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2024.09.30

エンジニア初心者から中級へ:中級エンジニアの定義と成長のロードマップ

はじめに

エンジニアを目指し、努力の末にその道を歩み始めたあなた。1年目は、プログラミングスキルや開発プロセスの基本を学び、様々な経験を積んできたことでしょう。しかし、エンジニアとしての本当のキャリアはここからがスタートです。次に何を学び、どう成長すれば、エンジニアとして「通用する」レベルになれるのでしょうか?

実は、エンジニアとして本格的に一人前と認められるためには、「ミドルエンジニア」のレベルに到達することが重要です。ミドルエンジニアは、単なる技術力の向上にとどまらず、システム全体を俯瞰できる視点や、独立して問題を解決する力が求められます。このレベルに達することで、初めてプロジェクトの中核として自らの価値を発揮できるようになるのです。

本記事では、エンジニアとしてスタートを切ったあなたが、次のステップとして「ミドルエンジニア」に進むために必要なスキルや知識、そしてキャリアを発展させるための具体的な道筋を解説していきます。

中級エンジニアの定義

中級エンジニアは、独立して問題を解決できる能力と、深い技術的な理解を持ち、チームやプロジェクトの中核を担う存在です。初級エンジニアが学んだ基礎スキルを超えて、システム全体を見渡し、設計やリーダーシップにも関わることで、より大きな価値を提供します。

独立してタスクを完遂できる能力

中級エンジニアは、詳細な指示がなくてもタスクやプロジェクトを独立して完遂できる能力を持っています。プロジェクトの要件を理解し、リサーチを行い問題を解決するスキルが求められます。

自ら解決策を導き出す力

例えば、新しい機能の実装を任された際、初級エンジニアは詳細な指示が必要ですが、中級エンジニアは自分で要件を確認し、実装方法をリサーチし、問題が発生しても独自に解決策を導き出す力が求められます。

深い技術スタックの理解

中級エンジニアは、担当する技術スタック(プログラミング言語やフレームワーク)について深い理解を持っています。内部構造や動作を理解し、トラブルシューティングやパフォーマンス最適化に役立てることが求められます。

技術の内部動作を理解する

例えば、JavaScriptを使用するプロジェクトであれば、非同期処理やイベントループの仕組みを理解し、効率的なコーディングを行います。また、エラーメッセージに頼らず、内部動作を基にして問題解決に取り組む能力が重要です。

設計力とアーキテクチャの理解

システム設計やアーキテクチャに関する深い知識を持ち、拡張性や再利用性の高い設計を行う能力が必要です。プロジェクト初期から設計に関わり、全体を見渡して最適なソリューションを導き出します。

未来を見据えた設計

新しい機能を追加する際、既存システムとの整合性や将来的な拡張性を考慮した設計が求められます。例えば、設計パターンを利用して再利用可能なモジュールを構築することで、後から変更があっても影響を最小限に抑える設計が必要です。

チーム内でのリーダーシップ

中級エンジニアは、チーム内でリーダーシップを発揮し、ジュニアエンジニアへのコードレビューや技術指導を行います。プロジェクト進行の管理やタスクの分担にも関与し、チーム全体のスキルアップを支援します。

コードレビューでのリーダーシップ

ジュニアエンジニアが書いたコードに対して、改善点を具体的に指摘し、どのように改善すればよいかを丁寧に説明することで、ジュニアエンジニアの成長を促します。これにより、チーム全体の生産性を向上させるリーダーシップが発揮されます。

問題解決力と自己解決能力

中級エンジニアは、トラブルが発生した際に原因を特定し、迅速に解決策を見つける能力を持っています。必要に応じてドキュメントを自ら参照し、新しい技術を学ぶ柔軟性も求められます。

自己解決のためのスキル

例えば、システムのパフォーマンスが低下した場合、ログを確認し、ボトルネックを特定します。必要に応じて新しい技術やデータベースのチューニング方法を学び、素早く対処する能力が中級エンジニアには必要です。

スキルアップのためのロードマップ

エンジニアとして中級レベルにステップアップするには、ただコードを書く力を磨くだけでなく、設計、テスト、自動化、インフラ、そしてソフトスキルといった多方面のスキルを深めていく必要があります。ここでは、具体的な技術やフレームワークを使って、スキルアップに必要な要素を説明します。

