プログラミングやウェブ制作におけるサイトの種類とその重要性
ウェブ技術の進化とともにインターネット上のサイトの役割や存在意義は大きく変わってきました。一昔前までのウェブサイトは情報を一方的に伝えるためのものでしたが、現代のウェブサイトはユーザーとのインタラクションが前提となり、多様な機能や情報が組み込まれています。
このような背景からウェブサイトの制作や運営に関わる技術者やデザイナーは、サイトを効果的に設計・実装するための知識が求められています。その基本的な知識の一つが、ウェブサイトの「種類」です。
ウェブサイトには主に「静的サイト」と「動的サイト」の2つの大きなカテゴリがあります。それぞれの特性や用途を理解し、適切な場面での利用することが、ウェブサイトを成功させる鍵となります。
静的サイトは、予め定義されたコンテンツが表示されるタイプのサイトです。動的サイトはユーザーの動作やリクエストに応じてその場でコンテンツが変わるサイトです。それぞれのサイトが持つ特性を活かし適切に利用することで、ユーザーにとって価値のある情報やサービスを提供することができます。
この記事では、これらのサイトの違いや目的と用途について詳しく解説します。
静的サイトとは
静的サイトの定義
静的サイトはウェブサーバー上の特定のファイルがそのままブラウザに表示されるタイプのウェブサイトを指します。サイトのコンテンツが事前にHTML形式で作成されており、その内容が変わることなく一定であることを意味します。
静的サイトの特徴
事前にコンテンツが決まっている
静的サイトのコンテンツは事前にHTMLとして記述されるため、その内容は固定されています。
サーバーへのリクエスト毎に同じ内容が表示される
ユーザーがサイトにアクセスするたびに同じHTMLファイルがサーバーから返されるので、内容の変更や動的な更新はありません。
CMS(コンテンツ管理システム)なしで運用可能
コンテンツが固定されているためCMSを導入する必要がありません。静的サイトジェネレータを使用することで、テンプレートからコンテンツを生成することも可能です。
静的サイトの目的と用途
速度が求められる場合
静的サイトは事前にコンテンツが決まっているためデータベースから情報を取得する遅延がなく、応答速度が速いという特長があります。
更新頻度が低いサイト
企業サイト・ポートフォリオ・ランディングページなどのコンテンツの更新が頻繁ではない、または不定期であるサイトに適しています。
静的サイトはそのシンプルさと高速性から、特定のニーズや目的に適したウェブサイト制作の選択肢として現在も多くの場面で活用されています。
動的サイトとは
動的サイトの定義
動的サイトはユーザーのリクエストやアクションに応じて、リアルタイムでコンテンツが変動するウェブサイトを指します。データベースやサーバーサイドのプログラミング技術を利用して、ユーザーごとや状況ごとに異なる情報を表示できる特性を持っています。
動的サイトの特徴
データベースやサーバーサイドのプログラミングが関与する
動的サイトは、コンテンツの生成や管理のためにデータベースを使用し、サーバーサイドのプログラミング言語を利用して動的に情報を生成・取得します。
ユーザーのアクションに応じて内容が変動
ユーザーのログイン、検索、フォームの送信などのアクションに応じて、表示内容やページ構成が変わります。
CMSを用いてコンテンツを管理・更新する場合が多い
動的なコンテンツの管理や更新の手間を減らすため、CMS(コンテンツ管理システム)を使用するケースが一般的です。
動的サイトの目的と用途
ユーザーのインタラクションが必要なサイト
ユーザーとの対話やインタラクションを要求するウェブサイトに適しています。
Eコマース
商品の検索、カートへの追加、購入といった動的な機能を持つオンラインショップ。
SNS
ユーザーのプロフィール、フレンドリスト、投稿などの動的な情報を取り扱うソーシャルネットワーキングサイト。
フォーラム
ユーザーがトピックを作成し、コメントを投稿することができるコミュニティサイト。
ニュースサイト
最新のニュース記事や関連コンテンツをユーザーの興味や閲覧履歴に基づいて表示するサイト。
動的サイトは現代のウェブの主流とも言える存在であり、ユーザー中心のインタラクティブなコンテンツ提供を実現しています。ユーザーのニーズに即座に応える柔軟性と豊富な機能性を持つため、多くの場面での活用が見られます。
静的サイトと動的サイトの比較
静的サイトの作成方法
静的サイトの作り方
静的サイトは主にHTML, CSS, およびJavaScriptを使って作成します。サイトの内容やデザインは事前に決められ、サーバーはそのままのファイルを「静的に」返します。
静的サイト作成に使用する主なツール
-
テキストエディタ
Visual Studio Code, Atom, Sublime Textなど
-
静的サイトジェネレータ
Jekyll, Hugo, Gatsbyなど。これらはテンプレートから静的なウェブサイトを生成するツール
-
ホスティングサービス
GitHub Pages, Netlify, Vercelなど。静的ファイルをホストして公開するサービス
