エンジニアの必須スキルLinuxコマンド
システムエンジニアやネットワークエンジニアにとって、Linuxコマンドは単なるスキルではなく、日々の業務を効率化する必須ツールです。サーバーのセットアップからトラブルシューティング、定期的なメンテナンスまで、幅広い場面で活用できます。
こちらの記事では、初心者から中級レベルのエンジニア向けに、Linuxコマンドの基本と実用的な使い方を解説します。
主な内容
- コマンドラインインターフェイスの基礎
- ファイル操作、ディレクトリ操作、プロセス管理など、基本的なコマンド
- 実際の使用例とトラブルシューティング
- シェルスクリプトによる自動化
記事を通して、以下のスキルを習得できます。
- サーバーの管理
- トラブルシューティング
- 作業の自動化
この記事が、システムエンジニア・ネットワークエンジニアの皆様のスキルアップと業務効率化に役立てば幸いです。
サーバーの管理に役立つLinuxコマンド
ファイルやディレクトリの操作
-
ls
ls
ディレクトリ内のファイルやサブディレクトリを一覧表示します。オプションを追加することで隠しファイルの表示や詳細情報の表示が可能です。
-
cd
cd /path/to/directory
カレントディレクトリを変更します。特定のディレクトリへの移動やホームディレクトリへの移動に使用します。
-
mkdir
mkdir new_directory
新しいディレクトリを作成します。複数のディレクトリを一度に作成することも、親ディレクトリを含めたディレクトリの作成も可能です。
-
rm
rm filename
ファイルやディレクトリを削除します。ディレクトリを削除するには
-r
オプションを使用します。
プロセスの監視・管理
-
ps
ps aux
システム上で実行中のプロセスを表示します。ユーザー、CPU 使用率、メモリ使用量などの詳細も確認できます。
-
top
top
リアルタイムでシステム上のプロセス情報を更新表示します。CPUやメモリの使用状況を確認するのに便利です。
-
kill
kill PID
プロセスID(PID)を指定してプロセスを終了させます。特定のシグナルを送ることも可能です。
サービスの管理
-
systemctl
systemctl start service_name
システムサービスの起動、停止、再起動、状態確認などを行います。systemdを使用するシステムでのサービス管理に不可欠です。
ネットワーク設定
-
ifconfig
ifconfig
ネットワークインターフェースの設定を表示または変更します。IPアドレスの割り当てやネットワークインターフェースの有効化/無効化に使用します。
-
route
route
システムのルーティングテーブルを表示または変更します。特定のネットワークへのルートを追加する際に使用します。
これらのコマンドは、サーバーの日常的な管理において基本的かつ強力なツールを提供します。各コマンドの機能を理解し、適切に使用することで、システムの効率的な運用と維持が可能になります。さらに、これらのコマンドはトラブルシューティングやパフォーマンスモニタリングの際にも重要な役割を果たします。習得することで、システムエンジニアやネットワークエンジニアはより迅速かつ効果的に問題に対処し、システムの安定性とセキュリティを保つことができます。
実践的な使用例
実際の業務シナリオにおけるこれらのコマンドの使用例をいくつか紹介します。
-
ディレクトリ構造の整理
mkdir
コマンドでプロジェクトごとにディレクトリを作成し、cd
とls
コマンドを使ってファイルの配置と検索を行います。 -
システムパフォーマンスの監視
top
コマンドを使用して、リソース使用率が高いプロセスを特定し、必要に応じてkill
コマンドで不要なプロセスを終了させます。 -
サービスの状態管理
systemctl
を用いて、Webサーバーなどのシステムサービスの起動、停止、再起動を行い、サービスの状態を常に最適なものに保ちます。 -
ネットワーク設定の調整
ifconfig
でネットワークインターフェイスの設定を確認・変更し、route
コマンドで必要なネットワークルートを追加します。
まずは基本的コマンドの習得
Linuxコマンドは、サーバー管理の基本的なツールです。これらのコマンドを使いこなすことで、日々の管理作業が大幅に簡素化されます。