プログラミングスキルの深化

より深い言語理解と複雑なアルゴリズムへの対応

中級エンジニアは、Python、JavaScript、Javaなどのプログラミング言語について、基本的な構文や使い方だけでなく、言語の内部動作やパフォーマンス最適化の技術まで深く理解していることが求められます。また、コンピュータサイエンスの基礎知識(例えば、データ構造やアルゴリズム)に対する理解も重要です。


  • Pythonでは、リストの内包表記やジェネレータを使用して、メモリ効率を向上させる。JavaScriptでは、Promiseやasync/awaitを用いて、非同期処理を効率よく管理できるようになることが求められます。さらに、クイックソートやダイクストラ法などの複雑なアルゴリズムを適切に実装できることが、中級エンジニアの特徴です。

複数の言語・フレームワークの習得

1つの言語やフレームワークに特化するのではなく、複数の技術を柔軟に習得することが必要です。たとえば、フロントエンドではReactVue.jsなどのJavaScriptフレームワーク、バックエンドではNode.jsDjango(Python)、**Spring Boot(Java)**などを使用できるようになることが求められます。


  • フロントエンドのプロジェクトでは、Reactを使ってコンポーネントベースの開発を行い、状態管理にはReduxやReact Context APIを使用します。バックエンドでは、Node.jsやDjangoを用いてAPIを構築し、データベースとの連携も習得する必要があります。

設計力の向上

デザインパターンの理解と活用

シングルトンやファクトリーパターン、ストラテジーパターンなどのデザインパターンを理解し、システム設計に応用することで、保守性や拡張性を高めます。中級エンジニアは、コードを一度書くだけで終わらせるのではなく、将来的な変更や機能追加を考慮した設計が求められます。


  • 例えば、ユーザー認証の機能を設計する際に、ファクトリーパターンを利用して、認証方法(OAuth2.0、JWT、セッションベース認証など)を柔軟に切り替えられる構造にすることで、将来的に別の認証方式を導入する際もコードの変更を最小限に抑えることができます。

SOLID原則の実践

SOLID原則(単一責任原則、オープン/クローズド原則など)を意識して設計を行うことで、堅牢で保守しやすいコードベースを構築します。中級エンジニアは、これらの設計原則を日常的に取り入れて、拡張しやすいシステムを構築します。


  • Javaのクラス設計で単一責任原則を守ることで、変更が容易なコードを作成し、依存関係の複雑化を防ぎます。たとえば、ユーザー管理システムで「ユーザー情報の保存」「通知の送信」といった機能をそれぞれ独立したクラスに分けることで、機能の追加や変更が発生した場合でも特定のクラスに限定して影響を最小限に抑えることができます。

テストとCI/CDの実践

テスト自動化の実践

中級エンジニアは、ユニットテスト、統合テスト、エンドツーエンドテストなどを自動化し、テストの品質と効率を高めます。ツールとしては、Jest(JavaScript)PyTest(Python)、**JUnit(Java)**などが一般的に使用されます。また、CI/CDツール(GitHub ActionsJenkinsCircleCIなど)を用いて、自動化されたテストとデプロイのパイプラインを構築します。


  • Reactで構築されたフロントエンドアプリケーションでは、Jestを用いてコンポーネント単位でのユニットテストを自動化します。バックエンドのAPIでは、PyTestを使ってエンドポイントごとに統合テストを行い、正しく動作しているかを確認します。これらのテストはCI/CDパイプラインに組み込まれ、コードがプッシュされるたびに自動で実行されます。

クリーンコードとリファクタリング

コードの可読性や保守性を高めるために、クリーンコードの原則を実践します。コードが肥大化したり、複雑になりすぎたりしないように、リファクタリングも定期的に行います。


  • 例えば、関数が長くなりすぎて可読性が低下した場合、それを小さな機能ごとに分割し、責任を明確に分けることでコードが読みやすくなります。JavaScriptで100行を超える関数を、複数の短いヘルパー関数に分割し、各関数が特定の役割を果たすようにします。

インフラの理解と活用

クラウド技術の基礎

AWS、Azure、GCPなどのクラウド技術を理解し、インフラの構築や運用を行うスキルが求められます。特に、サーバーレスアーキテクチャ(AWS LambdaAzure Functions)やコンテナ技術(DockerKubernetes)に精通していると、スケーラブルで柔軟なシステムを構築できます。


