昨今、様々な分野で活用され、話題となっている技術に人工知能(AI)があります。その中でも特に対話型AIの技術は大きな注目を集めており、各社で研究・開発が行われています。ニュースなどでも耳にすることの多いOpenAIが開発を行った人工知能チャットボットであるChatGPTや、Microsoftが開発を行った検索エンジン型のAIであるBing AI Chatなどがあります。
今回はその中でもGoogleが開発を行っている対話型AIサービスGoogle Bardの登録方法や機能について解説を行います。
Google Bardとは?
Google Bardは、自然言語処理技術を用いた対話型AIです。
その名前の由来は、英語で「詩人」を意味する「bard」からきており、その名の通り文学的な表現や詩を創り出すことを得意としています。Google Bardは大量のテキストデータを学習し、その知識をもとに自然な対話を展開することが可能です。2023年3月21日より米英2ヶ国で試験版のリリースが行われており、エンジンにはGoogle社が開発を行ったLaMDAが使用されていました。
その後、同年4月に計算能力の強化やChatGPTへの対抗を目的としてより性能の高いPaLMへと変更が行われ、同年5月にはさらにアップデートを行ったPaLM2へと変更されています。このアップデートにより対応言語に日本語と韓国語が追加され、全世界で使用が可能になりました。
利用料金
現在Google Bardは完全無料で利用することができます。
しかし、現在のGoogle Bardは試験運用中という位置付けがされており、今後のアップデート次第では有料プランの設定や無料版の機能制限が行われる可能性があるため注意が必要です。
登録方法
Google Bardを使うためには「個人用Googleアカウント」もしくは、Bardへのアクセスが許可された「Google Workspaceアカウント」が必要となります。
また、Google Bardは試験運用中であり、回答に潜む潜在的なリスクを判断する必要があるため年齢制限が設けられています。これにより18歳未満のユーザーは利用することが出来ないためご注意ください。まずは個人用Googleアカウントの作成方法からご説明致します。
1. Googleへアクセス
アカウント作成ページへアクセスを行い、アカウントの種類を選択します。
2. 基本情報入力
アカウント作成を行う方の「名前」と使用したい「ユーザー名」、「パスワード」の入力を行います。ここで使用する「ユーザー名」はGmailのメールアドレスに設定されるため注意して入力を行ってください。
3. 確認コード入力
次にセキュリティ保護のために確認コード受け取り用の「電話番号」の入力を行います。
入力が完了するとGoogleより確認コードが届くため、入力します。
4. 個人情報入力
ご登録者の「生年月日」と「性別」を入力します。アカウント再設定用のメールアドレスは任意での設定となりますが、登録することをおすすめ致します。
5. 電話番号の活用
アカウントに電話番号の追加を行うことでGoogleが提供を行う「ビデオ通話」「メッセージアプリ」「コンテンツ共有」などのサービスが利用できます。こちらの設定はご自由に選択をしてください。
6. プライバシーポリシーと利用規約
アカウントを作成するために利用規約への同意が必要です。
内容を確認し、「同意」を選択します。
7. 作成完了
以上でGoogleのアカウント作成が完了です。
Google Bard利用登録
Googleのアカウント作成が完了したため、Google Bardの利用登録を行います。
Google Bardの利用登録自体は利用規約に同意するだけなので1分前後で行うことが可能です。
1. 公式サイトへアクセス
公式サイトへアクセスを行い、「Bardを試す」を選択します。
2. 利用規約とプライバシー
利用規約が表示されるため、最後まで確認を行い「同意する」を選択します。
3. 注意表示
Google Bardを使用する上での注意点について表示されるため、確認を行います。
4. 利用開始
以上でBardの利用登録が完了致します。
基本機能
ここからはGoogle Bardを使って行える機能についてご説明致します。
質問への回答
Google Bardの基本機能の1つが質問への回答です。
使用方法は簡単で、チャット欄への入力を行うか、マイクを使用しての音声入力で行うことができます。解答案は3つ用意されており、「他の解答案を表示」を選択することで複数の解答を得る事ができます。精度向上のためにも、質問を行う度に左下にある「良い回答ボタン」と「悪い回答ボタン」を選択してフィードバックを送信しましょう。
翻訳機能
翻訳を行いたい文章をGoogle Bardに送ることで翻訳を行ってくれます。
以下の画像はGoogle Bardへ「Google Bardではどんなことができますか?」と質問を行い、返ってきた内容をChatGPTで英文へ翻訳をし、更にその英文をGoogle Bardで日本語に翻訳を行いました。