記事では基本的なコマンドと使用例を紹介しましたが、コマンドの詳細な解説や実践的なトラブルシューティング、自動化のためのシェルスクリプティングなども学ぶことで、より高度なサーバー管理が可能になります。サーバー管理スキルを向上させたい方は、コマンドの習得から始めましょう。
トラブルシューティングに役立つLinuxコマンド
システムエンジニアやネットワークエンジニアにとって、トラブルシューティングは日常業務の一部です。Linuxコマンドは、問題の迅速な特定と解決に役立つ強力なツールです。
ログの確認と解析
-
dmesg
dmesg
カーネルによって生成されたメッセージやシステムログを表示します。ハードウェアやドライバの問題を診断する際に役立ちます。
-
tail
tail -f /var/log/messages
システムの中心的なログファイルをリアルタイムで監視します。システムやアプリケーションに関する問題が発生した際の迅速な情報収集に役立ちます。
-
grep
grep 'pattern' /path/to/file
ファイル内のテキストをパターンやキーワードで検索します。ログファイルから特定のエラーメッセージを見つけ出すのに便利です。
-
sed
sed 's/pattern/replacement/' /path/to/file
ストリームエディタとして、テキストファイルを処理して変更します。ログファイルの特定の部分を抽出したり、編集する際に使用します。
ネットワーク診断
-
ping
ping hostname_or_ip
ネットワーク上のホストへの接続性をテストします。ネットワークが正常に動作しているか、特定のホストに到達できるかを確認するのに役立ちます。
-
traceroute
traceroute hostname_or_ip
パケットが目的のホストに到達するまでの経路を表示します。ルーティングの問題を診断する際に有用です。
実践的な使用例
-
ログファイルの監視とエラー検出
tail -f
とgrep
を組み合わせて、リアルタイムでログを監視し、特定のエラーメッセージが出力された際に迅速に対応します。 -
ネットワークの接続性チェック
ping
コマンドを使用して、社内のサーバーや外部のウェブサイトへの接続をテストし、ネットワークの問題を迅速に特定します。 -
パケットルートの追跡
ネットワークの遅延やパケットロスの問題を解析するために
traceroute
コマンドを利用し、データパケットの経路を詳細に追跡します。
Linuxコマンドを覚えればトラブルは怖くない
Linuxコマンドは、トラブルシューティングに不可欠なツールです。これらのコマンドを使いこなすことで、問題の迅速な特定と解決が可能になります。
記事では基本的なコマンドと使用例を紹介しましたが、コマンドの詳細な解説や実践的なトラブルシューティング**、自動化のためのシェルスクリプティングなども学ぶことで、より高度なトラブルシューティングが可能になります。トラブルシューティングスキルを向上させたい方は、コマンドの習得から始めましょう。
作業の自動化
サーバーの管理や設定作業における反復作業は、時間がかかり、ヒューマンエラーのリスクも伴います。シェルスクリプトを活用した自動化は、これらの作業を効率化し、エラーの可能性を大幅に減少させることができます。
シェルスクリプトとは
シェルスクリプトは、一連のコマンドをファイルに記述し、一度に実行できるようにするスクリプト言語です。Linuxのシェル(通常はbash)を使用して、これらのスクリプトを実行します。シェルスクリプトを使用することで、手動で行う複数のコマンドを自動化し、一つのスクリプトファイルで実行できます。
基本的なシェルスクリプトの作成
-
スクリプトファイルの作成
touch myscript.sh
このコマンドは、
myscript.sh
という名前の新しいシェルスクリプトファイルを作成します。 -
スクリプトに実行権限を付与
chmod +x myscript.sh
スクリプトファイルに実行権限を付与し、スクリプトを実行可能にします。
-
スクリプトの編集
スクリプトファイルをテキストエディタで開き、以下のように記述します。
#!/bin/bash echo "Hello, World!"
