4年度までは年に2回開催されていましたが、令和5年度から通年開催に変更されています。

基本情報

基本情報技術者試験は、科目A試験と科目B試験に分かれています。それぞれ持ち時間があるため、制限時間内に回答しなければいけません。

受験資格は特に設けられていないことから、年齢・職種問わず全ての人が受験可能です。受験するにあたっての間口の広さも、基本情報技術者試験の特徴と言えます。

科目A科目B
試験時間90分100分
出題形式多肢選択式(四肢択一)多肢選択式
出題数60問20問
回答数60問20問

難易度・合格率

基本情報技術者試験の難易度は、資格のレベルで判断するとレベル2に該当します。同じくIT系の資格であるITパスポートがレベル1な点から考えれば、少し難しい程度です。

ITパスポートの合格率が50%程度とされているため、合格率はもう少し下がるものと考えてください。なお、直近の合格率は以下の通りです。

実施回受験者数合格者数合格率
令和3年度上期(令和3年5月実施)6,871人3,435人49.9%
令和3年度上期(令和3年6月実施)25,637人10,087人39.3%
令和3年度下期(令和3年10月実施)8,981人4,134人46%
令和3年度下期(令和3年11月実施)43,850人17,033人38.8%
令和4年度上期(令和4年4月実施)8,449人3,816人45.1%
令和4年度上期(令和4年5月実施)37,574人14,399人38.3%
令和4年度下期(令和4年10月実施)9,882人3,861人39%
令和4年度下期(令和4年11月実施)45,618人15,919人34.8%

引用:IPA情報処理推進機構

このように少しブレはあるものの、総じて50%以下の合格率です。

必要なIT知識が身につく

基本情報技術者試験は、資格を取るまでにIT知識を多く身につけられます。試験の出題範囲には以下が含まれるからです。

  • ネットワークやキュウリティといった情報処理分野
  • プロジェクトマネジメントなどのマネジメント分野
  • 労働
  • 財務
  • マーケティング
  • 経営・会計分野
  • プログラムの基本要素
  • データ構造及びアルゴリズム
  • プログラミングの処分やへの適用

ITに関連する知識を一通り学べるため、IT業界を目指す方なら受けておいて損はないでしょう。特に基礎知識を固めたい場合に有利です。

基本情報技術者試験の勉強方法

基本情報技術者試験は合格率が50%にも満たない試験です。取得する際は、どう効率的に勉強して身につけるかが重要なポイントとなります。

ここからは基本情報技術者試験の取得を考えている方に向けて、オススメの勉強方法を解説します。以下の点を意識してください。

  • 基礎知識を固める
  • 過去問を活用おする
  • 勉強時間は50~200時間程度
  • 通信教育やスクールを利用する

基礎知識を固める

基本情報技術者試験は、情報処理技術者試験の中でも基本的な資格として位置付けられています。そのため、勉強する際は基礎知識を固めることが何よりも大切です。

先述した合格率を見てもわかるように、勉強すれば簡単に取れる資格ではありません。主に出題される基礎知識をしっかり固めた上で受験しましょう。何事も基礎が1番大切です。

過去問を活用する

基本情報技術者試験の試験対策で最も重要なのは、過去問を解くことです。特に科目Aでは、旧試験制度の出題になるため過去問の履修は有効な手段となっています。配点も大きいため、逃さないように過去問は活用していきましょう。

一方の科目Bは、科目Aから少し応用的な問題が出題されます。ですがこちらも公開されているサンプル問題を活用することで、ある程度の対策が可能です。ただし基本的には科目Aで学んだ内容が出題されるため、過去問の重要度は変わりません。

過去問はこちらのサイトを利用するのがオススメです。 基本情報技術者試験ドットコム

勉強時間は50~200時間程度

基本情報技術者試験を取得するための学習時間は、人によって大きく変わります。誰でも受験できることもあって、最初の基礎能力にばらつきがあるためです。

  • ITの前提知識がある:50時間程度
  • ITの前提知識がない:100~200時間程度

当然ですが、ITの前提知識があると勉強時間が少なくて済みます。一方で何も知識が無い状態からだと、200時間程度は必要です。

通年開催へと変更になったため、納得できるほど知識が身についた時点で受験すると良いでしょう。

通信教育やスクールを利用する

基本情報技術者試験は、独学の他に通信教育やスクールで学ぶ方法があります。独学でも合格できる試験ではありますが、知識が全くない方にとっては高いハードルです。

そこで通信教育やスクールを利用して、1から学び直します。わからないことがあれば質問できる環境であるため、独学よりも遙かに身につけやすい方法です。

ただし費用がかかるため、お財布と相談して利用を考えてください。

基本情報技術者試験とITパスポートの違い

基本情報技術者試験と似ている試験が、ITパスポートです。それぞれどちらを取ればいいのかわからないという方も多いでしょう。

両者はいずれもIPAが所管する国家資格であり、取得することでITに関する知識を得ている証明になります。ですが両者はそれぞれ対象者が違うため、状況に合わせて選ぶ必要があります。

  • 基本情報技術者試験:IT技術を用いて問題解決を図るエンジニアとしての素養の証明
  • ITパスポート:ITを活用する側の知識証明

上記を見ればわかるように、ITパスポートはITの知識を身につけて活躍の幅を広げたい方向けの資格です。

一方の基本情報技術者試験は、具体的にITを用いた問題解決に焦点を当てています。つまり、エンジニア向けの資格なのです。

これらのことから、エンジニアの方が取る資格としては基本情報技術者試験の方がオススメと言えます。

基本情報技術者試験は就職・転職でも有利

基本情報技術者試験は国家資格かつ合格率も低いことから、就職・転職でも評価される資格です。特に以下の面から、取得しておくと良いでしょう。

  • 客観的な証明になる
  • 手当がもらえる

客観的な証明になる

基本情報技術者試験は、取得することで客観的な証明となります。そもそもの成り立ちからして、国が「デジタル人材に必要な知識とスキル」と定義した資格です。

そのため取得することで、それぞれの分野でどこまでが基礎なのかが自然と身につきます。出題範囲も広範囲であるため、基礎知識をしっかり身につけていると判断されるのです。

IPAでは、基本情報技術者試験は上位者からアドバイスをもらいながら担当業務ができると想定します。

IT関連の基礎知識を最低限身につけていますと証明したいのであれば、ぴったり資格と言えます。

手当がもらえる

基本情報技術者試験は国家資格です。企業によっては手当を支給しているところがあります。

手当の金額は企業によって様々ですが、平均値で約5,000円ほど。年にすると60,000円の手当支給です。

在籍中に資格を取ったのであれば、合格報奨金として50,000円~200,000円程度もらえることも。

給与にも大きくプラスになるため、手当ももらえる資格として狙ってみるのも良いでしょう。

基本情報技術者試験はエンジニアの基礎知識を把握できる国家資格

基本情報技術者試験は、エンジニアの基礎知識を把握できる国家資格です。2023年から通年受験ができるようになり、ますます挑戦しやすくなりました。合格率も30~40%台と国家資格の中でも比較的高い部類に入ります。

出題範囲は非常に広範囲ですが、過去問を活用していけば問題ありません。勉強時間も最大で200時間ほどと少ないのもメリットです。難しい場合は、通信教育やスクールも活用しましょう。

似ている資格としてITパスポートがありますが、両者は大きく違います。エンジニアの方であれば、基本情報技術者試験の方が有利に働く場合がほとんどです。基礎的な知識であるからこそ、身につけていれば実力の証明にもなります。しっかりした土台のあるエンジニアの証明として、挑戦してみてくださいね。

エンベーダー編集部

エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。

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