IT人材の需要が高まる中、インフラエンジニアを目指す方が増えてきています。
かつては「きつい」「やめとけ」と言われていましたが、今は技術の進歩によって働き方が大きく改善されています。
そんなインフラエンジニアは、どうロードマップを描けばいいのでしょうか。今回は未経験の方に向けて、インフラエンジニアのロードマップについて解説します。ぜひ参考にしてください。
未経験からのインフラエンジニアのロードマップ
未経験からインフラエンジニアになる場合、以下のロードマップを描くと良いでしょう。
- 勉強してスキルを身につける
- 資格を取得する
- ポートフォリオを作る
- インフラエンジニアの仕事を探す
- 中級・上級のインフラエンジニアを目指す
- スペシャリストの道を選ぶ
Step1.勉強してスキルを身につける
何はともあれ、まずは勉強してスキルを身につけなければいけません。
勉強は座学だけでなく、実践学習も欠かせません。まずは本を読んで基礎を固めてから、トレーニングサイトを使って実践していくと良いでしょう。
独学が不安であれば、通信教育や学校に通う方法もあります。他者がいることで刺激を受けられ、独学よりも継続しやすい環境です。
自分に合った環境でスキルを身につけていきましょう。
スキルに関しては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ確認してください。
Step2.資格を取得する
知識やスキルが身についたら、次は資格を取得します。資格は客観的に能力・スキルを保証してくれるものであるため、取得して損はありません。
未経験の場合、資格の有無が仕事の受注に直結します。就職・転職の際にも役立ってくれます。
中でも基本情報技術者試験は、必ず取っておきましょう。最低限の能力を担保してくれます。
基本情報技術者試験については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ確認してください。
Step3.ポートフォリオを作る
資格を取得したら、次はポートフォリオを作ります。ポートフォリオと聞くと主にデザイナーの方が活用しているイメージを浮かべてしまいますが、エンジニアでも使います。
ポートフォリオは、自分のスキル・実績を詰め込んだ営業ツールです。他の応募者との差別化もできるので、活用の幅は非常に広いと言えます。
見やすく・わかりやすいとイメージして作ると良いでしょう。
エンジニアのポートフォリオについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ確認してください。
Step4.インフラエンジニアの仕事を探す
ポートフォリオができたら、次はインフラエンジニアの仕事を探します。インフラエンジニアとして働く際、以下のどれかを選ぶこととなります。
- 就職・転職する
- SES
- フリーランス
いきなりフリーランスは難しいため、就職・転職かSESがオススメです。まずは実績を重ね、多くの案件に関わるようにしましょう。
経験を積むことで、更なるステップアップが可能です。
Step5.中級・上級のインフラエンジニアを目指す
実践を重ね、中級・上級のインフラエンジニアを目指すと良いでしょう。インフラエンジニアは年収も高く、上級ともなると年収1,000万円プレイヤーも夢ではありません。
また、他にも企業から独立しフリーランスとしての道を進む道もあります。
- 実績
- スキル
- 能力
- 人脈
これらが兼ね備わっている状態で独立すると、安心感が違います。インフラエンジニアとして高みを目指してください。
Step6.スペシャリストの道を選ぶ
中級・上級のインフラエンジニアとしての道以外に、スペシャリストとしての道を進む方法もあります。インフラエンジニアはITインフラに関係する全ての業務をこなしますが、より細分化して特化する働き方です。
中でも以下の2つを目指すのが代表的なロードマップです。
- サーバーエンジニア
- ネットワークエンジニア
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、インフラエンジニアの中でもサーバー部分を担当するエンジニアです。
- データベースサーバー
- アプリケーションサーバー
- Webサーバー
- ファイルサーバー
これらのITシステムを構成するサーバー群の構築業務と保守運用業務を担います。サーバー領域のスペシャリストと呼んで良いでしょう。
クラウド化が進んでいる昨今、クラウドエンジニアも視野に入れて目指す方法もオススメです。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、インフラエンジニアの中でもネットワークに特化したエンジニアです。
- ルータ
- Switch
- ファイアーウォール
- ロードバランサ
- VPN
このように、ネットワークエンジニアは最適なネットワーク環境を作り上げる仕事を担っています。ルーティングやスイッチングの技術が求められます。
インフラエンジニアとは似ていますが、ネットワークエンジニアの方がよりスペシャリストとしての能力が必要です。
インフラエンジニアで身につけたいスキル6選
インフラエンジニアには、身につけておきたいスキルがあります。中でも以下の6つは、業務遂行において求められることの多いスキルです。
- 機器とネットワークのスキル
- セキュリティスキル
- クラウド関連のスキル
- 仮想化のスキル
- コミュニケーション能力
- 企画力
- マネジメントスキル
機器とネットワークのスキル
インフラエンジニアは、インフラの企画設計から運用・監視までこなします。そのため、サーバー機器全般とネットワークに関するスキルは必須です。
クライアントの要求に沿ったインフラを構築するためには、様々な知識を組み合わせて最適解を導くこととなります。