  • バックエンドをAWS Lambdaを用いてサーバーレスで構築し、API Gatewayと連携させてAPIを提供します。また、マイクロサービスアーキテクチャをKubernetesで管理し、サービス間の通信やスケーリングを効率的に行うことができます。

データベースとNoSQLの知識

SQL(PostgreSQLMySQL)やNoSQL(MongoDBDynamoDB)を利用してデータベースの管理を行い、データ処理の最適化を行えるスキルが重要です。


  • 高負荷のWebアプリケーションでは、NoSQLデータベースであるMongoDBを使用して非構造化データを扱い、DynamoDBでスケーラブルなキー・バリュー型のデータストレージを提供します。さらに、PostgreSQLを用いて関係データベースの最適なクエリ設計を行い、パフォーマンスを向上させます。

ソフトスキルの向上

効果的なコミュニケーション

中級エンジニアは、他のエンジニアやプロジェクトマネージャーと協力し、プロジェクトを円滑に進めるためのコミュニケーションスキルが重要です。会議やコードレビューでの建設的な意見交換も求められます。

プロジェクト管理スキル

アジャイル開発手法やスクラムを利用してタスクの優先順位をつけ、プロジェクト全体を管理

以下は、具体的なプログラミング言語やフレームワークの例を用いて、さらにイメージしやすくボリュームアップした「スキルアップのためのロードマップ」です。

スキルアップのためのロードマップ

エンジニアが中級レベルにステップアップするためには、単にコードを書く力を深めるだけでなく、システム設計やテスト自動化、インフラ、そしてチーム内でのリーダーシップといった複数のスキルをバランスよく向上させる必要があります。以下に、具体的な技術を用いて、どのようにスキルアップを進めていくべきかを解説します。

プログラミングスキルの深化

より深い言語理解と複雑なアルゴリズムへの対応

中級エンジニアは、使用するプログラミング言語(PythonJavaScriptJavaなど)について、基礎的な構文や機能だけでなく、言語の内部動作を理解し、パフォーマンスの最適化を行うことが求められます。並行処理、メモリ管理などの高度な技術にも対応できることが必要です。

並行処理や非同期処理の理解

例えば、Pythonで並行処理を行う際、マルチスレッドやマルチプロセスの使い方を理解し、効率的にリソースを管理できることが重要です。JavaScriptであれば、Promiseasync/awaitを利用して非同期処理を効率化し、パフォーマンスを向上させます。

複数の言語・フレームワークの習得

1つの言語に特化するのではなく、フロントエンド(例:ReactVue.js)とバックエンド(例:Node.jsDjango(Python)Spring Boot(Java))の両方に対応できる技術を持つことで、プロジェクト全体を俯瞰し、シームレスに開発を進められるようになります。

フロントエンドとバックエンドの理解

例えば、Reactを使ってユーザーインターフェースを構築し、バックエンドではNode.jsやDjangoを用いてAPIを設計・構築するスキルを持つことで、より多様なプロジェクトに対応できるようになります。

設計力の向上

デザインパターンの理解と活用

中級エンジニアは、シングルトンファクトリーパターンストラテジーパターンといったデザインパターンを理解し、再利用性の高い設計を行います。これにより、保守性の高いコードを実現できます。

柔軟なアーキテクチャの設計

たとえば、認証システムを設計する場合、シングルトンパターンを用いてセッション管理を最適化したり、ファクトリーパターンを使って認証方式を柔軟に切り替えられる設計にします。

SOLID原則の実践

SOLID原則(単一責任原則オープン/クローズド原則など)を意識してシステムを設計することで、変更や追加が容易で、堅牢なシステムを作成できます。

SOLID原則を取り入れた設計

例えば、JavaやC#で、ユーザー管理クラスを分割して「保存」と「通知」の責任を別々のクラスに割り振ることで、変更が必要な場合にもコード全体を修正せずに済むように設計します。

テストとCI/CDの実践

テスト自動化の実践

中級エンジニアは、Jest(JavaScript)、PyTest(Python)、JUnit(Java)などのテストツールを使い、ユニットテスト、統合テスト、エンドツーエンドテストを自動化します。テストを自動化することで、バグの早期発見が可能になり、コードの品質向上を図ります。

