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2024.03.25

API開発ツール「Postman」とは? 導入手順や利用料金について解説

Postmanを用いることでAPIを開発する作業の簡略化を行うことができ、開発スピードの向上や作業効率を高めることができます。主な機能としてAPIのモニタリングから開発中のテスト、チームでの共同開発機能などが備わっています。今回はAPIプラットフォームであるPostmanの利用料金や導入手順について解説を行います。

Postmanとは?

PostmanはPostman社が提供を行うAPIプラットフォームです。

実装されているAPIテスト機能を用いてリクエストの内容やトークンを設定し、APIに送信することでレスポンスの確認などを行えます。コマンドラインからのコードによる操作とは違い、フォーム上でパラメータを指定し簡単にテストを行うことができるなど、初心者でも扱いやすく設計されています。また、PostmanはG2により2022年に発表された「ベストAPI管理ツール」と「ベストAPI設計ツール」で第一位を獲得しており、Webアプリケーションの制作に携わるユーザーから高い人気を誇るAPIプラットフォームといえます。

現在Postmanに実装されている機能は以下の6つです。

  1. Workspaces
  2. Private API Network
  3. API Governance
  4. API Security
  5. Integrations
  6. Reports

利用料金

Postmanには4つの料金プランが用意されており、選択するプランにより一部機能の利用数に制限などが設けられます。ただし、本格的に業務で使用する場合を除いて十分無料プランで利用を行えるため、まずは無料プランから使用することをおすすめ致します。

主な機能面の違いは以下です。※詳細な機能の違いは公式サイトで確認をしてください。

項目FreeBasicProfessionalEnterprise
料金(年払い時の月あたり)$0$12$29$99
APIの呼び出し月/1,000月/10,000月/100,000月/1,000,000
ネイティブGitサポート××⚪︎⚪︎
APIモニタリング用の静的IPアドレス××⚪︎⚪︎
カスタムドメイン×1525
プライベートワークスペース××⚪︎⚪︎
SSO××⚪︎⚪︎
削除したコレクションの復元1日30日90日90日

APIとは?

そもそもAPIとはどのようなものか?について解説を行います。

APIとはApplication Programming Interfaceの略称で、端的にいうとアプリケーションやソフトウェアをつなぐためのインターフェースです。イメージとしては異なるアプリやソフトウェア同士を繋げる仲介役なイメージとなります。具体的な例を挙げるとオンラインショッピングサイトでの決済などが挙げられます。

お客様が商品を購入する際にカード番号などを入力しますが、この時にショッピングサイトがカード会社が提供を行うAPIを用いることでお客様情報を直接カード会社へ問い合わることができます。その後問題がなければカード会社で決済手続きが行われ、ショッピグサイトへは決済が行われた旨だけが伝えられ、商品の発送準備が行われます。このAPIを用いることでサイト運営者はお客様の重要なカード情報を管理する必要がなくなり、気軽に商品の販売ができます。お客様も情報の取り扱いがサイト側ではなく、カード会社が行っていることによる安心感を得ることができ、カード会社では自社の製品やサービスを使用してもらえるメリットがあるためAPIの提供をします。

APIについては「REST APIとは?特徴やメリットをわかりやすく解説」で解説を行っているため、更に詳しく知りたい方はご一読ください。

導入手順(会員登録)

Postmanはブラウザ上でも利用することができますが、今回はアプリケーションのインストールを行います。また、アプリ版では会員登録なしで一部機能を利用することができますが、今回は会員登録も行っていきます。

まずは会員登録から解説を行います。

1. 公式サイトへアクセス

公式サイトへアクセスを行い、右上にある「Sign Up for Free」を選択します。

2. アカウント作成

Googleアカウントを使うこともできますが、今回はメールアドレスを用いて作成を行います。

「Email」「User name」「Password」を入力し、「Create free account」を選択します。

3. 情報登録

名前と職種の登録を行います。

4. 招待

共同作業を行う場合はここで招待を行います。

5. 完了

以上でアカウントの作成は完了です。

インストール手順(Mac)

アカウントの作成が完了したので、次はアプリケーションのインストールを行います。

最初にMac版のインストールを行い、その後Windows版のインストールを解説するため、Windowsをお使いの方は次の章までお進みください。

1. 公式サイトへアクセス

公式サイトへアクセスを行い、ご使用になられているMacに対応したCPUを選択します。

今回使用しているPCはM1Macなため、「Mac Apple Chip」を選択します。

※CPUの確認方法

使用しているMacに使われているCPUがIntel製かApple製か分からない場合は以下の方法で確認を行います。

  1. メニューバーにあるアップルメニュー(りんごマーク)を選択
  2. このMacについてを選択
  3. 「チップ」の欄を確認する

2. ダウンロード

ダウンロードされるZiPファイルを展開します。

3. 起動

展開されたアプリケーションを選択し、起動します。初回起動時にはアプリケーションフォルダに移動するかを聞かれるため、お好みで選択します。

4. ログイン

アプリが起動されたら先ほど作成を行ったアカウントでログインを行います。

5. ホーム

ログインを行うとホーム画面が表示され、使用することができます。

インストール手順(Windows)

