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2025.02.25

【超初心者向け】もう挫折しない、Python環境構築の基本を徹底解説!

はじめに

Pythonの学習を進めている初心者の方や、DX推進にPythonで取り組む方の中には、「次のステップとして何かアプリを作ってみたい」と考える方も多いかと思います。とはいえ、次のような疑問や悩みを抱えることはないでしょうか。

「何から始めればよいのか分からない」

「自分のPCでPythonを使えるようにする方法が分からない」

「環境構築を試みたが、難しくて挫折しそうになった」

なかでもアプリを作る上で必要な「Pythonの環境構築」は、多くの方が挫折しやすい傾向にあります。理由としては、環境構築の理解があいまいだったり、Pythonの基本的な知識が不足していることがあげられます。

本記事では、Pythonの環境構築を中心とした基本知識を初心者の方向けにわかりやすく解説します。記事を読み終えた頃には、「なぜ開発環境が必要なのかを理解し、スムーズにアプリ開発をスタートできるようになることを目指します

それでは一緒に学んでいきましょう。

Pythonで環境構築に必要な知識

本記事では以下の7項目の知識を学びます。項目が多くありますが、Pythonで環境構築してアプリ開発するために必要な知識となります。まずは概要を知り、少しずつ理解を深めてください。

  1. 環境構築
  2. 実行環境
  3. 仮想環境
  4. パッケージとライブラリ
  5. パッケージ管理
  6. ファイル形式
  7. コードエディタ

環境構築とは

環境構築とは、プログラムを実行したり開発したりするために必要なソフトウェアや設定を、自分のPCに準備することを指します。

具体的には、主に次の2つが必要です。

  1. Python本体

    Pythonで書いたコードをPC上で動かすために必要です。

  2. コードエディタ

    プログラムを書きやすくするための専用ソフトウェアです。

プログラムを動かすには、これら2つの道具が必要になります。この道具を準備することを環境構築と呼びます。

実行環境とは

実行環境とは、Pythonプログラムを動かすために環境構築を行った場所のことです。環境構築が完了した後、アプリを作成する際のおおまかな流れは以下のとおりです。

  1. Pythonコードを記述するファイルを作成
  2. ファイルにプログラムを入力
  3. プログラムを実行

Pythonでコードを記述してプログラムを実行するには、コンピューターが必要です。Pythonの場合、主に以下の2つの実行環境があります。

  • ローカル

    手元にあるPCなどのデバイスです。自分のPCにPythonの環境を構築し、プログラムを実行する方法です。

  • クラウド

    インターネット上のコンピューター(サーバー)を利用します。手元のPCからインターネットを経由してプログラムを実行する形です。Google Colaboratoryなどがこれにあたります。

    Google Colaboratory

    https://colab.google/

環境構築の基本

Pythonをローカルで使う場合、環境構築には主に次の2つの方法があります。

  1. PCにPythonを直接インストール
  2. 仮想環境を作成

PCに直接Pythonをインストールする方法

公式サイトからPythonをダウンロードし、自分のPCにインストールする方法です。

  • メリット

    インストーラーを実行して画面の指示に従うだけなので、初心者でも取り組みやすい点が挙げられます。

  • デメリット

    アプリごとに異なるPythonのバージョンやライブラリを使い分けづらく、Python本体をバージョンアップした際に、既存のアプリが動作しなくなる可能性があります。

補足:ライブラリとは?

アプリを開発するときに利用する「機能の部品」をまとめたものです。後ほど詳しく解説します。

仮想環境を作成する方法

Pythonの「仮想環境」機能を活用して、アプリごとに独立した実行環境を用意する方法です。

  • メリット

    アプリごとに異なるPythonバージョンを使い分けられ、必要なライブラリだけをインストールできます。ライブラリの競合を防ぎ、別のアプリに影響を与えない点が大きなメリットです。

  • デメリット

    仮想環境の作成や管理には一定の知識が必要です。初心者が導入する際は、手順をしっかり把握しながら進めることが欠かせません。

仮想環境とは

仮想環境とは、前述の通り、アプリごとに独立したPythonの実行環境をプロジェクト内に作る仕組みです。ここでいう「プロジェクト」とは、アプリ開発に必要なデータ一式をまとめて管理するためのフォルダを指します。

