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2023.11.19

フリーランス・個人事業主の始め方を詳しく解説

「個人事業主になりたいけど、何から始めればいいの?」

このような疑問を持つ方は多くいます。実は、個人事業主を始めるのは意外と簡単です。

この記事では、個人事業主の始め方をわかりやすく解説しています。その他、個人事業主になるにあたって知っておきたい「手順」や「資金調達方法」、「税務知識」についても紹介します。

個人事業主やフリーランスを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

個人事業主とは自由と責任を持つ働き方

個人事業主とは、自分自身で事業を運営している個人のことです。法人格を持たず、個人の責任と資産で事業を行います。

近年良く耳にするフリーランスも個人事業主の形態の1つです。

個人事業主の最大の特徴は、手続きの簡便さと運営の柔軟性にあります。開業届けを提出するだけで誰でも事業を始められ、経営の決定も迅速に行えます。

会社員ならばやらなければいけない仕事であっても、個人事業主ならば自分の裁量で断れる点が魅力です。自分の能力や資源を最大限に活用し、独自のビジネスモデルを構築することもできます。

自由度の高い働き方ですが、一方で全責任を全て負わなければいけません。

ここでは、個人で事業を始める人を「個人事業主」と呼ぶことを覚えておきましょう。

法人との違い

個人事業主と法人は明確に違います。特にわかりやすいのが、始め方の違いです。法人だと、設立するために登記や定款などの作成や、設立費用もかかります。個人事業主のように開業届を提出して終わりではありません。

税金面でも異なります。個人事業で適用されるのは累進課税であり、所得が高くなるほど税率が高くなります。最も高い場合は、所得税・住民税を合計して50%を超えることも。収入の半分が税金として無くなるのです。

一方の法人では、法人税・法人住民税を合計しても約30%ほど。所得の高い個人事業主が法人を設立しているのは、こうした背景があります。ただし、赤字でも最低7万円の税金がかかるため、法人を設立する際は注意しましょう。

個人事業主になるため手順

個人事業主になるのは簡単です。各地の税務署に「開業届」を提出するだけで誰でもなれます。遠方にある場合は、ネットでも提出できるため活用しましょう。

ただし、個人事業主になるためには、開業届以外にも準備しておきたいものがあります。以下の手順を参考に進めてください。

  1. ビジネスプランを策定する
  2. 必要な資格や許可を確認する
  3. 開業届を提出する

Step1:ビジネスプランを策定する

個人事業主として事業を営むのであれば、成功を目指さなければいけません。まずしっかりとしたビジネスプランを策定しましょう。

ビジネスプランは、事業の指針となる重要な部分です。以下を調査し、練ってください。

  • 事業の目的
  • 市場分析
  • 販売線路
  • 財務計画

例えば手作りアクセサリーを販売する場合、ターゲット市場・競合分析・価格設定・販売チャネルなどを詳細に計画します。

もちろん勢いで始めても大丈夫ですが、その際は兼業として少しずつ模索する方法がオススメです。ビジネスプランを作成せずに勢いで独立すると、廃業の危険性もあります。

個人事業主を始めるにあたって、ビジネスプランは非常に重要です。

Step2:必要な資格や許可を確認する

次に、事業を行う上で必要な資格や許可があるかを確認します。事業の種類によっては、特定の資格や許可が法律で求められることがあるためです。

例えば、飲食店を開業する場合は、保健所の許可を得なければいけません。火を扱うため、防火管理者の資格も必要です。

事業によって必要な許可や資格が異なるため、事前に調べておきましょう。

Step3:開業届を提出する

最後に、開業届を税務署に提出します。個人事業主として正式に事業を開始するための法的手続きです。この時、同時に「青色申告承認申請書」も提出することをオススメします。確定申告の申請書です。白色申告は税金の還付額が少額なのでオススメしません。

開業届は、事業開始日から1ヶ月以内に提出する必要があります。提出すると税務上の様々な手続きが始まるため、提出した日は覚えておきましょう。

開業届の提出によって、事業の合法性が保証され、税務上の利益を享受できるようになります。

個人事業主を始めるための3つの資金調達方法

個人事業主を始めるにあたって大切なのが、資金です。個人事業主にとって資金はHP。どのように増やし、維持していくかがポイントとなってきます。

今回はその中でも、始めるために意識したい以下の資金調達方法を解説します。

  • 自己資金を貯める
  • 金融機関から借り入れる
  • 助成金や補助金を活用する

方法1:自己資金を貯める

個人事業主としての活動を開始するためには、まず自己資金の蓄積が基本です。個人の生活レベルによって必要な金額は異なりますが、100万円あれば安心できます。もちろん、それより少額でも構いません。

