2023.01.25
人気WebサーバソフトApacheとは?
- WEB
ApacheとはApache HTTP Serverの略称で、世界的に人気の高いオープンソースのWebサーバ(HTTPサーバ)ソフトウェアの1つです。
1995年にリリースされて以来20年以上の歴史を持ち、一時期はシェア率トップを誇るWebサーバソフトウェアでした。長年の実績から信頼性の高いWebサーバソフトウェアとして日本でも人気があり、開発者向けの技術情報も豊富なため初心者でも迷わず使いやすいソフトウェアといえます。
今回は人気WebサーバーソフトウェアのApacheについて解説を行いつつ、実際のインストール方法について紹介します。
サーバソフトウェアとは
Webサーバと聞くと専門的な機械を想像しますが、実はWebサーバはただのコンピューターです。
Webサーバーについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
https://envader.plus/article/69
コンピューターにWebサーバソフトウェアをインストールする事でWebサーバとして使用することができます。そのためご自宅にお持ちのコンピューターなどもWebサーバとして使用をすることが出来ます。
このコンピューターをWebサーバへと変身させてくれるソフトウェアこそがApacheになります。
サーバソフトウェアの種類
サーバソフトウェアはWebサーバだけでなく、APサーバやDBサーバなど、コンピュータにインストールするサーバソフトウェアによって異なる用途のサーバを構築することができます。
以下が代表的なサーバです。
サーバの種類 | 説明 |
---|---|
Webサーバ | Webブラウザからのリクエストに応じて、文字や画像等のホームページのデータを送信するサーバ |
AP(Application)サーバ | WebブラウザとWebサーバとの接続管理、データベースへの接続機能の提供などを行うサーバ |
DB(Database)サーバ | APサーバからの要求に基づき、データの検索、登録、修正、削除などを実行するサーバ |
メールサーバ | メールの送信、受信の役割を持つサーバ |
DNSサーバ | ネットワーク上のドメイン名とIPアドレスを変換する仕組みを提供するサーバ |
プロキシサーバ | 安全確保のためにインターネットへの通信を代理で行うサーバ |
Apacheの特徴
ここからはApacheの特徴についてご紹介します。
1.無料で使える
ApacheはOSS(Open Source Software)なので誰でも無料で使用することができます。コンピューターさえ用意してしまえば、同じくOSSのLinuxと組み合わせて使用することで無料でWebサーバが構築できてしまいます。ただし、無料で使用できる代わりに保証やサポートなどは受けられず、問題が発生すれば全て自己責任で対応を行わないといけません。
2.環境に依存しない
アプリケーションやシステムによってはOSの種類によって動作に不具合が生じる可能性があります。しかし、Apacheは様々なOSに対応しているため幅広いユーザーに適しています。WindowsやMacOS、Linuxといった主要なOSで使用できるのは大きなメリットといえます。
3.動作が安定しており、処理速度が速い
Apachの魅力の1つでもあるのが安定性です。特に動的コンテンツを得意としており、処理速度が速く安定した動作を行えるため大規模なショッピングサイトから商用サイト、個人レベルのサーバーまで対応しています。また、アップデートの頻度も高く、セキュリティ性にも優れています。
4.拡張機能が豊富
Apacheには追加で機能を拡張できるモジュールが数多く用意されており、公式で公開されているものから個人ユーザーが独自に開発したモジュールまで幅広く公開されています。そのため必要な機能をお好みで組み合わせることで、自分の使い方に合ったWebサーバが構築できます。
実際にApacheをインストールする
今回は実際にCentOS7にApacheをインストールして、テストページを表示する所までをご紹介します。
1.ユーザーの切り替え
まずはsuコマンドを使ってスーパーユーザー(root権限)に切り替えます。
以下のコマンドを入力してください。
$ su
入力するとrootパスワードを聞かれるためパスワードを入力してください。
無事切り替えることができれば$マークが#マークに変わったのが確認できると思います。
2.yumの更新
下記コマンドを使用し、yumの更新を行います。
# yum update
更新中に何度か確認をとられるので「y」を入力し進んでください。
3.Apacheのインストール
下記コマンドを実行してhttpd(Apache)をインストールします。
# yum install httpd
Complete!と表示がされたらインストールは終了です。
4.Apacheの起動
インストールが終わったら次は起動を行なっていきます。
# service httpd start
これでApacheの起動が終わりました。
5.起動確認
実際にApacheが起動出来ているのか下記コマンドで確認をします。
# systemctl status httpd
上から4行目のActiveが緑色の文字でrunniingになっていれば起動成功です。
6.IPアドレスを調べる
以上でApacheの起動が確認出来たので次はテスト用サイトにアクセスをしていきます。テスト用サイトにアクセスするにはサーバマシンのIPアドレスが必要になるため以下のコマンドで調べましょう。
# ip addr show
表示された項目2のinetに表示されているIPアドレスがサーバマシンのIPアドレスなのでメモをしておきます。
7.ファイアウォール無効化
Apacheインストール後デフォルトでファイアウォールが有効となっています。この状態だとテスト用サイトに繋ぐことが出来ないため一時的に無効化します。確認が終わったら再度有効に戻すことを推奨いたします。
# systemctl stop firewall
ファイアウォールを有効に戻す場合はstopをstartに変更してください。
8.テスト用サイトにアクセス
それでは実際にテスト用のサイトにアクセスを行ってみましょう。
**http://**のあとに先ほど調べたサーバマシンのIPアドレスを入力するとテスト用のサイトにアクセスすることができます。
まとめ
ApacheとはApache HTTP Serverの略称で世界的に高いシェア率を誇るWebサーバソフトウェアです。
20年以上の歴史を持ち、その安定性や高速な処理性能、セキュリティ面の高さから日本でも数多くのユーザーが使用しています。そのためWebサーバを構築するための技術情報も豊富で初めてWebサーバを構築する際にもおすすめのWebサーバソフトウェアと言えます。特にApachは動的コンテンツなどの重い処理を得意としているため、動画配信サービスやオンラインショップなどに向いています。
また、Apacheはオープンソースソフトウェアなので無料で手軽にインストールすることができる点もメリットなので、気になった方は本記事の手順書を参考にインストールを行なってみましょう。
Nginxについてはこちらの記事で詳しく解説しています。Apacheとの使い分けについて学習しましょう。
エンベーダー編集部
エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。
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