2023.07.23
データエンジニアは何をする人?機械学習には欠かせない人材
大規模データが活用されるようになった昨今、データエンジニアの存在はますます高まってきています。
データ分析や機械学習に取り組む企業にとって欠かせない人材ですが、実際はどのような存在なのかわからないという方もいます。
データエンジニアはデータ分析をする上で欠かせない、縁の下の力持ち的存在です。
今回は初学者の方に向けて、データエンジニアについて解説します。データ分析に興味のある方は必見ですよ。
データエンジニアとはデータ活用のための基盤を作るエンジニアのこと
データエンジニアとは、厚生労働省によると「膨大なデータを分析するためにデータの整理や管理を行ったり、複雑で大規模なデータが活用できるよう情報基盤の構築や運用を行う」エンジニアです。
情報化が進展した今日、ビッグデータを活用する機会が増えています。ChatGPTに代表されるAIの進化により、その需要はますます高まっていると言えるでしょう。
データエンジニアは、そうしたデータを収集・整理・管理をし、情報基盤の構築や活用まで行います。
ですが、データエンジニアには似ている職業があります。仕事内容を知る前に、まずは以下の違いについて理解しておきましょう。
- データベースエンジニアとの違い
- データサイエンティスト・データアナリストとの違い
データベースエンジニアとの違い
データエンジニアと似た名前の職種にデータベースエンジニアがあります。初めて名前を聞く方からすると、何が違うのか疑問を感じるところでしょう。
両者とも、データベースを構築し、データを正しく管理する点においては同じです。
では何が違うかというと、以下の点になります。
- データの利用目的
- データの管理方法
データエンジニアが扱うのは、分析で使うデータのみです。データベースエンジニアのように、あらゆるデータを扱うわけではありません。
一見すると楽なように感じますが、分析のためのデータは膨大です。データベースエンジニアとはデータの管理方法も異なるため、分散管理といった独自の方法が使われます。
このようにデータベースエンジニアとは、データの利用目的・管理方法の部分で異なります。
出典・参考「Computer Futures」
データサイエンティスト・データアナリストとの違い
データを扱う職種として、データサイエンティストとデータアナリストがあります。データエンジニアは、両者とも仕事内容が異なります。
もちろん重複する部分はありますが、以下の点で異なるため注意しましょう。
- データサイエンティスト:データ分析とビジネス改善の提案
- データアナリスト:データを使って企業の意思決定支援を行う
両者ともデータを使って業務を行います。イメージとしては、データエンジニアが収集・分析したデータを活かす形です。
データサイエンティスト・データアナリストが使うデータを収集するのがデータエンジニアと覚えておくと良いでしょう。
出典・参考「Computer Futures」
データエンジニアの仕事内容
データエンジニアの仕事は「データを有効活用できる状態に整理すること」です。様々な情報で構成されているデータを整理するために、以下の仕事を行います。
- 情報基盤の構築・設計・運用
- 大規模データのクレンジング
- AIや機械学習のマネジメント
情報基盤の構築・設計・運用
情報基盤の構築・設計・運用はデータエンジニアの仕事でも重要なものの1つです。データサイエンティストなどがデータを使える状態にしなければいけません。
以下の流れで行います。
- 使用するデータベースやクラウドサービスを選定する
- インフラを構築する
- データを格納する
- 情報基盤がエラーなく稼働しているかを監視する
注目したいのが、データを格納する工程です。ここで取り出して分析しやすいようにしておきます。
データエンジニアの仕事の中でも最も基礎となる仕事です。
大規模データのクレンジング
大規模データのクレンジングも行います。データの品質を向上させる仕事です。データクレンジングとも呼ばれます。
データは、集めたところでまともに使えません。以下の理由があるためです。
- データが欠けている
- 重複しているデータがある
データとして活用できる状態でないのがわかりますよね。
データエンジニアは、こうしたデータを整理して使える状態にします。わかりやすい例でいえば、西暦と和暦を統一するといった作業です。
データクレンジングを行い、他のエンジニアやマーケターが使える状態に整理するのもデータエンジニアの仕事となっています。
AIや機械学習のマネジメント
大規模なデータを分析・活用するには、AIのサポートが欠かせません。データエンジニアは、AIや機械学習のプログラミングや運用を行います。
昨今のChatGPTでも騒がれているように、AIは多くの情報を吸収することで力を発揮します。ただ単にAIを導入しただけでは、想像以上の効果を期待できません。
データエンジニアは、AIに多くの情報を吸収させ精度を高める役割を担っています。そのために、機械学習をサポートしマネジメントをする仕事もこなします。
データエンジニアが身につけるべきスキルセット
データエンジニアはデータを扱う仕事です。そのため身につけておくべきスキルセットは、データに関するものが多くあります。
初学者の方がデータエンジニアを目指す場合、まずは以下のスキルを身につけると良いでしょう。
- プログラミングスキル
- データベースに関するスキル
- インフラに関するスキル
- 分散処理に関するスキル
- 数学・統計学に関するスキル
プログラミングスキル
データエンジニアにはプログラミングスキルが必要です。他のエンジニア同様、身につけておかなければいけません。特に初学者の方が未経験から目指すのであれば、より必要となるでしょう。
身につけておきたいプログラミング言語は複数ありますが、まずは以下に取り組むことをオススメします。
- Python
- Java
- Scala
- R
