新型コロナウイルスの流行により、世界中でリモートワークが急速に広がりました。日本も例外ではありません。
ですが、コロナ禍の収束にともなって、リモートワークがなくなりつつあります。リモートワークの方が働きやすいと感じていたプログラマーにとって、大きな転換期です。これからどうなっていくのか、気になっている人も多いでしょう。
そこで今回は、プログラマーが知っておきたい「リモートワークのこれから」について解説します。リモートワークの現状と課題、リモートワークを続ける方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
プログラマーが知っておきたいリモートワークのこれから
コロナ禍が落ち着いたことで、リモートワークを廃止している企業も出始めています。将来像はどうなるのか、以下の項目にわけて詳しく見ていきましょう。
- 完全になくなることはない
- ツール導入による仕組み変化の可能性
- 起業によっては実施しないところもある
- ハイブリッドワークへ移行していくと予想できる
- 国や自治体の動きによって大きく変わる可能性がある
完全になくなることはない
結論からいえば、リモートワークは今後も続いていくと予想できます。多くの企業が、リモートワークによって生産性の向上や従業員の満足度の増加を実感しているからです。
令和3年版の総務省「情報通信白書」では、大企業を中心に38.4%の企業が実施しています。中小企業も数はやや下がりますが、実施している状態です。
従業員からの要望も高いため、完全になくなることはないでしょう。
ツール導入による仕組み変化の可能性
リモートワークの普及は、新たなツールの導入により仕組みが大きく変わる可能性があります。特に近年はクラウド技術が進化しているため、場所を選ばず働けるようになっています。
コミュニケーションやプロジェクト管理ツールによって、リモートワークをよりしやすい環境にできるでしょう。新たなツールの導入は、働く仕組みが変わる大きなきっかけとして作用します。
企業によっては実施しないところもある
一方で、リモートワークを実施しない企業も存在します。医療や介護などリモートワークが難しい分野や、セキュリティ対策の問題が上げられます。メリットとデメリットを考えた結果、実施されていない形です。
リモートワークが自社にどのような影響を与えるのかまで把握している企業ほど、実施が慎重になる可能性があります。
ハイブリッドワークへ移行していくと予想できる
今後はリモートワークとオフィスワークの良いところを組み合わせた、ハイブリッドワークへの移行が予想されます。リモートワークによるメリットは広く浸透していますが、デメリットもありました。
出社とリモートワークを組み合わせたハイブリッドワークは、どちらのメリットも得られる働き方です。多様性が重視される世の中において、浸透していくと予想できます。
ハイブリッドワークについては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ確認してください。
https://envader.plus/article/148
国や自治体の動きによって大きく変わる可能性がある
リモートワークの今後は、国や自治体の政策によっても大きく左右されます。政府がリモートワークを支援する政策を打ち出せば、より多くの企業がリモートワークを導入する可能性があるためです。一方で、海外の動きによっては抑制するケースも考えられます。
最終的な判断は企業に委ねられますが、国や自治体の動きも大きく関係してくると認識しておきましょう。
プログラマーが知っておきたいリモートワークの現状
リモートワークのこれからを予想したところで、現状も把握しておきましょう。2024年2月現在、以下のポイントに注目する必要があります。
- 二極化が進んでいる
- 実施率は4割程度
- 業種ごとに実施率が違う
二極化が進んでいる
リモートワークの導入において、企業間で二極化が進んでいるのが現状です。一部の企業ではリモートワークを積極的に取り入れ、生産性の向上や従業員の満足度の増加を実現しています。一方で、セキュリティの懸念や組織文化の違いから、導入をためらう企業も少なくありません。
例えば、IT業界ではリモートワークが一般的ですが、製造業などでは現場作業が必要なため、導入が難しい場合があります。実際にやってみたものの、デメリットの方が大きくなり取りやめたケースも考えられます。コロナ禍当初よりも二極化が進んでいると認識しておきましょう。
実施率は4割程度
現在、リモートワークの実施率は、令和3年版の総務省「情報通信白書」によると、38.4%です。全体の約4割程度にとどまっています。
数値はリモートワークが一定の普及を見せていることを示していますが、まだまだ多くの企業が従来のオフィスワークを継続しているのです。
こうした中には、緊急事態宣言によって実施してみたものの、中小企業ではリモートワークで事業の継続が難しかったケースもあります。各事業ごとに、状況に合わせて実施しているのが現状です。
業種ごとに実施率が違う
リモートワークの実施率は業種によって大きく異なります。情報技術やコンサルティングなどのオフィスワークを中心とした業種ではリモートワークが広く導入されていますが、接客業や製造業など物理的な人手が必要な業種では、導入が難しい傾向にあります。
特に、対面で仕事をしなくてはいけない業種では、普及が難しいでしょう。業務内容と照らし合わせながら、少しずつ取り入れていくのが現実的な対応策です。
プログラマーが知っておきたいリモートワークの課題
リモートワークには課題も存在します。特に以下の5つの課題は重要なので、知っておきましょう。
- コミュニケーションが取りにくい
- セキュリティ対策が負担
- 業務効率が落ちる
- 労務管理がしにくい
- モチベーションを維持しにくい
コミュニケーションが取りにくい
リモートワークは、直接顔を合わせる機会が減ります。結果、コミュニケーションが取りにくいという事態が発生します。チャットツールやビデオ会議ツールを導入していても、コミュニケーション不足を完全には拭えません。実際にその場で話すのと比べると、情報量が限定されてしまうためです。
密な連携を取るためにも、コミュニケーションをしっかり取れる環境作りが求められます。
なお、コミュニケーションが苦手な人は、以下の記事で向上のポイントを解説しているので、ぜひ参考にしてください。