プロジェクトに対して、Pythonの仮想環境を構築することで、ほかのプロジェクトと干渉することなくアプリを開発・実行できます。具体的には、次のようなデータがプロジェクト内にまとまって作成されます。

  • Pythonプログラムを実行するファイル

    PCにインストールされているPython本体のコピーやリンクが含まれます。

  • 仮想環境を管理するフォルダ

    ライブラリなどがこのフォルダにインストールされます。

  • 仮想環境を動かすスクリプト

    プロジェクトフォルダ内で仮想環境を起動するためのスクリプトです。これによって、プロジェクトごとの独立したPython実行環境で開発できます。

このように、仮想環境を活用すると、1台のパソコン内に複数の独立したPython環境を用意できるようになります。そのため、Pythonでアプリを作成するときは、仮想環境の仕組みを使ってプロジェクトごとに実行環境を分けるのが一般的です。

仮想環境を作る理由

アプリごとに環境を構築して管理するのは少し手間に感じるかもしれません。しかし、環境を分けることで次の2つの管理がしやすくなります。

  1. ライブラリのバージョンと依存関係
  2. パッケージ管理

ライブラリのバージョンと依存関係の管理

Pythonでアプリケーションを開発する際は、さまざまなライブラリ(機能の部品のようなもの)を組み合わせて作成します。ライブラリはPython自体にはじめから入っているものや、外部からインストールして追加するものがあります。

ライブラリにはそれぞれバージョンがあり、Python本体やほかのライブラリとの互換性を保つことが重要です。また、ライブラリ同士で依存関係がある場合もあり、「ライブラリAを使うにはライブラリBのバージョン2.0が必要」など、特定の条件を満たす必要があります。

このようなライブラリやその依存関係、バージョンを管理することを「パッケージ管理」と呼び、通常は専用のパッケージ管理ツールで行います。アプリごとに環境を分けておけば、ほかのプロジェクトが使うライブラリと衝突することなく管理できるようになります。

パッケージ管理のトラブル事例

仮想環境を使用しない場合、以下のようなトラブルが起こりやすくなります。たとえば、アプリAとアプリBを同じローカル環境にインストールし、次の状況になったとしましょう。

  • アプリAに必要なライブラリCを使うには、ライブラリEのバージョン1.2が必要

  • アプリBに必要なライブラリDを使うには、ライブラリEのバージョン2.0が必要

1つの環境には、基本的に同じライブラリの異なるバージョンを共存させることが難しいため、ライブラリFとGが必要とするHのバージョンが食い違うと、依存関係が維持できなくなります。

1つの環境で複数のアプリを開発すると、このようなライブラリの衝突が起きやすく、パッケージ管理が非常に複雑になります。これを回避するために、仮想環境でアプリごとに必要なライブラリをインストールし、独立した形でパッケージ管理を行う方法が推奨されています。

ここまで、仮想環境の必要性やアプリ開発における環境構築の重要性を解説してきました。では実際に、Pythonのプログラムをどのようなファイル形式で書き、動作させていけばよいのでしょうか。環境構築を終えたあとにスムーズに開発を始めるために、ファイル形式とコードエディタについても学んでおきましょう。

Pythonのファイル形式

Pythonには主に次の2つのファイル形式があり、目的や実行方法によって使い分けます。

  • ファイル形式
  • ノートブック形式

これら2つはいずれもプログラムの結果は同じですが、作成方法や実行方法が異なります。以下で詳しく確認しましょう。

ファイル形式

Pythonのコードが書かれたテキストファイルで、中身は print(… ) などのPythonプログラムのみ、シンプルにコードだけが入っています。ファイルの拡張子は.py が付きます。

  • ファイルの実行方法

    コマンド入力を行い、ファイルに書かれたプログラムを一気に実行します。

  • 対象となる人

    コードをメインに管理したい人や、本格的にアプリを作りたい人など、Pythonの理解がある方に向いている形式です。アプリが大きくなることが予想される場合は、こちらのファイル形式がおすすめです。