続いてはWindowsでのインストール手順について解説を行っていきます。

1. 公式サイトにアクセス

公式サイトへアクセスを行い、「Windows 64-bit」を選択します。

2. インストーラーの起動

ダウンロードされたインストーラーを起動すると自動でインストールが開始されます。

3. ログイン

インストールが完了するとPostmanが起動されるため、先ほど作成を行ったアカウントでログインします、

4. ホーム

ログインを行うとホーム画面が表示され、使用することができます。

基本的な使い方

Postmanの基本的な使い方として、まずは「ワークスペース」の作成を行い、その中に「コレクション」を作成します。このコレクション内で各リクエストを管理します。イメージとしてワークスペースは他の開発者も追加することのできる作業場で、コレクションはリクエストをまとめるフォルダになります。今回はPostmanの公式ドキュメントに用意されている、テスト用のAPIを利用してリクエストを送ります。

ワークスペースの作成

まずはワークスペースの作成方法について解説を行います。

1. menu

まずはホームメニューから「Workspaces」を選択します。

2. Workspaces

デフォルトで「My Workspace」が作成されていますが、今回は新規で作成を行います。

右上にある「Create Workspace」を選択します。

3. Create Workspace

ワークスペース名の入力とアクセス権限を選択します。

※使用しているプランが無料プランの場合は「Personal(自分のみ)」「Team(共同制作者のみ)」「Public(公開)」の3つしか選べないため注意が必要です。

4. 作成完了

以上でワークスペースの作成は完了です。

コレクションの作成

ワークスペースの作成が完了したため、次はリクエストを管理するためのコレクションの作成を行っていきます。

1. Create Collections

左のメニューバーでCollectionsが選択されている事を確認後、+マークをクリックします。

2. Collections Name

右側のエリアに作成するコレクションの概要が表示されるのでコレクション名を入力します。

3. 作成完了

以上でコレクションの作成が完了致しました。

リクエスト作成

最後にAPIテストを行うためのリクエストを作成していきます。

前述したように、今回はPostmanの公式ドキュメントに用意されている、テスト用のAPIを利用して応答ステータスコードとして200が返ってくるのかを検証します。

1. Add request

先ほど作成を行ったコレクションの右側にある3点を選択してアクションメニューを表示し、「Add request」を選択します。

2. Request Name

作成するリクエスト名を入力し、「Tests」を選択します。

3. Status code is 200

Postmanでは予めいくつかのテストコードが用意されており、右側のサイドバー内にある「Snippets」より、行いたいテストをクリックするだけで自動的にコードの入力を行ってくれます。

今回はレスポンスとしてステータスコード200が返ってくるかを検証したいため、「Status code: Code is 200」を選択します。

4. URLの入力

Postmanの公式ドキュメントに用意されているテスト用のAPIを使用するため、以下のURLを入力し、右側にある「Send」を選択します。

<https://postman-echo.com/get?foo1=bar1&foo2=bar2>

5. 結果の確認

テスト結果は画面下部に表示されるため、「Test Results」を選択し、ステータスコード200が返ってきているかを確認してテストは終了です。

まとめ

PostmanはPostman社が提供を行うAPIプラットフォームです。

Postmanではチームでの共同開発を行ったり、API開発時の機能テストを行うことができます。G2により2022年に発表された「ベストAPI管理ツール」と「ベストAPI設計ツール」で第一位を獲得するほど、高い人気を誇るAPIプラットフォームで全世界で使用されています。大きな特徴として複雑なコードの記述が必要なく、標準でいくつかのテストコードが備わっています。そのため、これからAPIについて学習を行いたい初学者の方でも、クリック一つで様々なテストを行うことができます。

また、公式のドキュメントだけでなくチュートリアル内容も充実しているため、これだけでPostmanをマスターすることも可能です。Postmanはバックエンドエンジニアには自身が作成したAPIがちゃんと外部からアクセスできるかテストのために、フロントエンドエンジニアにはHTTPリクエスト時にエラーが発生する原因特定のためなど、Webアプリケーション制作に携わる全てのユーザーに必須のアプリケーションです。料金プランは4つ用意されていますが、基本的な機能が備わったベーシックなプランは誰でも無料で使用することができるため、気になった方は本記事を参考にPostmanを導入してみましょう。

エンベーダー編集部

エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。

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