https://envader.plus/article/219
セキュリティ対策が負担
リモートワークを安全に行うためには、従業員の自宅や使用するデバイスへのセキュリティ対策も不可欠です。ですが、セキュリティ対策は、企業にとって大きな負担となります。万が一のリスクも覚悟しなければいけません。
そのため、VPNの設定や2段階認証の導入など、セキュリティレベルを維持するためのコストがかかります。リモートワークのための予算をどうしていくかは、実施する企業にとって1つの課題です。
業務効率が落ちる
リモートワークは、業務効率化が期待できる一方で、業務効率が落ちる可能性もあります。仕事の気晴らしや家庭の事情が、業務に影響を及ぼしてしまうのです。
例えば、自宅に集中できる作業環境がない場合、業務効率が大きく落ちます。仕事をしていたはずが、気が付いたらSNSやYouTubeを見ていたといったケースです。
いかに集中できる環境を作れるかどうかは、リモートワークの業務効率に大きく関係する課題となっています。
労務管理がしにくい
リモートワークでは、従業員の勤務状況を把握しにくいと感じる企業が多くあります。上司が部下の働きぶりを直接確認できないためです。評価制度にも影響します。
適切に管理するには、対面とは違った労務管理制度や評価体制が求められます。労働管理はリモートワークをする企業にとって、大きな課題の1つなのです。
モチベーションを維持しにくい
リモートワークでは、オフィスのような社会的な環境が欠けます。いつでもサボれるため、モチベーションの維持が非常に難しくなります。チームメンバーとの直接的なコミュニケーションが減り、企業への所属感や達成感が得にくいのも原因です。
リモートワークをする際は、モチベーションをどう維持していくのかが、プログラマーの課題といえるでしょう。
プログラマーがリモートワークを続ける方法
リモートワークには様々な課題がありますが、実際にやってみると快適だと感じる人が多いのも事実です。もし廃止されそうになった場合、以下の方法を取ってみましょう。
- リモートワークの希望を会社に伝える
- ハイブリッドワークが可能か会社に問い合わせる
- リモートワークをしている会社へ転職する
リモートワークの希望を会社に伝える
リモートワークを続けたい場合、まずはその希望を会社に伝えてください。リモートワークによる生産性の向上やワークライフバランスの改善など、具体的なメリットを示すと良いでしょう。数値に落とし込むと、より説得力を持たせられます。
まずは自分がどう働きたいのかという希望を、会社に伝えましょう。
ハイブリッドワークが可能か会社に問い合わせる
会社に伝えた結果、リモートワークが難しいとなった場合、ハイブリッドワークができるのかを会社に聞いてみる方法もオススメです。
ハイブリッドワークでは、オフィスと自宅での勤務を組み合わせて働きます。そのため、体調が悪い場合は自宅で働き、改善してからは出社するといった働き方も可能です。
企業にとっても、社員の自主性を育みながら生産性を向上できる働き方なので、メリットがあります。
新しい働き方として、直接質問してみましょう。
リモートワークをしている会社へ転職する
リモートワークの継続が難しい場合は、リモートワークを積極的に実施している会社への転職も選択肢の1つです。特にIT業界はリモートワークを実施している企業も多いため、自分のスキルやキャリアプランに合った企業を見つけやすいでしょう。
リモートワークの人気に合わせて、転職市場でも実施を明言している企業が増えています。出社が肌に合わない人は、転職も視野にいれて検討してみましょう。
リモートワークはこれからのビジネスに必要な働き方
リモートワークは、多様性のある働き方を目指す**「これからのビジネス」にとって必要な働き方**です。IT技術の進歩によって、プログラマーを含め、様々な職種で導入されていくでしょう。
一方で、リモートワークならではのデメリットもあります。近年はリモートワークと出社を組み合わせたハイブリッドワークも注目を集めています。どのような働き方をしたいのかをイメージしながら、選択していきましょう。
【番外編】USBも知らなかった私が独学でプログラミングを勉強してGAFAに入社するまでの話
プログラミング塾に半年通えば、一人前になれると思っているあなた。それ、勘違いですよ。「なぜ間違いなの?」「正しい勉強法とは何なの?」ITを学び始める全ての人に知って欲しい。そう思って書きました。是非読んでみてください。
「フリーランスエンジニア」
近年やっと世間に浸透した言葉だ。ひと昔まえ、終身雇用は当たり前で、大企業に就職することは一種のステータスだった。しかし、そんな時代も終わり「優秀な人材は転職する」ことが当たり前の時代となる。フリーランスエンジニアに高価値が付く現在、ネットを見ると「未経験でも年収400万以上」などと書いてある。これに釣られて、多くの人がフリーランスになろうとITの世界に入ってきている。私もその中の1人だ。数年前、USBも知らない状態からITの世界に没入し、そこから約2年間、毎日勉学を行なった。他人の何十倍も努力した。そして、企業研修やIT塾で数多くの受講生の指導経験も得た。そこで私は、伸びるエンジニアとそうでないエンジニアをたくさん見てきた。そして、稼げるエンジニア、稼げないエンジニアを見てきた。
「成功する人とそうでない人の違いは何か?」
私が出した答えは、「量産型エンジニアか否か」である。今のエンジニア市場には、量産型エンジニアが溢れている!!ここでの量産型エンジニアの定義は以下の通りである。
比較的簡単に学習可能なWebフレームワーク(WordPress, Rails)やPython等の知識はあるが、ITの基本概念を理解していないため、単調な作業しかこなすことができないエンジニアのこと。
多くの人がフリーランスエンジニアを目指す時代に中途半端な知識や技術力でこの世界に飛び込むと返って過酷な労働条件で働くことになる。そこで、エンジニアを目指すあなたがどう学習していくべきかを私の経験を交えて書こうと思った。続きはこちらから、、、、
エンベーダー編集部
エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。
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