「ネットワークスペシャリスト試験って難しいの?」「ネットワークスペシャリスト試験の難易度を知りたい」
そのように考えているエンジニア初学者の方は多くいます。この記事では、ネットワークスペシャリスト試験について解説します。
ネットワークスペシャリスト試験は、IT系の国家資格でも最高難易度を誇る試験です。取得することで、ネットワーク分野でのスペシャリストだと証明できます。
ネットワークスペシャリスト試験を受けるにあたって知っておきたい試験の概要や合格率、対策・勉強方法を紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
ネットワークスペシャリスト試験の概要
ネットワークスペシャリスト試験は、IPAが主催するネットワークに関する知識・技術を証明する国家資格です。
取得することで、ネットワークに関する固有技術の専門家として、情報セキュリティを含む情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行える人材として評価されます。
試験は午前と午後の2部制であり、以下の形で実施されます。
時間帯 | 試験時間 | 出題形式 | 出題数と解答数 |
---|---|---|---|
午前Ⅰ | 9:30~10:20(50分) | 多肢選択式(四肢択一) | 出題数:30問 |
解答数:30問 | |||
午前Ⅱ | 10:50~11:30(40分) | 多肢選択式(四肢択一) | 出題数:25問 |
解答数:25問 | |||
午後Ⅰ | 12:30~14:00(90分) | 記述式 | 出題数:3問 |
解答数:2問 | |||
午後Ⅱ | 14:30~16:30(120分) | 記述式 | 出題数:2問 |
解答数:1問 |
IT系の国家資格で最高難易度
ネットワークスペシャリスト試験は、IPAが所管するIT系の国家資格の中でも、最高難易度を誇るレベル4です。情報技術系の資格においても、トップレベルの難易度となっています。
合格率も14%程度と非常に低く、狭き門と言える試験です。一方で、取得すれば高いスキルを持った人材として重宝されます。
IPAの統計資料から直近の合格率を調べると、以下の表のようになります。難易度の高さをうかがい知れるデータです。挑戦する際は、合格できると確信できるまで、みっちり勉強しましょう。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
平成30年度秋期 | 12,322人 | 1,893人 | 15.4% |
令和元年度秋期 | 11,882人 | 1,707人 | 14.4% |
令和3年度春期 | 8,240人 | 1,077人 | 12.8% |
令和4年度春期 | 9,495人 | 1,649人 | 17.4% |
令和5年度春期 | 10,395人 | 1,482人 | 14.3% |
年に1度しか開催されていない
ネットワークスペシャリスト試験は、年に1度、4月にしか開催されていません。難易度が非常に高く合格率も低いことから、入念に準備をして挑戦するようにしましょう。
意識したいのが、ネットワークの実務経験者たちが挑戦しているのにも関わらず、平均14%前後しか合格していない点です。
未経験者やエンジニア初学者が挑むには、非常に高いハードルとなっています。1年間全てを勉強に費やすくらいの覚悟は必要でしょう。
ネットワークスペシャリスト試験の合格要件
ネットワークスペシャリスト試験は、難易度が高いことに加え、試験範囲も広く設定されています。試験では以下の内容を問われるため、網羅的に勉強する必要があります。
- ネットワークシステムの企画・要件定義・設計・構築
- ネットワークシステムの運用・保守
- ネットワーク技術
- ネットワークサービスの活用
- ネットワークアプリケーション技術
- ネットワーク関連法規・標準
ネットワークに関する知識が全般的に必要です。詳しい内容はIPAの試験要項にまとめられているので、そちらをご覧ください。
また、午前Ⅰ・Ⅱ、午後Ⅰ・Ⅱの全ての試験で60点以上を取らなければいけない点も重要です。高度な知識が問われる試験を、1日ですべてこなさなければなりません。後半戦に突入すると、精神的にも体力的にも厳しくなるでしょう。
そのためにも、合格要件を満たせるだけの知識を身につけ、余裕を持って挑戦することが望まれます。
ネットワークスペシャリスト試験の対策・勉強方法
ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークに関する知識を全般的に問われる試験です。合格するためには、広く深く勉強しなければなりません。
特に気をつけたいのが、記述試験となる午後の部です。午前の部と比べて問題数が非常に少ないのですが、以下の能力を問われます。
- 短時間での長文読解能力
- 短い文字数で簡素に解答する能力
- 実務対応能力
午後の部は実務で扱う内容が中心となっているため、事象を理解し、どう対処するかを解答しなければいけません。問題によっては問題文が10ページになるものもあり、要点を把握して適格に理解する能力も問われます。
読解力が不安な方は、IPAが配布している過去問を何度も解いて、問題に慣れていきましょう。試験問題のパターンさえつかめれば、本番でも緊張せずに解答できます。
また、長い文章に慣れるために読書を習慣付ける方法もオススメです。
過去問は公式サイトにある
ネットワークスペシャリスト試験の過去問は、IPA公式サイトにあります。挑戦する際は、過去問を繰り返し解いていきましょう。
過去問と一緒に利用したいのが、参考書です。ネットワークスペシャリスト試験は挑戦する方が多いのもあって、参考書が多くの出版社から出版されています。
