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2024.04.01

15分で理解!エンジニア初心者向け Vue.js導入ガイド

Vue.jsとは?

Vue.jsは、Webアプリケーションのユーザーインターフェース(UI)を構築するためのプログレッシブJavaScriptフレームワークです。簡単に使い始められる一方で、複雑なアプリケーションにも柔軟に対応できるのが特徴です。

Vue.jsの特徴

その特徴は、データバインディングやコンポーネントシステムを通じた簡単なHTMLテンプレートの拡張にあります。この他、Vue.jsは以下の特徴を持ちます。

  • 学習しやすい

    Vue.jsはシンプルな構文と設計思想を採用しており、JavaScript初心者でも比較的簡単に習得できます。

  • 柔軟性

    小規模なプロジェクトから大規模なアプリケーションまで、幅広い開発ニーズに対応できます。

  • 高いパフォーマンス

    仮想DOMと呼ばれる技術を用いることで、効率的なUI更新を実現します。

Vue.jsのメリット

  • 開発効率の向上

    データバインディングやコンポーネントシステムなどの機能により、開発効率を大幅に向上させることができます。

  • コードの簡潔化

    HTMLテンプレートを拡張することで、コードを簡潔かつ分かりやすく記述できます。

  • パフォーマンスの向上

    仮想DOMによる効率的な更新処理により、アプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。

vue.jsのデメリット

  • コミュニティ規模

    ReactやAngularと比べると、コミュニティ規模が小さいため、情報量が比較的少ないという課題があります。

  • 企業での採用

    ReactやAngularと比べると、企業での採用事例が少なく、需要が比較的少ないという課題があります。

Reactとの比較

Vue.jsとReactは、共に人気のあるフロントエンドフレームワークです。それぞれの特徴は以下の通りです。

項目Vue.jsReact
学習曲線比較的緩やかやや急
コミュニティ規模中規模大規模
企業での採用少ない多い
パフォーマンス高速高速
機能豊富標準的

どちらを選ぶべきか?

どちらのフレームワークを選ぶべきかは、開発するアプリケーションの規模や複雑性、開発者の経験などによって異なります。

  • 学習しやすく、開発効率を重視したい場合はVue.jsがおすすめです。
  • 大規模なアプリケーション開発や、企業での採用実績を重視したい場合はReactがおすすめです。

Reactについてはこちらの記事をご参照ください。

https://envader.plus/article/341

用語解説

  • プログレッシブJavaScriptフレームワーク

    段階的に導入できるJavaScriptフレームワークのこと。

  • データバインディング

    HTMLテンプレートとJavaScriptコードを連携させる機能。

  • コンポーネントシステム

    UIを再利用可能な部品に分割して開発する機能。

  • 仮想DOM

    実際のDOMを抽象化したもので、UI更新処理の効率化に役立つ。

環境構築

Vue.jsの開発を始めるためには、まず基本的な環境構築が必要です。こちらでは、Node.jsのインストールからVue CLIを使ったVueプロジェクトの作成までのステップを詳しく解説します。

Node.jsのインストール

Vue.jsの開発環境を整えるためには、Node.jsが必要です。Node.jsは、サーバーサイドでJavaScriptを実行するためのプラットフォームですが、Vue.jsの開発では、主にパッケージ管理やビルドツールとして使用されます。

  1. Node.jsのダウンロード

    Node.jsの公式サイト(https://nodejs.org/)にアクセスし、お使いのオペレーティングシステムに合わせたインストーラーをダウンロードしてください。

  2. インストール

    ダウンロードしたインストーラーを実行し、指示に従ってNode.jsをインストールします。

  3. インストールの確認

    インストールが成功したかどうかを確認するために、コマンドラインまたはターミナルを開き、次のコマンドを実行します。

    node -v

    このコマンドは、インストールされたNode.jsのバージョンを表示します。バージョン番号が表示されれば、インストール成功です。

Vue CLIのインストール

Vue CLIは、Vue.jsプロジェクトの構築と管理を簡単にするコマンドラインツールです。プロジェクトの雛形を生成したり、開発サーバーを立ち上げたりする際に便利です。

  1. Vue CLIのインストール

    Node.jsがインストールされたら、次にVue CLIをインストールします。以下のコマンドを実行してください。

    npm install -g @vue/cli
    # macやLinuxなどsudoが必要な場合
    sudo npm install -g @vue/cli

    -gオプションは、Vue CLIをグローバルにインストールすることを意味します。これにより、どのディレクトリからでもVue CLIのコマンドを実行できるようになります。

  2. インストールの確認

    Vue CLIが正しくインストールされたか確認するために、次のコマンドを実行します。

    vue --version

    このコマンドは、インストールされたVue CLIのバージョンを表示します。バージョン番号が表示されれば、インストール成功です。

Vueプロジェクトの作成

Vue CLIの準備ができたら、Vueプロジェクトを作成する準備が整いました。

  1. プロジェクトの作成

    新しいプロジェクトを作成するには、コマンドラインまたはターミナルでプロジェクトを作成したいディレクトリに移動し、以下のコマンドを実行します。

    vue create my-vue-project
    # macやLinuxなどsudoが必要な場合
    sudo vue create my-vue-project

    my-vue-projectはプロジェクト名であり、任意の名前に置き換えてください。コマンドを実行すると、プロジェクトの設定に関するいくつかの質問が表示されます。初心者の方は、デフォルトの設定で十分です。

