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はじめに
「会社からDXを推進するように言われたものの、何をどう始めればいいのか分からない…」そんなお悩みを抱えていませんか?
DXという言葉は耳にするが、その定義が抽象的で、「自分の業務にどう活かせばいいのか」と迷う方も多いはずです。さらに、「Pythonが流行っている」と聞いても、「プログラミング初心者の自分に使いこなせるのだろうか?」と不安に思う方もいるでしょう。
実は、DXの柱である「データ活用」や「業務自動化」を始める上で、初心者でも扱いやすいプログラミング言語「Python」は、非常に頼もしいツールです。本記事では、DX推進の第一歩として、Pythonの魅力と実用例を3つに絞ってわかりやすく解説します。
この記事を読み終えるころには、「Pythonを使って自分のDX活動をどう進めるべきか」が具体的にイメージできるようになっているはずです。それでは、さっそく具体例を見ていきましょう。
Pythonとは
Pythonは、世界中で使われているプログラミング言語の一つです。プログラミング言語とは、簡単に言うとコンピュータに指示を出すための言語です。Pythonは、シンプルな文法と分かりやすさに特化した言語として、多くの人に利用されています。
Pythonの3つの特徴
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初心者にやさしい言語
Pythonは、人間が読んでも分かりやすい文法で書けるように設計されています。初めてプログラミングを学ぶ人にもやさしい言語です。
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広い分野で使用可能
データ分析、AI(人工知能)、業務の自動化、Webサイト作成など、幅広い分野で使われています。
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初心者向けのサポートが豊富
チュートリアルや解説記事が豊富で、学習しやすい環境が整っています。また、Python自体は誰でも無料で利用できます。
Pythonは「効率を上げたい、業務を改善したい」という思いを実現するための強力なツールです。特に、DX推進に取り組む方にとって、業務改善の第一歩として学ぶ価値のある技術です。
なぜDXでPythonが注目されているか
PythonがDX推進で注目される理由は、業務効率化やデジタル技術の活用を支える特性があるためです。
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データ活用を促進
Pythonはデータ分析や処理に優れ、大量のデータから業務改善のヒントを引き出すことができます。例えば、顧客データや売上データを活用した予測分析などに使われています。
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業務の自動化が容易
データ入力やレポート作成などの繰り返し作業をPythonで自動化することで、作業時間の短縮やミス削減につながります。
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AIや機械学習の活用
AIや機械学習技術を業務に取り入れる際、Pythonは主要な開発言語として広く使われています。これにより、DXの高度な取り組みも可能になります。
これらの理由から、PythonはDX推進に欠かせない「データ活用」「業務効率化」「技術導入」を支える言語として、多くの企業で活用されています。
ノーコードツールとPythonの違い
企業独自のアプリケーション構築では、ノーコードツールやRPAを活用するケースが増えています。RPAなどはプログラミングの知識がなくてもアプリを作成できますが、独自の機能を追加しようとすると、多くのアクションを組み合わせる必要があり、システム構築が複雑になりがちです。
また、作りたいものが複雑になるほど有料ライセンスのコストが増大し、コスト削減効果とのバランスが崩れるケースもあります。
一方、Pythonは無料で利用できるため、アプリの構築コストを抑えられます。さらに、生成AIを活用することで、企業独自のアプリを素早く構築できる利点もあります。
Pythonで自動化できること3選
DX推進をサポートするPythonの活用例を3つに分けてご紹介します。普段の業務で手作業で行っているファイル操作などを、Pythonで自動化し、効率化することができます。「DXを自分の仕事にどう活かせばいいかわからない」と感じている方は、これらの事例を参考にし、自身の業務に当てはめて考えてみてください。
- Office系アプリの自動操作
- ファイルの整理を自動化
- デスクトップアプリケーションの開発
1.PythonとOffice系アプリの自動操作
Pythonを使えば、Office系アプリを自動操作し、手作業で行っているデータ入力や整理、ファイル操作を効率化できます。例えば、以下の作業を自動化できます。
- Excelでのデータ入力や数値計算の自動化
- Wordでの文書作成やテンプレートの自動編集
これらの作業をPythonでプログラムとして作成し、それを実行することで、人の手を使わずに処理を進めることができます。
1-1.PythonとExcelの自動化の具体例
具体的に、Pythonを使ってどのようにExcelを自動化できるかを見ていきましょう。
大量のテキストデータの処理を自動化
- 社内システムから書き出された大量のテキストデータをPythonでExcelに表形式に整形
- Excelで作成された大量の社内文書から、特定のキーワードを抽出し、別のExcelファイルへ収集
データを分析してグラフを作成
- 整形したデータや収集したデータを分析し、プレゼン資料用のグラフを作成
- 仕事の進行状況を数値化し、進捗をグラフ形式で可視化
