
2024.12.03
【初心者向け】ミドルウェアとは?ミドルウェアの基礎と役割を解説
ITエンジニアが学ぶべき重要な用語の一つに「ミドルウェア」があります。
この記事では、「ミドルウェア」に焦点を当て、ミドルウェアとは何か、どのような役割があるのかについて解説します。
エンジニアにおいて必須の知識となりますので、この記事を通してミドルウェアについて理解していきましょう。
ミドルウェアとは
「ミドルウェア」とは、名前に「ミドル」とあるように、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションの中間に位置するソフトウェアのことで、OSとアプリケーションの間に入って通訳をするようなイメージです。
ミドルウェアでは、アプリケーションが動作するために必要な共通部分の機能を提供し、アプリケーションの開発や管理を簡単にしてくれます。
ミドルウェアは単独で利用されることはなく、サーバーにインストールすることで利用することができ、データ管理や通信、ユーザー認証など幅広い機能をサポートします。
システムにおけるそれぞれの位置付け
コンピュータシステムは、大きく分けて次にような構成に分けられます。
ハードウェア
ハードウェアは、コンピュータの物理的な要素です。
具体的には、ディスプレイ、CPU、メモリ、ハードディスクなど、実際に触れることができるものに該当します。
OS(Operating System)
OSではコンピュータが動作するための基本的な機能を提供します。CPUやメモリの管理、周辺機器のプログラムを実行するためのプログラムを集めたものがOSです。
パソコン、スマホ、家電製品など様々な機器で利用されていて、OSがあることによってキーボードの入力や画面への表示ができています。
OSの種類には、Windows、macOS、Linuxなどさまざまな種類が存在します。
ミドルウェア
先述したように、ミドルウェアはデータベースとのやり取りや異なるシステム間の通信など、OS、アプリケーションが提供できない部分の機能を担います。
ミドルウェアが存在することによって、ユーザーからのリクエストに対してレスポンスの画面を表示したり、データベースに安全にアクセスするための接続機能、ユーザーごとに画面の表示を変更するなどの機能が実現できています。
このようにミドルウェアは、システムとして動作するために必要な「共通な機能」の部分を提供しています。
ミドルウェアの種類には、「Webサーバー」「アプリケーションサーバー」「データベース管理サーバー」があり、一般的なミドルウェアとして、Nginx、Apache、Tomcat、MySQL、Oracleなどが挙げられます。
Nginx、Apacheに関しては、以下の記事で解説しています。
アプリケーション
画像提供元: https://icons8.jp/icons
アプリケーションは私たちに一番身近な存在で、普段使用しているブラウザやメール、表計算ソフトなどに該当します。
アプリケーションは単独で機能することはできないため、通信の処理はミドルウェアに、ネットワークやメモリの管理はOSに担当してもらう、というように、OS、ミドルウェアと連携することで私たちにアプリケーション機能を提供しています。
ミドルウェアが必要な理由
ここからは、システムを構築する上で「なぜミドルウェアが必要な存在」なのか考えてみましょう。
ミドルウェアが存在しなかった場合
例えば、ウェブアプリケーションでユーザーがログインし、自身のデータを閲覧するような機能を実装するとします。
ミドルウェアがない場合、アプリケーションは自力でデータベースとの接続方法や通信のプロトコルを管理する必要があります。
具体的には、データベースへ接続するためのプロトコルの選択、接続の開始や終了の方法など、細かい設定内容を開発者が手動で管理しなければいけません。
こうなると、アプリケーション開発者はそれぞれの細かな設定や通信の処理方法をどうするか、と言ったことに多くの時間を割かなければならず、アプリケーション開発の負担が増えてしまいます。
さらに、同じような接続や通信の機能が複数のアプリケーションで必要になる場合、すべてのアプリケーションで個別に実装する必要があり、保守や更新の手間も膨大になります。
ミドルウェアが存在する場合
一方でミドルウェアが存在する場合、データベース接続をサポートする機能やクライアントとの通信機能など、共通の処理はミドルウェアが担ってくれるため、開発者はアプリケーションの機能開発に集中できます。
例としてApacheやTomcatといったミドルウェアは、HTTPリクエストの処理やリクエストのルーティングを提供し、ウェブアプリケーションの基盤機能をサポートします。
データベースへのアクセスについては、JavaアプリケーションであればTomcat上でJDBCなどのライブラリを使用することで、アプリケーションから簡単にデータベースにアクセスが可能です。
このようにミドルウェアが基本的な通信機能を提供してくれることで、アプリケーション側で細かな設定を意識する必要が減り、システムの開発・保守がしやすくなります。
ミドルウェアの種類
ミドルウェアの種類は「Webサーバー」、「アプリケーションサーバー」、「データベースサーバー」の3つに分けることができます。
一般的に、この3つで構成されるシステムのことをWeb3層構造と呼びます。
Webサーバー
Webサーバーは、インターネット上でクライアント(通常はウェブブラウザ)からのリクエストを受け取り、それに応じて必要な情報を返す役割を担います。
具体的にはウェブページのデータをクライアントに送り返したり、ファイルを配信したりするなど主にHTTP通信を通じてデータをやり取りします。
たとえばApacheやNginxといったWebサーバーは、リクエストが来るとその内容を解析し、対応するファイルをクライアントに返すだけでなく、必要に応じてアプリケーションサーバーに処理を引き継ぐこともできます。
Webサーバーについては、以下の記事で詳しく解説しています。
アプリケーションサーバー
アプリケーションサーバーは、Webサーバーからのリクエストに対してプログラムを実行して複雑な処理を行う役割を持っています。
先述したWebサーバーは静的なファイルを返すのに対し、アプリケーションサーバーはRuby、PHP、Javaなどのプログラムの実装に基づいて動的なデータを生成したり、ユーザーの入力に応じて異なる処理を実行します。
こうすることで、ユーザーはただページを表示するだけでなく、ログインや検索といった機能を利用できます。
データベースサーバー
データベースサーバーは、大量のデータを格納し、それを効率よく管理・検索できるようにするための役割を果たしています。
アプリケーションがユーザーの情報や製品のリスト、注文履歴などを管理する場合、データベースサーバーはそのデータを保存し、アプリケーションからのリクエストに応じて必要な情報を提供します。
MySQLやOracleなどのデータベースサーバーは、複雑なデータの検索や集計を行えるように最適化されており、データの一貫性や信頼性を保ちながら効率的なアクセスを提供します。
データベースとは何か?については、以下の記事を参照ください。
まとめ
この記事では、「ミドルウェア」とは何か、システム内でどのような位置づけで役割を果たすのかを説明しました。
ミドルウェアは、OSとアプリケーションの間で橋渡しをする重要な役割を持ち、データベースとの接続や通信の管理、ユーザー認証など、システムを円滑に動かすために欠かせない機能を提供しています。
この記事を通してミドルウェアの概要を理解いただき、今後の学習に役立てていただければと思います。
参考記事
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エンベーダー編集部
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