大切なのは、どのくらいの金額なら安心できるか、という点です。個人事業主になると収入が不安定になります。自己資金と合わせて出費を見直し、最低限の生活を維持できる金額を算出しましょう。

生活レベルを下げるのは大変ですが、自己資金を貯めるのと合わせて支出のバランスを整えることが大切です。個人事業主として生活する際の安心感に繋がります。

また、退職する前にクレジットカードは必ず作っておきましょう。個人事業主になると、審査がほぼ通りません。

方法2:金融機関から借り入れる

自己資金だけで不足する場合、金融機関からの借入れが有効な選択肢です。銀行や信用金庫などからの融資も検討しましょう。オススメは信用金庫です。個人事業主に寄り添う経営方針なので、銀行や振興組合などと比べて融資してくれやすい傾向にあります。

ただし、借り入れる際は返済計画をしっかりと立て、事業の収益性を見極めましょう。

方法3:助成金や補助金を活用する

助成金や補助金の活用も、資金調達の一つの方法です。国や地方自治体が提供する制度を利用しても、事業開始の負担を軽減できます。

例えば、新規事業を始める若手起業家向けの助成金プログラムなどです。こうした制度は、返済不要であることが多く、初期段階での資金調達に役立ちます。ただし、申請条件や手続きが複雑な場合があるため、事前の準備と情報収集が必要です。

助成金や補助金は大々的に発表されないため、自分から調べなければいけません。情報収集は個人事業主にとって必須の能力です。常に自分から情報を収集するよう意識しましょう。

個人事業主が押さえるべき5つの税務知識

個人事業主になるにあたって、最も頭を抱えるのが税務知識です。学生や会社員にとって、税金は自動的に処理されるものですが、個人事業主になるとそうはいきません。全て自分でやります。税金でミスがあると、税務署から指摘を受ける可能性があります。

税務署を敵に回すな」は個人事業主が共通して持っている認識です。

そのためにも、以下の5つの知識は覚えておきましょう。

  • 所得税の基礎
  • 消費税の取り扱い
  • インボイス制度
  • 確定申告の流れ
  • 節税を駆使する

所得税の基礎

個人事業主にとって、所得税への理解は必須です。所得税は、事業から得た収入に対して課される税金で、年間の収益から必要経費を差し引いた金額が課税対象となります。

例えば、フリーランスのライターが年間500万円を稼いだ場合、事務用品や交通費などの経費を差し引いた後の金額に対して税金が計算されます。こうした計算方法を理解し、適切に申告することが、税務上のトラブルを避けるポイントです。

近年はfreeeやマネーフォワードといった会計処理サービスがあるので、利用していれば基本的に問題ありません。

ただし、税務処理の知識は身につけておくと得なので、隙間時間を見つけて簿記の資格に挑戦することをオススメします。2級を取得すれば、事業に必要な知識を一通り身につけられます。まずは2級を目指しましょう。

消費税の取り扱い

消費税は、商品やサービスの販売に伴って発生する税金です。個人事業主が年間売上1,000万円を超える場合、消費税の納税義務が発生します。

普段私たちが支払っている消費税と違うように感じますが、同じです。納めた税金をまとめて支払っている形になります。

例えば、オンラインショップを運営している事業主は、売上がこの基準を超えた場合、消費税の申告と納税が必要になります。消費税を適切に管理していると、事業の信頼性を高められます。借入の際も審査が通りやすくなるでしょう。

個人事業主の場合、収入が年1,000万円を超えたあたりが法人化するかどうかの分水嶺です。納付税の計算式については、国税庁が「消費税の税額計算」でわかりやすく解説しています。

1度確認してみると良いでしょう。

インボイス制度

2023年10月から導入されたインボイス制度は、消費税の適正な取り扱いを目的としています。インボイス制度によって、課税事業者が発行する請求書に特定の情報を記載することが義務付けられました。

ですが、政府が想定した以上に問題が発生しています。2023年11月13日にPRTIMESに発表された「インボイス制度を考えるフリーランスの会のアンケート結果」によると、多くの個人事業主が廃業や不利益を被っています

こうした事態から適格請求書発狂事業者を検討している場合は、税務署に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出してください。