このスクリプトは、実行されると「Hello, World!」と表示します。
自動化スクリプトの例
-
サーバーのバックアップ
ファイルやデータベースのバックアップを定期的に実行するスクリプトを作成できます。
#!/bin/bash tar -czf /path/to/backup.tar.gz /path/to/data
このスクリプトは、指定されたデータのディレクトリを圧縮してバックアップファイルを作成します。
-
システムアップデートの自動化
システムのパッケージを自動的に更新するスクリプトを設定できます。
#!/bin/bash apt update && apt upgrade -y
このスクリプトは、Debian系のLinuxディストリビューションで使用されるパッケージマネージャーを使ってシステムを更新します。
自動化で楽をしよう
シェルスクリプトを用いた作業の自動化は、サーバー管理の効率を大幅に向上させます。定期的なバックアップ、システムの更新、ログファイルの監視など、多くの作業を自動化することで、手動での実行に比べて時間を節約し、エラーのリスクを減らすことが可能です。シェルスクリプトの基本から応用まで、さまざまなスクリプトを作成し、日々の業務を効率化することで、システム管理の質を高めることができます。
コマンドによる効率化と自動化で仕事とプライベートを両立
Linuxコマンドは、システムエンジニアやネットワークエンジニアにとって、日々の業務を効率化する必須ツールです。サーバー管理、トラブルシューティング、作業の自動化など、幅広い場面で活用できます。
この記事では、
- ファイルやディレクトリ操作
- プロセス管理
- サービス管理
- ネットワーク設定
- ログ解析
- 自動化スクリプト作成
など、Linuxコマンドの基本から応用までを幅広く紹介しました。
これらのコマンドを習得することで、作業効率が向上し、より迅速かつ正確に作業を進めることができます。さらに、より深い技術的理解と問題解決能力を身につけることも可能です。自動化は、今日の技術環境において不可欠な要素であり、シェルスクリプトを用いることで、反復的なタスクを自動化し、時間を節約することができます。
Linuxコマンドは、技術者のキャリアを通じて継続的に学習していくものです。この記事を参考に、コマンドを習得し、実践することで、システム管理とトラブルシューティングのスキルを向上させましょう。
【番外編】USBも知らなかった私が独学でプログラミングを勉強してGAFAに入社するまでの話
プログラミング塾に半年通えば、一人前になれると思っているあなた。それ、勘違いですよ。「なぜ間違いなの?」「正しい勉強法とは何なの?」ITを学び始める全ての人に知って欲しい。そう思って書きました。是非読んでみてください。
「フリーランスエンジニア」
近年やっと世間に浸透した言葉だ。ひと昔まえ、終身雇用は当たり前で、大企業に就職することは一種のステータスだった。しかし、そんな時代も終わり「優秀な人材は転職する」ことが当たり前の時代となる。フリーランスエンジニアに高価値が付く現在、ネットを見ると「未経験でも年収400万以上」などと書いてある。これに釣られて、多くの人がフリーランスになろうとITの世界に入ってきている。私もその中の1人だ。数年前、USBも知らない状態からITの世界に没入し、そこから約2年間、毎日勉学を行なった。他人の何十倍も努力した。そして、企業研修やIT塾で数多くの受講生の指導経験も得た。そこで私は、伸びるエンジニアとそうでないエンジニアをたくさん見てきた。そして、稼げるエンジニア、稼げないエンジニアを見てきた。
「成功する人とそうでない人の違いは何か?」
私が出した答えは、「量産型エンジニアか否か」である。今のエンジニア市場には、量産型エンジニアが溢れている!!ここでの量産型エンジニアの定義は以下の通りである。
比較的簡単に学習可能なWebフレームワーク(WordPress, Rails)やPython等の知識はあるが、ITの基本概念を理解していないため、単調な作業しかこなすことができないエンジニアのこと。
多くの人がフリーランスエンジニアを目指す時代に中途半端な知識や技術力でこの世界に飛び込むと返って過酷な労働条件で働くことになる。そこで、エンジニアを目指すあなたがどう学習していくべきかを私の経験を交えて書こうと思った。続きはこちらから、、、、
エンベーダー編集部
エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。
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