ノートブック形式

「ノートブック」と呼ばれる形式で、コードだけでなく、実行結果やメモ(コードの説明など)を一緒に保存できます。ファイルの拡張子は.ipynb が付きます。

ツールとしては「Jupyter Notebook(ジュピター・ノートブック)」などを使い、通常はクラウド上で動かすことが多い形式です。ノートブックの画面上で、コードをセル(小分けされたブロック)ごとに書く仕組みになっています。

  • ファイルの実行方法

    Jupyter Notebook環境ではツール内の「再生ボタン」を押すことで、セルごとにプログラムを実行します。実行した結果(文字やグラフなど)はコードの直下に表示されます。

  • 対象となる人

    Pythonの学習を始めたばかりで、手軽にコードを書いて結果を見たい人に適しています。データ分析やレポート作成など、結果やグラフをその場で表示し、説明文もあわせて書きたい場合に便利です。

この2つのファイル形式は、自分の使用場面で使い分けるとよいでしょう。ただし、アプリを作成する場合はファイル形式(.py)が適しており、その際には次に紹介するコードエディタを使うことをおすすめします。

Pythonの向けのコードエディタ

Pythonのファイルは、通常「コードエディタ」と呼ばれるプログラム開発用のツールを使って作成します。コードエディタを使用することで、プログラムをわかりやすく書きやすくなり、間違いを見つけやすくなります。

コードエディタにはいくつかの種類がありますが、なかでもMicrosoft社が提供する「Visual Studio Code(VSCode)」は、シンプルで初心者でも扱いやすいツールとして広く利用されています。以下のサイトからダウンロードでき、Mac、Windows、Linuxに対応しています。

Visual Studio Code 公式サイト

https://code.visualstudio.com/download

導入方法や基本操作については、次の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

初心者にもわかる「VSCode」の導入から基本操作まで解説

https://envader.plus/article/118

ここまで紹介した仮想環境を作り、.py形式のファイルを使って小さなアプリの作成から始めてみましょう。環境構築とファイル形式、そしてコードエディタをうまく活用すれば、スムーズにPythonの開発を進められます。

この記事で学んだこと

この記事では、Pythonの環境構築を行う目的や基本知識について解説しました。最後に重要なポイントを振り返ります。

環境構築と実行環境

  • 環境構築

    Pythonプログラムを実行したり開発したりするために必要なソフトウェアの設定を、自分のパソコンに整えることです。

  • 実行環境

    Pythonプログラムを動かすために環境構築を行った場所のことです。

仮想環境とは

アプリごとに独立したPythonの実行環境をプロジェクト内に作る仕組みです。Pythonをローカルで利用する場合、アプリごとに独立した実行環境を作れる「仮想環境」の仕組みを使い、以下の2つの管理をします。

  1. ライブラリのバージョンと依存関係
  2. パッケージ管理

1つの環境で複数のアプリを開発すると、ライブラリのバージョンが衝突しやすくなります。そこで、仮想環境内でアプリに必要なライブラリや依存関係を管理すれば、こうしたトラブルを回避しやすくなります。

仮想環境構築へのステップ

ここまで、Pythonの環境構築に必要な基礎知識について学んできました。基本を押さえてから開発に取りかかることで、アプリ作成をスムーズに始められるようになります。

具体的な仮想環境の構築方法は、以下のページで詳しく紹介しています。Pythonのインストールから仮想環境のセットアップまで一通り解説されているため、本記事の内容を理解したうえで参考にしていただければ幸いです。

エンベーダー:Python環境構築コース

https://envader.plus/course/8/scenario/1071

参考資料

以下のリンクは、この記事で説明した手順や概念に関連する参考資料です。より詳しく学びたい方は、ぜひご覧ください。

IT用語用語辞典 実行環境

https://e-words.jp/w/実行環境.html

Python 公式 - 仮想環境とパッケージ

https://docs.python.org/ja/3.12/tutorial/venv.html

Python.jp - 仮想環境

https://www.python.jp/install/windows/venv.html

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エンベーダー編集部

エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。

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