書き方についてはNTTコミュニケーションズが記入例と共に詳しく解説しています。

注意点として、適格請求書発行事業者になると、後でキャンセルはできません。インボイス制度が廃止されたとしても適格請求書発行事業者のままなので、様子見が無難です。

インボイス制度についての記事はこちら

https://envader.plus/article/169

確定申告の流れ

確定申告は、1年間の所得と税金を計算し、国に報告する手続きです。個人事業主は必ず申告しなければいけません

毎年2月16日から3月15日までの期間に行われ、この期間に前年の所得と経費を申告します。例えば、エンジニアとして独立した場合、機材購入費や通信費などの経費を申告し、所得を計算します。

確定申告には青色と白色の2種類がありますが、青色申告を選びましょう。最大で65万円もの控除を受けられるからです。白色申告は入力が簡単なだけで、控除がありません。

青色申告は届出と一緒に提出しないと対象にならないため、忘れずに申告してください。

入力面で難しいとされていますが、会計ソフトを使えば知識は不要です。負担なしで控除を受けられるので、青色申告で確定申告をしましょう。

より詳しい内容を知りたい方は、以下の記事がオススメです。

https://envader.plus/article/169

費用は定期的に入力すること

確定申告で注意したいのが、費用の入力です。まとめて一気にやりたくなってしまいますが、1年間の収入と支出は膨大な量があります。そのため、以下のスパンで定期的に入力しましょう。

  • 1ヶ月
  • 3ヶ月
  • 半年

オススメは3ヶ月です。溜め込みたくない方は、1ヶ月や都度入力でもOK。小まめに入力すると不要な支出を発見できるため、個人事業主を始めてすぐは短いスパンでの入力がオススメです。

節税を駆使する

節税は、合法的な方法で税金の負担を軽減することです。例えば、以下が該当します。

  • 自宅を事務所として、家賃の一部や光熱費を経費として計上する
  • 小規模企業共済を利用する
  • ふるさと納税を利用する

これらは個人事業主なら誰しも行っている節税対策です。スターバックスで優雅に仕事するのは、あまりオススメしません。経費ばかりがかさみ、節税にならないからです。

経費を抑え、節税を駆使して事業を継続しましょう。

個人事業主として成功するためのポイント

個人事業主は、誰しも成功するわけではありません。経済産業省が公表している「中小企業白書」によると、1年で37.7%、3年で62.4%が廃業しています。10年ともなると88.4%が廃業です。

個人事業主は非常に厳しい世界となっています。そんな中で成功するには、以下のポイントを意識しましょう。

  • 長期的な計画を立てる
  • 人脈を構成する宇
  • 継続的な学びと成長を意識する

長期的な計画を立てる

個人事業主として成功するためには、長期的なビジョンと計画が不可欠です。以下の計画を立てておきましょう。

  • 事業の目標
  • 市場分析
  • 財務計画

どれも事業運営で必要なものです。長期計画を立てることで、目標に向かって着実に進めます。不測の事態にも柔軟に対応できるでしょう。

計画は臨機応変に変更し、長期的なビジョンを見据えた事業運営を心がけてください。

人脈を構築する

成功する個人事業主は、強固な人脈を持っています。人脈は、新しいビジネスチャンスをもたらすだけでなく、困難な時にアドバイスやサポートまで提供してくれます。

個人事業主がセミナーやSNSを通じて交流するのは、そうした理由からです。兼業で始めようと考えている方は、会社にいる内に人脈を形成しておくと良いでしょう。

人脈は個人事業主にとって最も大切な財産です。人と接するのが苦手であっても、積極的な交流を心がけてください。

継続的な学びと成長を意識する

個人事業主としての成長は、継続的な学びと成長から生まれます。業界の動向や新しい技術、ビジネススキルの向上は、成功するために重要です。

例えば、ITエンジニアが最新の技術トレンドを学びサービスに取り入れれば、顧客からの信頼と評価を得られます。人脈構築にも繋がるでしょう。

継続的な学びは、個人事業主として成功するために必須です。常に勉強する姿勢を意識してください。

個人事業主を始めるのは簡単

個人事業主を始めるのは簡単です。税務署に開業届を提出すれば、誰でもできます。デメリットもほとんどないため、自分で事業を始めたいと考えている方は、挑戦してみることをオススメします。

ただし成功したい場合は、長期的な事業計画は必須です。仕事によっては資格や許可の有無が大きく影響するため、常に学ぶ姿勢を崩さないようにしましょう。

個人事業主は会社に縛られない自由な働き方です。しかし、自由には責任が伴います。始めたいと考えている方は、まず兼業としてスタートすることをオススメします。

エンベーダー編集部

エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。

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