AWSのS3にホスティングする方法もあります。
https://envader.plus/article/65
動的サイトの作成方法
動的サイトの作り方
動的サイトはサーバーサイドのプログラミング言語やフレームワークを使用して作られ、ユーザーのリクエストに応じてデータベースから情報を取得したりコンテンツを「動的」に生成したりします。
動的サイト作成に使用する主なツール
-
サーバーサイド言語
PHP, Python, Ruby, Java, Node.jsなど
-
フレームワーク
Express.js (Node.jsのため), Django (Pythonのため), Ruby on Rails (Rubyのため), Spring Boot (Javaのため) など
-
データベース
MySQL, PostgreSQL, MongoDBなど。サイトのデータを保存・管理するためのツール
-
CMS (Content Management System)
WordPress, Drupal, Joomla!など。非技術者でもコンテンツの追加や更新が容易にできるツール
動的手法であるSSA・SSGをこちらの記事で解説しています。
https://envader.plus/article/204
まとめ
静的サイトはサーバーが予め定義されたファイルをそのまま返すサイトで、動的サイトはサーバーがユーザーのリクエストやインタラクションに応じてデータや内容を生成・加工して返すサイトです。
静的サイトは高速でシンプルが故に脆弱性が発生する余地が少ないという意味でセキュリティが強く、コストも低い一方で更新が難しく柔軟性に欠けることがあります。動的サイトはユーザーとのインタラクションが豊富でカスタマイズが容易ですが、セキュリティやコストの面で注意が必要です。
サイトの目的や要件に応じて、適切なタイプのサイトを選択することが重要となります。
【番外編】USBも知らなかった私が独学でプログラミングを勉強してGAFAに入社するまでの話
プログラミング塾に半年通えば、一人前になれると思っているあなた。それ、勘違いですよ。「なぜ間違いなの?」「正しい勉強法とは何なの?」ITを学び始める全ての人に知って欲しい。そう思って書きました。是非読んでみてください。
「フリーランスエンジニア」
近年やっと世間に浸透した言葉だ。ひと昔まえ、終身雇用は当たり前で、大企業に就職することは一種のステータスだった。しかし、そんな時代も終わり「優秀な人材は転職する」ことが当たり前の時代となる。フリーランスエンジニアに高価値が付く現在、ネットを見ると「未経験でも年収400万以上」などと書いてある。これに釣られて、多くの人がフリーランスになろうとITの世界に入ってきている。私もその中の1人だ。数年前、USBも知らない状態からITの世界に没入し、そこから約2年間、毎日勉学を行なった。他人の何十倍も努力した。そして、企業研修やIT塾で数多くの受講生の指導経験も得た。そこで私は、伸びるエンジニアとそうでないエンジニアをたくさん見てきた。そして、稼げるエンジニア、稼げないエンジニアを見てきた。
「成功する人とそうでない人の違いは何か?」
私が出した答えは、「量産型エンジニアか否か」である。今のエンジニア市場には、量産型エンジニアが溢れている!!ここでの量産型エンジニアの定義は以下の通りである。
比較的簡単に学習可能なWebフレームワーク(WordPress, Rails)やPython等の知識はあるが、ITの基本概念を理解していないため、単調な作業しかこなすことができないエンジニアのこと。
多くの人がフリーランスエンジニアを目指す時代に中途半端な知識や技術力でこの世界に飛び込むと返って過酷な労働条件で働くことになる。そこで、エンジニアを目指すあなたがどう学習していくべきかを私の経験を交えて書こうと思った。続きはこちらから、、、、
エンベーダー編集部
エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。
関連記事
2020.02.25
完全未経験からエンジニアを目指す爆速勉強法
USBも知らなかった私が独学でプログラミングを勉強してGAFAに入社するまでの話
- キャリア・学習法
- エンジニア
2023.02.07
【図解あり】ソケット通信の仕組みについてわかりやすく解説!
こちらの記事では、ソケット通信について解説します。
- プログラミング
- ネットワーク
2023.08.19
ノーコードのメリット・デメリットと代表的なノーコードツール
今回はノーコードについて、「メリット・デメリット」や「ノーコードを使って開発された事例」「代表的なノーコードツール」を紹介します。
- プログラミング
2023.06.25
Pythonを習得するなら挑戦しておきたい Python 3 エンジニア認定基礎試験
今回はpythonを学びたいと考えている初学者の方に向けて、Python3エンジニア認定基礎試験の概要と勉強法について解説します。ぜひ参考にしてください。
- キャリア・学習法
- プログラミング