翻訳前の原文は以下になります。
「私は Google AI の大規模言語モデルであり、大量のテキストとコードのデータセットでトレーニングされています。テキストの生成、言語の翻訳、さまざまな種類のクリエイティブコンテンツの作成、質問への回答を行うことができます。私はまだ開発中ですが、次のような多くの種類のタスクを実行することを学びました。
私はあなたの指示に従い、あなたの要求を慎重に完了するために最善を尽くします。 オープンエンド、やりがいのある、または奇妙な質問であっても、私の知識を使用して、包括的かつ有益な方法で質問に答えます。 詩、コード、スクリプト、楽曲、メール、手紙など、さまざまなクリエイティブなテキスト形式のテキストコンテンツを生成します。私はあなたのすべての要件を満たすために最善を尽くします。 今日何をしたいですか?」
文章作成
Google Bardは様々な文章作成が行えます
例えば、ブログ記事の作成や小説の執筆で行き詰まったときも、Google Bardへお願いすることで文章作成が行えます。今回は「IT業界未経験の平凡なサラリーマンが異業種から転職し、システムエンジニアとして活躍する」物語の作成をお願いしています。執筆に必要な情報が少ないことや、短編で作成している事もあり内容は薄くなっていますが、大まかな流れの作成が行えました。
メール作成
文章作成機能の応用として、ビジネスシーンなどでのメール文の作成が行えます。
今回は「株式会社Envaderの田中太朗様宛に新レンタルサービスを紹介するためのアポ取り」でメールの作成をお願いしています。作成をしたメール文は「回答をエクスポート」から、そのままGmailで送信することも可能です。
※登場する企業名、人物名はフィクションです。
活用方法
Google Bardを用いることで様々なサポートを受けることができますが、その中にソースコードの生成があります。
他AIサービス登場時にも話題となったソースコードの生成ですが、Google Bardでは「C++」「Ruby」「Python」など20以上のプログラミング言語に対応しています。更にPythonに関しては生成したコードをそのままGoogle Colaboratoryで実行することも可能です。Google Bardで生成したコードが正しく動作をするのか実際に行ってみます。
1. コード生成
まずは使用したい言語と作りたいプログラムを伝えてコードの生成をお願いします。
2. Colab にエクスポート
コードの生成が終わったら「回答をエクスポート」より「Colab にエクスポートする」を選択します。
3. プログラムの実行
Google Colaboratoryが開かれるため、実行ボタンを選択し、プログラムを実行します。
4. 正常動作
実行したプログラムが正常動作をしているかを確認します。
今回は無事にサイコロを振ることができました。
まとめ
Google Bardは同社が開発を行った大規模言語モデル「PaLM2」を搭載した対話型AIです。
リリース当時は米英の2ヶ国のみで試験運用が行われましたが、2023年5月11日より全世界で利用できるようになり、新たに日本語と韓国語に対応しました。基本機能として「翻訳」「文章作成」「メール作成」などが行え、特にPythonのソースコード生成に関してはGoogle Colaboratoryにエクスポートすることでそのままプログラムの実行まで行えます。
Google Bardを使用するにはGoogleの個人アカウントかGoogle Workspaceアカウントが必要となるほか、18歳未満のユーザーは使えないため注意が必要です。現在は完全無料で使用することができますが、試験運用という扱いのため、今後有料化される可能性は十分あります。まだまだ開発途中のため返答される内容の精査は必要となりますが、関連トピックから返答に使用したソースへアクセスすることもできるため、比較的情報の精査は行いやすいと思います。
短期間で急激な成長を遂げている人工知能(AI)技術ですが、正直たくさんの種類があり何を使ったらいいのか悩む方も多いと思います。GooGle BardはGoogleアカウントをお持ちの方であれば1分程度で利用を開始することが出来るため、まずは当記事を参考にGoogle Bardから使用してみましょう。
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多くの人がフリーランスエンジニアを目指す時代に中途半端な知識や技術力でこの世界に飛び込むと返って過酷な労働条件で働くことになる。そこで、エンジニアを目指すあなたがどう学習していくべきかを私の経験を交えて書こうと思った。続きはこちらから、、、、
エンベーダー編集部
エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。
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