Linux基礎コース(パート1)5/9
実行ファイルについて
こちらでは、実行ファイルと実行ファイルの実行方法について解説していきます。 また、実行ファイルを実行するために必要な周辺知識についても触れていきます。
実行ファイルとは
実行ファイルはテキストファイルと、バイナリファイルの2種類があります。
テキストファイルとは文字で書かれたファイルで、人が読むことができます。拡張子は.exeであることが多いです。
バイナリファイルとは、バイナリデータで書かれたファイルで、人が読むことのできないプログラムが書かれたファイルです。
人が読むことのできないバイナリーデータとはコンピュータの中にあるCPUが直接解釈できる機械語の命令が並んだプログラムです。どちらか確認したい場合はファイルを cat
コマンドで開いてみましょう。
実行権限
実行ファイルには実行権限というものが存在します。実行権限とは、実行ファイルに対してすべてのユーザーが実行出来てしまうと、問題が発生するため設けられています。
実行権限は パーミッションと呼ばれ、ls -l
コマンドで確認することができます。もしくは ll
でも確認できます
ls -l
total 1900
-rwxr-xr-x 1 envader envader 1941911 9月 28 05:49 run1
パーミッションの確認方法
先頭に書いてあるこの -rwxr-xr-x
文字は、
先頭の一文字はファイルの種類を表示しています。
種類 | 説明 |
---|---|
- | ファイル |
d | ディレクト |
l | シンボリック |
-はファイルを表しています。
dはディレクトリを表しています。
lはシンボリックを表しています。
種類 | 説明 |
---|---|
2文字目から4文字目 | ファイルの所有者に対する権限 |
5文字目から7文字目 | ファイルの所有グループに対する権限 |
l8文字目から10文字目 | その他に対する権限 |
2文字目から4文字目はファイルの所有者に対する権限を表示しています。
5文字目から7文字目はファイルの所有グループに対する権限を表示しています。
8文字目から10文字目はその他に対する権限を表示しています。
基本的には1文字目以降は3文字単位で所有者、所有グループ、その他の権限に対する表示が切り替わります。
r w x はそれぞれ「読み取り」、「書き込み」、「実行」に対する権限を表しています。
権限の種類 | 説明 |
---|---|
r | 読み取り権限 |
w | 書き込み権限 |
x | 実行権限 |
-rwxr-xr-x 1 envader envader 1941911 9月 28 05:49 run1
ls -l
で表示した上記のファイルは、
ファイルであり
所有者にすべての権限
所有グループに「読み取り」、「実行」権限
その他に「読み取り」、「実行権限」
が与えられています。
実行権限の変更方法
実行権限の変更は、 chmod
コマンドで行います。
chmod 変更対象 変更方法 変更内容 対象ファイル
変更対象 | 説明 |
---|---|
u | ユーザー |
g | グループ |
o | その他 |
a | 全員 |
変更方法 | 説明 |
---|---|
= | 指定した権限のみを与える |
+ | 指定した権限を追加する |
ー | 指定した権限を剥奪する |
権限の種類 | 説明 |
---|---|
r | 読み取り権限 |
w | 書き込み権限 |
x | 実行権限 |
所有グループに書き込み権限を与えたい場合は
chmod g+w run1
とすることで与えることができます。
複数指定することも可能です。
chmod o+rw run1
chmod go+w run1
まとめ
今回は実行ファイル、実行権限について解説しました。
実行ファイルは、テキストファイル バイナリーファイルの2種類あります。実行権限は chmod
で変更できます。
意外と、開発などでよく使用するので、簡単な使い方だけでも覚えておきましょう。
問題を解くためには、十分な画面サイズのPC環境をご利用下さい。