フィルターや並び替え、条件付き書式を一括適用
- Excelの「売上金額」列の値に応じてセルの色を変更する条件付き書式を自動適用
Pythonを活用すれば、Excelのデータ集計や分析など、手間のかかる作業を効率的に処理できます。また、Microsoft 365ユーザーであれば、「Python in Excel」の機能を活用し、Excel内で直接Pythonコードを実行することも可能です。
1-2.PythonとWordの自動化の具体例
次に、Pythonを使ったWordの自動化について見ていきましょう。PythonによるOfficeの自動化といえばExcelを思い浮かべる方が多いですが、Wordの操作も可能です。
新規文書の作成と文書フォーマットの統一
- 複数のプロジェクト報告書を結合し、部門ごとの成果レポートを新規作成
- 顧客リストのCSVデータをもとに、Wordのテンプレートに情報を差し込み、カスタマイズされた提案書を一括生成
- 各部署から提出された報告書のフォント、ヘッダー、フッターを統一し、文書のフォーマットを統一
文書内の特定のテキストを一括置換
- 社内の複数のWordファイルに含まれる契約書の有効期限や金額を一括置換
Wordデータのファイル形式を一括変換
- 大量の契約書を一括でPDF化
- Wordで作成したパンフレットを画像形式に変換
Pythonを使えば、Office系アプリの作業を大幅に効率化できます。特に、大量のデータ入力や更新、文書作成、特定条件のデータ抽出など、手作業では時間のかかる作業を自動化することで、業務の負担を大幅に軽減できます。
2.Pythonでファイル整理の自動化
フォルダやファイルを特定の場所へ移動したり、一定期間が経過したデータを削除したりする作業は、Pythonを使えば短時間で正確に整理できます。
具体的に、Pythonでどのようにファイル整理を自動化できるのかを見ていきましょう。
2-1.ファイルを特定の条件で分類して整理
- 部署内のアプリケーションごとの作業マニュアルを、各アプリケーション名のフォルダへ移動
- ファイル名に特定の文字列を一括で追加し、分類して整理
2-2.データの削除やバックアップの自動化
- 作成日や更新日をもとに、指定した期間以上経過した不要なファイルを自動削除
- 指定フォルダのデータを定期的にクラウドサーバーや外付けドライブにバックアップ
Pythonを活用すれば、これらの作業を短時間で正確に実行できます。手作業で行っていた作業をプログラムで自動化することで、作業時間の短縮だけでなく、ヒューマンエラーの防止にもつながります。
また、タスクスケジューラなどを活用すれば、ファイル整理プログラムをPCに組み込み、設定した時間に自動で処理を実行することができます。これにより、人の手を介さない完全自動化が可能になります。
3.Pythonでのデスクトップアプリケーション開発
デスクトップアプリケーションの開発といえば、Javaなどの高度なプログラミング言語を必要とするイメージを持たれる方もいるかもしれません。しかし、Pythonでも比較的簡単にデスクトップアプリケーションを作成できます。
3-1.デスクトップアプリケーションの事例
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発注書や見積書の作成アプリ
Pythonで作成したフォーム入力アプリに、発注情報を入力し、社内システムに保管されているお客情報とあわせ、企業独自の発注書や見積書を作成
-
資材管理アプリ
製品のバーコードを読み取り、製品情報や在庫を管理する資材管理アプリ
Pythonで作成したデスクトップアプリを複数人で使用する場合、実行ファイル(.exe)にすることで、Python環境がないPCでも使用できるようになります。また、GUIを実装すれば、プログラミング知識がない人でも直感的に操作できます。
Pythonで自動化できること3選まとめ
ここでは、以下のPythonで自動化できること3つ事例を紹介しました。
- PythonとOffice系アプリの自動操作
- Pythonでファイル整理の自動化
- Pythonでのデスクトップアプリケーション開発
Pythonを活用することで、ExcelやWordの自動操作、ファイル整理といった業務の効率化や、デスクトップアプリ開発ができます。単純な作業をデジタル制御することで、より正確かつスピーディーに処理が可能になり、業務改善にも大きく貢献します。 さらに、PythonではWebアプリの作成、Webスクレイピングによるデータ収集、機械学習を活用したデータ分析など、幅広い用途で活用できます。業務の効率化やDX推進の一環として、Pythonの導入を検討するのも一つの方法です。
PythonでDXを加速させるコツ
Pythonを活用して業務を効率化する際は、まず日々の作業の中で「繰り返し手作業で行っているもの」や「決まったパターンのある作業」を見つけることから始めてみてください。
また、仕事で使用する文書管理の仕組みを見直すことも重要です。例えば、データ名に一貫性を持たせると、ファイルの分類や検索を容易にし、「〇〇を含むデータを移動する」といったプログラムの指示も簡単になります。
さらに、Excel内のデータ管理の工夫も重要です。
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データのテンプレート化
必要な値が複数のデータで共通のセルを指定できるよう統一
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入力セル以外のロック
不要な編集の防止とデータの整合性の維持
このように、事前にデータの整理やフォーマットの統一を意識することで、Pythonによる自動化をスムーズに実現できます。「DXを何からはじめればいいのかわからない」という方は、業務改善の第一歩として、まずは作業の見直しからはじめると良いでしょう。
DX推進にITスキルは必要?
