MACアドレス(Media Access Control address)とは、ネットワーク上で通信を行うデバイスが持つ識別子のひとつで、意図的な変更を除き全世界で一意な番号です。
今回はMACアドレスの役割や端末別の確認方法について初心者向けに分かりやすく解説を行います。
MACアドレスとは?
MACアドレスとはネットワーク(インターネット)に接続できる全ての機器に製造段階で割り当てられる一意な12桁の識別番号です。
MACアドレスは48ビットの識別子で09、AFの16進数で表されます。前半の24ビットはOUI(Organizationally Unique Identifier)と呼ばれ、メーカーごとに割り振られた重複しない番号になっています。OUIはIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)が管理をしており公式ページでMACアドレスを入力することで製造メーカーを調べることができます。後半の24ビットは製造時にメーカーが重複しないように割り当てを行う管理番号です。この2つの識別番号の組み合わせによりネットワーク機器を特定します。
MACアドレスの役割
MACアドレスの役割は端的に言うと宛先を特定するために使われる識別番号です。イメージとして電話番号などをイメージしてもらえると分かりやすいと思います。家の電話番号のように1つの家庭には1つの電話番号があり、その電話番号で家庭を識別できます。同じように1つのコンピューター(通信機器)には1つのMACアドレスがあり、そのMACアドレスでコンピューターを識別することができます。MACアドレスはルーターやコンピューター、家庭用ゲーム機などインターネットに接続される機器全てに割り振られています。
OSI参照モデルから見るMACアドレス
もう少し踏み込んで解説を行います。コンピューターネットワークで利用されている多数のプロトコルについて、それぞれの役割を分類して7つの階層(レイヤー)に分けたものをOSI参照モデルといいます。このOSI参照モデルのレイヤ2(第二層)にデータリンク層があり、データリンク層では物理的に隣接するノードと正確に通信を行うためのルールが定められています。この通信の際に「どこからどこに、伝送するデータなのか」を判断するために用いられるのがMACアドレスになります。
代表的なデータリンク層のプロトコルとして、Ethernet(イーサネット)が挙げられますが、Ethernetではコンピューター同士が通信を行うには宛先MACアドレスと送信元MACアドレスが必要になります。この宛先MACアドレスと自分のMACアドレスが一致する場合のみ送られてきたデータを受け取ることができ、それ以外のMACアドレスはデータを破棄します。
MACアドレスは第二層のデータリンク層で物理的に隣接する機器同士の通信に用いられ、インターネット越しの通信に関しては第三層のネットワーク層にあたるIPアドレスが別途必要になるため混同しないよう注意しましょう。
OSI参照モデルについての詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。
MacOSでの確認方法
MacOSでMACアドレスを確認する方法は以下です。
1. システム設定を開く
デスクトップでシステム設定を開きます。
2. Wi-Fiを選択する
検証環境のMacBook AirにはLANケーブル挿入口がなく、EthernetアダプタがないためWi-Fiを選択し、詳細を選択します。
3. ハードウェアを選択
Wi-Fiの詳細が表示されたらハードウェアを選択します。
4. MACアドレス確認
以上でワイヤレスネットワーク用のMACアドレスが確認いただけます。
Windows11での確認方法
Windows11でMACアドレスを確認する方法は以下です。
1. 設定を開く
スタートメニューを右クリックし、設定を開きます。
2. ネットワークとインターネット
左の項目からネットワークとインターネットを開きます。
3. Ethernet
イーサネットを表示し、スクロールを行うとMACアドレスが確認できます。
スマートフォン(iOS)での確認方法
iOS(iPhone)端末でのMACアドレスの確認方法は以下です。
1. 設定を開く
ホーム画面より設定を開きます。
2. 一般設定を開く
項目の中から一般設定を選択します。
3. 情報を開く
一番上にある情報を開きます。
4. MACアドレス確認
表示されるWi-FiアドレスがMACアドレスになります。
まとめ
MACアドレスとは、ネットワーク上で通信を行うデバイスが持つ識別子で意図的な変更を除き全世界で一意な番号になります。
MACアドレスはインターネットに接続できる全ての製品に製造時に割り当てられ、48ビットの識別子で0〜9、A〜Fの16進数で表されます。主な役割はOSI参照モデルの第二層である、データリンク層において、隣接したノード間のデータの送信元と宛先を識別するために使用されます。インターネット越しの通信に関しては第三層のインターネット層にあたるIPアドレスが別途必要になるため混同しないように気をつけましょう。
普段インターネットを使う際に意識をしない部分ではありますが、インターネットに繋がる全ての機器には必ず一意のMACアドレスが与えられているため、確認法法を参考に自身のMACアドレスを調べてみましょう。
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エンベーダー編集部
エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。
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