Python環境構築コース3/7
venvの使い方
こちらでは、Python コマンドの venv
ついて学んでいきます。
venvとは?
Pythonを使った開発を行う時は、プロジェクトごとに実行環境を作成し、それらの環境を切り替えて使用するのが一般的です。
venvはPython3.3以降にPythonの標準機能として取り込まれたもので、pyenvやvirtualenvのようにインストールする必要がないため、簡単に仮想環境を作成管理することができます。
venv を使うとpipでインストールしたパッケージをプロジェクトごとに独立させることができます。
pipの解説はこちら
pip
については別のシナリオで解説しています
https://envader.plus/course/8/scenario/1072
pyenvについてはこちら
https://envader.plus/course/8/scenario/1076
venvとvirtualenvの違い
venvとvirtualenvにはどのような違いがあるのでしょうか?
venvとvirtualenvの大きな違いはPython自身の管理ができるか否かです。
venvはPython 3.x.x 下に組み込まれた機能なので、Python自体のバージョン管理はできません。
virtualenvはPython自体のバージョンも管理することができます。
venvで作成した仮想環境はPythonの別のバージョンに切り替えることはできないので注意しましょう。
virtualenvについてはこちら
https://envader.plus/course/8/scenario/1074
venvを使った仮想環境の利用
仮想環境を利用するには主に
作成、起動、停止
の三つの手順が必要になります。
venvを使用して新しい仮想環境の作成を行う
venvコマンドで新しい仮想環境を作成しましょう。
はじめに専用のプロジェクトディレクトリを作成し、作成したディレクトリへ移動します。
mkdir プロジェクトディレクトリ名
cd プロジェクトディレクトリ名
次に、プロジェクトディレクトリの直下に python3 -m venv 仮想環境名 として新しく仮想環境を作成しましょう。
仮想環境名はvenvとすることが多いですが、任意の仮想環境名をつけても問題ありません。
python3 -m venv 仮想環境名
以上で仮想環境の作成ができました。
仮想環境の起動(activate)
仮想環境を作成しただけでは仮想環境を使用することはできません。
起動することで初めて利用できるようになります。作成した仮想環境を起動するには、以下のコマンドを実行します。
source 仮想環境名/bin/activate
source
コマンドの後に 仮想環境名/bin/activate とすることで、作成した仮想環境を起動することができます。
コマンドラインには以下のように先頭に仮想環境名が書かれていると思います。その状態の時が仮想環境を起動している状態です。
(仮想環境名)
Pythonのバージョンを確認しましょう。
(仮想環境名) python -V
Python 3.x.x
venvを実行するとコマンドは作成した環境で設定されているバージョンのコマンドが実行されるようになります。
仮想環境の停止(deactivate)
仮想環境を停止するときは deactivate
コマンドを実行することで仮想環境を終了することができます。
(仮想環境名) deactivate
実行した後に仮想環境名がコマンドラインの先頭から消えていれば、仮想環境を停止することができています。
まとめ
今回は venv
について解説しました。
venvとvirtualenvには明確な違いがあるので覚えておきましょう。
venvはPython3.3以降にPythonの標準機能として取り込まれたもので、Python自体のバージョン管理はできませんが、virtualenvやpyenvのようにpip
コマンドでインストールせずに利用することができます。
また、仮想環境を利用するときは作成、起動、停止の三つの手順があるのでこれらも覚えておきましょう。
問題を解くためには、十分な画面サイズのPC環境をご利用下さい。