CI/CDの自動化

GitHub ActionsJenkinsを使って、コードがプッシュされた際に自動でテストを実行し、デプロイまで行うパイプラインを構築するスキルも重要です。

インフラの理解と活用

クラウド技術の基礎

AWS、Azure、GCPといったクラウドプラットフォームに精通し、インフラの構築や運用を自動化するスキルを身につけます。特に、サーバーレスアーキテクチャ(例:AWS Lambda)やコンテナ技術DockerKubernetes)を使った柔軟なシステム設計が求められます。

クラウドでのサーバーレスアーキテクチャの導入

例えば、AWS Lambdaを用いてスケーラブルなバックエンドを構築し、API Gatewayと組み合わせることでコスト効率の良いアーキテクチャを実現します。また、Kubernetesを利用して、コンテナ化されたマイクロサービスをスケーラブルに管理します。

データベースとNoSQLの知識

SQL(例:PostgreSQLMySQL)やNoSQL(例:MongoDBDynamoDB)のデータベース操作に精通し、データ処理の最適化を行えるスキルが重要です。これにより、高パフォーマンスなアプリケーションの設計が可能になります。

ソフトスキルの向上

効果的なコミュニケーション

中級エンジニアは、他のエンジニアやプロジェクトマネージャーとスムーズに協力し、プロジェクトを円滑に進めるためのコミュニケーションスキルが求められます。特に、問題解決の際やチームメンバーとの協力が必要な場面では、適切な対話を通じて円滑に作業を進めます。

プロジェクト管理スキル

アジャイル開発手法スクラムを使って、タスクの優先順位を決定し、プロジェクトの進行を管理するスキルも必須です。

終わりに

中級エンジニアへのステップアップには、単なる技術力の向上だけでなく、システム設計、チームとの連携、さらにはソフトスキルの強化が求められます。エンジニアとして本格的に活躍するためには、これらのスキルをバランスよく成長させることが重要です。このロードマップを参考に、段階的にスキルを磨きながら、エンジニアとしての成長を加速させてください。

参考リンク

【番外編】USBも知らなかった私が独学でプログラミングを勉強してGAFAに入社するまでの話

IT未経験者必見 USBも知らなかった私が独学でプログラミングを勉強してGAFAに入社するまでの話

プログラミング塾に半年通えば、一人前になれると思っているあなた。それ、勘違いですよ。「なぜ間違いなの?」「正しい勉強法とは何なの?」ITを学び始める全ての人に知って欲しい。そう思って書きました。是非読んでみてください。

「フリーランスエンジニア」

近年やっと世間に浸透した言葉だ。ひと昔まえ、終身雇用は当たり前で、大企業に就職することは一種のステータスだった。しかし、そんな時代も終わり「優秀な人材は転職する」ことが当たり前の時代となる。フリーランスエンジニアに高価値が付く現在、ネットを見ると「未経験でも年収400万以上」などと書いてある。これに釣られて、多くの人がフリーランスになろうとITの世界に入ってきている。私もその中の1人だ。数年前、USBも知らない状態からITの世界に没入し、そこから約2年間、毎日勉学を行なった。他人の何十倍も努力した。そして、企業研修やIT塾で数多くの受講生の指導経験も得た。そこで私は、伸びるエンジニアとそうでないエンジニアをたくさん見てきた。そして、稼げるエンジニア、稼げないエンジニアを見てきた。

「成功する人とそうでない人の違いは何か?」

私が出した答えは、「量産型エンジニアか否か」である。今のエンジニア市場には、量産型エンジニアが溢れている!!ここでの量産型エンジニアの定義は以下の通りである。

比較的簡単に学習可能なWebフレームワーク(WordPress, Rails)やPython等の知識はあるが、ITの基本概念を理解していないため、単調な作業しかこなすことができないエンジニアのこと。

多くの人がフリーランスエンジニアを目指す時代に中途半端な知識や技術力でこの世界に飛び込むと返って過酷な労働条件で働くことになる。そこで、エンジニアを目指すあなたがどう学習していくべきかを私の経験を交えて書こうと思った。続きはこちらから、、、、

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エンベーダー編集部

エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。

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