そうした面からも、機器とネットワークのスキルは必要不可欠です。
セキュリティスキル
インフラエンジニアには、セキュリティスキルも必要です。サーバーやネットワークを設計する際は、強固なセキュリティを施さなければいけません。セキュリティを専門とするエンジニアがいる場合も多いですが、ケースによってはインフラエンジニアが担当する可能性があるからです。
- 暗号化
- マルウェア対策
- リスク評価
- ファイアーウォールの設計
- セキュリティシステムの運用方法
こうした知識を身につけておきましょう。
クラウド関連のスキル
近年はクラウド化を選択する企業が増えてきています。インフラエンジニアとしても、時流に乗れるようクラウド関連のスキルも身につけておきましょう。
- AWS
- Google Cloud
- Microsoft Azure
以上3つが定番のクラウドサービスです。クラウド関連のスキルを身につけることで、クラウドエンジニアへの道も拓けます。
仮想化のスキル
仮想化のスキルも大切です。限られたコンピュータリソースを有効活用するために、仮想化するケースがあります。
仮想化とは、普段使用していない部分を使用できる部分に変える技術です。仮想化することで、IT資源を効率良く使えます。
- サーバー
- ストレージ
- デスクトップ
- ネットワーク
これらを仮想化して用いることが一般的です。VMwareといったソフトウェアを使うことが多いため、事前に学習しておくと良いでしょう。
コミュニケーション能力
インフラエンジニアには、コミュニケーション能力が必須です。構築や運用は、多くの場合チームで行うからです。チーム内でのコミュニケーションが上手くいかなければ業務遂行に支障が出てしまうでしょう。
また、チーム内だけでなくクライアントとのやり取りでもコミュニケーション能力が必要です。クライアントのニーズをしっかり把握し、適切な環境を作り上げなければいけません。
インフラエンジニアにとって、コミュニケーション能力は真っ先に身につけたいスキルです。
企画力
インフラエンジニアには、企画力も大切です。設計から行うインフラエンジニアにとって、クライアントのニーズを的確に提案に落とし込む作業が求められます。
クライアントの中には自身のニーズを把握していないケースもあります。隠れたニーズを把握し、企画にすることも重要です。
インフラを構築するインフラエンジニアにとって、クライアントのニーズを拾い上げて落とし込む企画力は、無くてはならないものと言って良いでしょう。
マネジメントスキル
マネジメントスキルもインフラエンジニアにとって大切です。プロジェクトは、複数人で進めます。マネジメントスキルを身につけることによって、滞りなくプロジェクトを完遂することも可能でしょう。
- リソースの管理・運用
- 工数の見積もり
- 人員配置
- 目標設定
- 進捗管理
これらにもマネジメントスキルは必須です。納期を守る上でも、大切な能力と言えます。インフラエンジニアとしてスキルアップをするなら、必ず身につけておきたいスキルです。
未経験からのインフラエンジニアのロードマップは将来像から逆算して考えること
未経験からインフラエンジニアになるには、まずスキルを身につけるところから始めなければいけません。客観的な指標となる資格も取得しておくことで更に説得力が増すため、なるべく取っておきましょう。
インフラエンジニアは、そのままインフラエンジニアとしての道を進むか、スペシャリストの道を選ぶかで分かれます。どちらも険しい道に違いはありませんが、日々の業務をこなして成長すれば、誰でもたどり着ける道です。
自分がなりたい姿を想像しながら、自分だけのロードマップを描いてくださいね。
【番外編】USBも知らなかった私が独学でプログラミングを勉強してGAFAに入社するまでの話
プログラミング塾に半年通えば、一人前になれると思っているあなた。それ、勘違いですよ。「なぜ間違いなの?」「正しい勉強法とは何なの?」ITを学び始める全ての人に知って欲しい。そう思って書きました。是非読んでみてください。
「フリーランスエンジニア」
近年やっと世間に浸透した言葉だ。ひと昔まえ、終身雇用は当たり前で、大企業に就職することは一種のステータスだった。しかし、そんな時代も終わり「優秀な人材は転職する」ことが当たり前の時代となる。フリーランスエンジニアに高価値が付く現在、ネットを見ると「未経験でも年収400万以上」などと書いてある。これに釣られて、多くの人がフリーランスになろうとITの世界に入ってきている。私もその中の1人だ。数年前、USBも知らない状態からITの世界に没入し、そこから約2年間、毎日勉学を行なった。他人の何十倍も努力した。そして、企業研修やIT塾で数多くの受講生の指導経験も得た。そこで私は、伸びるエンジニアとそうでないエンジニアをたくさん見てきた。そして、稼げるエンジニア、稼げないエンジニアを見てきた。
「成功する人とそうでない人の違いは何か?」
私が出した答えは、「量産型エンジニアか否か」である。今のエンジニア市場には、量産型エンジニアが溢れている!!ここでの量産型エンジニアの定義は以下の通りである。
比較的簡単に学習可能なWebフレームワーク(WordPress, Rails)やPython等の知識はあるが、ITの基本概念を理解していないため、単調な作業しかこなすことができないエンジニアのこと。
多くの人がフリーランスエンジニアを目指す時代に中途半端な知識や技術力でこの世界に飛び込むと返って過酷な労働条件で働くことになる。そこで、エンジニアを目指すあなたがどう学習していくべきかを私の経験を交えて書こうと思った。続きはこちらから、、、、
エンベーダー編集部
エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。
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