  2. プロジェクトディレクトリへの移動

    プロジェクトが作成されたら、そのディレクトリに移動します。

    cd my-vue-project
  3. 開発サーバーの起動

    プロジェクトディレクトリ内で、開発サーバーを起動するには、以下のコマンドを実行します。

    npm run serve
    # macやLinuxなどsudoが必要な場合
    sudo npm run serve

    このコマンドを実行すると、Vue CLIは開発用のサーバーを立ち上げ、アプリケーションをビルドします。プロセスが完了すると、ブラウザでアプリケーションを表示するためのURLが表示されます(通常は http://localhost:8080)。このURLにアクセスすると、作成したVueプロジェクトの初期画面が表示されます。

以上で、Vue.jsの開発環境の構築は完了です。このプロセスにより、Node.jsのインストール、Vue CLIを使ったプロジェクトのセットアップが行われ、Vueプロジェクトの開発が始められます。Vue CLIの提供する豊富な機能と設定オプションを活用することで、効率的に開発を進めることが可能です。また、Vue CLIはプロジェクトの初期設定だけでなく、後の開発プロセスにおいても、ホットリロード、ビルド最適化、テストツールの統合など、多くの便利な機能を提供します。

インスタンスとは

Vue.jsにおける「インスタンス」とは、Vueアプリケーションの基本的な単位です。具体的には、new Vue()を使って作成されるVueのオブジェクトのことを指します。このインスタンスを通じて、データの管理やテンプレートへのバインディング、リアクティブな更新など、Vueの多くの機能が提供されます。

エントリポイント

Vue CLIプロジェクトのエントリポイント(プログラムの実行開始点)はsrc/main.jsです。ここでVueインスタンスが作成され、アプリケーションのルートコンポーネントがマウントされます。

import Vue from 'vue'
import App from './App.vue'

Vue.config.productionTip = false

new Vue({
  render: h => h(App),
}).$mount('#app')

コンポーネントの使用

Vue.jsでは、UIを再利用可能なコンポーネントに分割して構築します。src/componentsディレクトリにコンポーネントを作成し、src/App.vueなどの他のコンポーネントから利用できます。

コンポーネントを定義するには、Vue.componentメソッドを使用します。以下は、ボタンのクリック回数を数える簡単なカウンターコンポーネントの例です。

Vue.component('button-counter', {
    data: function() {
        return {
            count: 0
        }
    },
    template: '<button v-on:click="count++">You clicked me {{ count }} times.</button>'
});

これで、<button-counter></button-counter>タグをHTMLに追加することで、このコンポーネントをどこでも使うことができます。

ライフサイクルフック

VueインスタンスやVueコンポーネントには、作成から破壊までのライフサイクルがあり、その過程で様々なライフサイクルフックが提供されています。これらのフックを使用することで、特定のタイミングでカスタムロジックを実行できます。

主なライフサイクルフックには以下があります。

ライフサイクルフック説明
createdインスタンスが作成され、データがリアクティブになった後に実行されますが、まだDOMにマウントされていません。
mountedインスタンスがDOMにマウントされた後に実行されます。
updatedデータが変更され、DOMが再レンダリングされた後に実行されます。
destroyedインスタンスが破壊される直前に実行されます。

Vueのアプリケーションは、特定の順序でさまざまな段階を経て動作します。これを「ライフサイクル」と呼びます。例えば、ウェブページにアクセスしたとき、Vueアプリケーションが開始され、画面に表示されるまでの間に、いくつかのステップが内部的に行われます。

「ライフサイクルフック」とは、このライフサイクルの特定の時点で、自分のカスタムコード(特定の処理や命令)を実行するための「フック(引っかかり)」です。これにより、アプリケーションが特定の状態になったときに、何か特定の動作をさせることができます。

コンポーネント内でのライフサイクルフックの使用例

src/components/MyComponent.vueなどのコンポーネントファイル内で、以下のようにライフサイクルフックを利用できます。

<template>
  <div>{{ message }}</div>
</template>

<script>
export default {
  data() {
    return {
      message: 'Hello Vue!'
    }
  },
  created() {
    // コンポーネントが作成されたときに実行されるロジック
    console.log('コンポーネントが作成されました');
  },
  mounted() {
    // コンポーネントがDOMにマウントされた後に実行されるロジック
    console.log('コンポーネントがマウントされました');
  },
  updated() {
    // コンポーネントのデータが変更されて、DOMが更新された後に実行されるロジック
    console.log('コンポーネントが更新されました');
  },
  destroyed() {
    // コンポーネントが破棄される直前に実行されるロジック
    console.log('コンポーネントが破棄されました');
  }
}
</script>

この例では、data関数でコンポーネントのローカルステートを定義し、created、mounted、updated、destroyedといったライフサイクルフックを使用して、それぞれのライフサイクルイベントに対応するカスタムロジックを定義しています。

なぜこれが便利なのか

アプリケーションのライフサイクルの特定の時点で、自分のコードを実行できるということは、アプリケーションの挙動を細かく制御できるということです。これにより、アプリケーションのパフォーマンスを向上させたり、ユーザー体験を改善したりすることが可能になります。

Vueのライフサイクルフックを使うことで、あなたのアプリケーションが「どのように」、「いつ」特定の動作をするかを細かく設定できるようになるわけです。

これらの基本概念を理解することで、Vue.jsの強力な機能を活用して、効率的かつ効果的にWebアプリケーションを開発することができます。

まとめ

Vue.jsは、初心者にも扱いやすいフレームワークでありながら、高度なアプリケーション開発にも対応する柔軟性とパフォーマンスを持っています。学習曲線が比較的緩やかであるため、JavaScriptに少し慣れている人であれば、すぐにVue.jsの開発を始めることができるでしょう。

エンベーダー編集部

エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。

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