生成AIとPythonを組み合わせることで、業務改善のためのプログラムを構築することは可能です。しかし、企業独自の複雑なアプリ開発や、セキュリティを考慮したシステム構築には「ITの基礎知識」が欠かせません。
また、生成AIが出力するコードの適切性を判断したり、エラー発生時に問題を特定し解決するためにも、「ITの基礎知識」があると安心です。
DX推進のためにITスキルを身につけよう
Pythonではライブラリやフレームワークという開発を効率化するツールを組み合わせて構築を行います。これらを使用するには、以下のようなコマンド操作が必要になります。
pip install openpyxl
このようなコマンド操作の基礎から学ぶなら、エンベーダーがおすすめです。
【エンベーダー】悩むより遊べ。エンジニア予備軍のためのITインフラ学習ゲーム
エンベーダーでは基本的なLinuxのコマンド操作を1から学ぶことができ、IT初心者の方でもコマンド操作を簡単にゲーム感覚で楽しく習得することができます。
さらに、Linuxコマンド操作をはじめ、アプリ構築に必要不可欠なデータベースと呼ばれるデータを保存するサーバー(データを保管する場所)や、セキュリティの基礎など、DX推進に不可欠な ITの基礎知識も学べます。
エンベーダーのコース一覧
さまざまな知識を学べるコースをご用意しています。
Python環境構築コースでは、Pythonの基本から開発するための環境構築について学べます。
まとめ
DXの発展とともに、より高度なアプリ構築が求められる場面も増えていきます。そのとき、「ITの基礎知識」があることで、Pythonを活用したスムーズなアプリ開発が可能になり、業務の効率化や自動化をより実現しやすくなるでしょう。
最初は「プログラミングなんて難しそう」と感じるかもしれません。しかし、少しずつ学び、手を動かしていくことで、できることは確実に増えていきます。新しい技術を味方につけることで、これまでにない可能性が広がっていきます。
DX推進の第一歩として、PythonやITの基礎知識を身につけ、一緒にデジタル化を進めていきましょう。この記事やエンベーダーがその後押しをできたら幸いです。
参考資料
以下のリンクは、この記事で説明した手順や概念に関連する参考資料です。より詳しく学びたい方は、ぜひご覧ください。
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Python プログラミング言語 Python情報サイト
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Wikipedia - Python
【番外編】USBも知らなかった私が独学でプログラミングを勉強してGAFAに入社するまでの話
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プログラミング塾に半年通えば、一人前になれると思っているあなた。それ、勘違いですよ。「なぜ間違いなの?」「正しい勉強法とは何なの?」ITを学び始める全ての人に知って欲しい。そう思って書きました。是非読んでみてください。
「フリーランスエンジニア」
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「成功する人とそうでない人の違いは何か?」
私が出した答えは、「量産型エンジニアか否か」である。今のエンジニア市場には、量産型エンジニアが溢れている!!ここでの量産型エンジニアの定義は以下の通りである。
比較的簡単に学習可能なWebフレームワーク(WordPress, Rails)やPython等の知識はあるが、ITの基本概念を理解していないため、単調な作業しかこなすことができないエンジニアのこと。
多くの人がフリーランスエンジニアを目指す時代に中途半端な知識や技術力でこの世界に飛び込むと返って過酷な労働条件で働くことになる。そこで、エンジニアを目指すあなたがどう学習していくべきかを私の経験を交えて書こうと思った。続きはこちらから、、、、
エンベーダー編集部
エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。
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