基礎的な部分から学びたい場合は、まず参考書を使って理解度を深め、その後に問題集や過去問でアウトプットする方法がオススメです。挑戦できると確信できたら、試験に申し込みましょう。
ネットワークスペシャリスト試験の価値は高い
ネットワークスペシャリスト試験は、合格すると自身の市場価値を高められます。IT系の国家資格であることに加え、非常に難易度が高いからです。
網羅的に勉強するため、以下の知識を身につけている点も大きいでしょう。
- ネットワークの要件定義
- ネットワーク設計
- ネットワーク構築
- ネットワーク保守
- ネットワークの監視・運用
これらの知識を活用して、ネットワークエンジニアはもちろん、ITプロジェクトリーダーやマネージャーとして活躍する方もいます。
資格による客観的な価値は、キャリアアップにおいて非常に大きいと言えます。
取得するメリット
ネットワークスペシャリスト試験を取得すると、どのようなメリットがあるのか気になる方もいるでしょう。取得すれば以下のメリットに期待できます。
- 年収アップの可能性がある
- 就職・転職で評価されやすい
- 責任感のあるポジションで活躍できる
- 国家資格の一部免除がある
企業によっては、ネットワークスペシャリスト試験に合格すると「手当」や「報奨金」がもらえる場合があります。自社が制度を設けているかは、挑戦前に調べておくと良いでしょう。
また、資格を持っているとネットワークに関する客観的な価値が担保されます。就職や転職はもちろん、フリーランスとして独立した際にも有効的に活用できます。
難易度に見合うメリットとも言えますね。
ネットワークスペシャリスト試験後のキャリア展望
ネットワークスペシャリスト試験を取得した後は、ネットワークエンジニアなどネットワークに関するキャリアを目指すと良いでしょう。せっかく身につけた知識なので、活用していくことをオススメします。
特にネットワーク関係の仕事は、以下の点で期待できます。
- 需要が高まっている
- 将来性は明るい
需要が高まっている
ITが当たり前となった現代において、基盤となるネットワークの存在は重要です。ITインフラに大きく関係しているネットワークエンジニアの存在は大きなものとなっています。
ネットワークスペシャリスト試験を取得することで、ネットワークを運用・保守したい企業はもちろん、新たに開発したいと考えている企業からも需要が見込めます。
IT業界は人材不足であるため、取得する意義は非常に大きいと言えるでしょう。
将来性は明るい
ネットワークスペシャリスト試験は、高度人材を証明する国家資格です。難易度が高いため、年収アップにも期待できます。
就職・転職に有利なのはもちろん、キャリアアップ・キャリアチェンジの際にも有利に働くでしょう。官公庁案件ともなると、ネットワークスペシャリストの資格を持っているかどうかを問われるほどです。
近年はネットワークの性質が徐々に変わりつつあります。ネットワークの専門家よりもゼネラリストがより求められます。ネットワークに関連する分野でも高い知識・スキルを発揮できるネットワークスペシャリストの将来は、明るいと言えるでしょう。
ネットワークスペシャリスト試験は取得メリットが大きい資格
ネットワークスペシャリスト試験は、IPAが主催・所管する国家資格です。レベル4の最高難易度を誇り、合格率が14%前後と非常に低い、狭き門となっています。取得できれば、ネットワーク分野に関係する知識を有していると客観的な証明が可能です。
ネットワークは現代において必須の技術となっています。ネットワークに精通しているネットワークスペシャリストは、どの企業も欲しい存在です。
ネットワーク分野のエンジニアを目指している初学者の方は、ぜひ1度挑戦してみてください。
【番外編】USBも知らなかった私が独学でプログラミングを勉強してGAFAに入社するまでの話
プログラミング塾に半年通えば、一人前になれると思っているあなた。それ、勘違いですよ。「なぜ間違いなの?」「正しい勉強法とは何なの?」ITを学び始める全ての人に知って欲しい。そう思って書きました。是非読んでみてください。
「フリーランスエンジニア」
近年やっと世間に浸透した言葉だ。ひと昔まえ、終身雇用は当たり前で、大企業に就職することは一種のステータスだった。しかし、そんな時代も終わり「優秀な人材は転職する」ことが当たり前の時代となる。フリーランスエンジニアに高価値が付く現在、ネットを見ると「未経験でも年収400万以上」などと書いてある。これに釣られて、多くの人がフリーランスになろうとITの世界に入ってきている。私もその中の1人だ。数年前、USBも知らない状態からITの世界に没入し、そこから約2年間、毎日勉学を行なった。他人の何十倍も努力した。そして、企業研修やIT塾で数多くの受講生の指導経験も得た。そこで私は、伸びるエンジニアとそうでないエンジニアをたくさん見てきた。そして、稼げるエンジニア、稼げないエンジニアを見てきた。
「成功する人とそうでない人の違いは何か?」
私が出した答えは、「量産型エンジニアか否か」である。今のエンジニア市場には、量産型エンジニアが溢れている!!ここでの量産型エンジニアの定義は以下の通りである。
比較的簡単に学習可能なWebフレームワーク(WordPress, Rails)やPython等の知識はあるが、ITの基本概念を理解していないため、単調な作業しかこなすことができないエンジニアのこと。
多くの人がフリーランスエンジニアを目指す時代に中途半端な知識や技術力でこの世界に飛び込むと返って過酷な労働条件で働くことになる。そこで、エンジニアを目指すあなたがどう学習していくべきかを私の経験を交えて書こうと思った。続きはこちらから、、、、
エンベーダー編集部
エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。
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