どれも機械学習で良く使われるプログラミング言語です。データエンジニアとして仕事をこなすためにも、まずはプログラミングスキルを磨きましょう。
データベースに関するスキル
データベースに関するスキルも重要です。データエンジニアが扱うデータはビッグデータと呼ばれる大規模データの集まりであるため、環境構築から運用まで幅広いスキルが求められます。
データエンジニアにとって主戦場とでも言うべき環境のスキルなので、必須と言えます。中でも以下は代表的なスキルです。
- 自社内で構築したデータベースに関するスキル
- GCPやAWS、Azureなどのクラウドサービスに関するスキル
- SQL
- RDB
- Oracle Database
企業によって使っているデータベースが違うため、幅広い知識・スキルが求められます。データエンジニアになるには、データベースに関するスキルは網羅的に身につけておきましょう。
インフラに関するスキル
データエンジニアにはインフラに関するスキルも求められます。データは複数人で扱うため、インフラ環境に関する知識が必要だからです。
インフラと聞いてすぐに思い浮かべるのは社内インフラですが、データエンジニアの仕事はそれだけに留まりません。
近年多くの商品が対応するようになったIoTに関連する製品からのデータ収集も該当します。
技術の進歩によってIoTの重要度がますます高まっていることもあり、データエンジニアにとってインフラに関するスキルは必須です。
分散処理に関するスキル
分散処理に関するスキルも、データエンジニアにとって重要です。ビッグデータを扱う場合、特に意識しなければなりません。データの量が増えれば増えるほど、分散処理が必要になるためです。
分散処理とは、複数のサーバーやCPUを使って大規模なデータを分析・解析する行為を指します。
ビッグデータを扱う場面が増えているため、分散処理を求められる場面も増えています。データエンジニアになるならば、避けては通れない道です。
分散処理に関するスキルは、必ず身につけておきましょう。
数学・統計学に関するスキル
データを分析するための知識として、数学や統計学に関する知識も重要です。パソコン上でするとは言っても、基礎的な知識は身につけておいて損はありません。
身につけるスキルは簡単なものでOKです。微分積分レベルで大丈夫でしょう。統計学はわかりやすい教本が発売されているので、一読すればおおよそ理解できます。
データ分析は知識のあるなしで理解度が大きく変わります。隙間時間を使って学習し、身につけていきましょう。
データエンジニアに欲しい資格
データエンジニアになるために必要な資格はありません。なろうと思えば、その瞬間になれます。ただし、データエンジニアとしてスキルアップをしていくのであれば、持っておきたい資格があります。
特にオススメなのが以下の資格です。
- データベーススペシャリスト試験
- システムアーキテクト試験
- Google Cloud認定資格「Professional Data Engineer」
- Oracle Master
- 統計検定
データベースに関係する資格は、データエンジニアでも有効的に作用します。その他、ビッグデータを扱うので、統計検定も取得しておくと良いでしょう。統計学に関する知識や活用力を評価してくれる試験です。
資格は身につけることで客観的な評価に繋がります。ぜひ挑戦してみてくださいね。
データエンジニアのビジネス価値は高い
ネットワークが発達した昨今、データエンジニアのビジネス価値は高くなっています。巨大サイトのビッグデータはもちろん、以下の点でもデータを活用するためです。
- AI
- IoT
- DX
近年はデータ時代とも呼ばれています。データをどう活用するかが、企業が抱える大きな課題の1つです。
データエンジニアは、そうした企業の戦略の根幹を支える存在でもあります。ビジネス的な価値は非常に高いと言えるでしょう。
データエンジニアはデータ活用のために欠かせない人材
データエンジニアは、データを活用するための下地を整える人材です。データの取得はもちろん、使いやすいように加工し整理まで行います。まさしく縁の下の力持ちのような存在です。
そのため、身につけておくべきスキルは様々なものがあります。資格の取得と一緒に少しずつ身につけていくと良いでしょう。初学者の方は、まずプログラミングから始めてみてくださいね。
【番外編】USBも知らなかった私が独学でプログラミングを勉強してGAFAに入社するまでの話
プログラミング塾に半年通えば、一人前になれると思っているあなた。それ、勘違いですよ。「なぜ間違いなの?」「正しい勉強法とは何なの?」ITを学び始める全ての人に知って欲しい。そう思って書きました。是非読んでみてください。
「フリーランスエンジニア」
近年やっと世間に浸透した言葉だ。ひと昔まえ、終身雇用は当たり前で、大企業に就職することは一種のステータスだった。しかし、そんな時代も終わり「優秀な人材は転職する」ことが当たり前の時代となる。フリーランスエンジニアに高価値が付く現在、ネットを見ると「未経験でも年収400万以上」などと書いてある。これに釣られて、多くの人がフリーランスになろうとITの世界に入ってきている。私もその中の1人だ。数年前、USBも知らない状態からITの世界に没入し、そこから約2年間、毎日勉学を行なった。他人の何十倍も努力した。そして、企業研修やIT塾で数多くの受講生の指導経験も得た。そこで私は、伸びるエンジニアとそうでないエンジニアをたくさん見てきた。そして、稼げるエンジニア、稼げないエンジニアを見てきた。
「成功する人とそうでない人の違いは何か?」
私が出した答えは、「量産型エンジニアか否か」である。今のエンジニア市場には、量産型エンジニアが溢れている!!ここでの量産型エンジニアの定義は以下の通りである。
比較的簡単に学習可能なWebフレームワーク(WordPress, Rails)やPython等の知識はあるが、ITの基本概念を理解していないため、単調な作業しかこなすことができないエンジニアのこと。
多くの人がフリーランスエンジニアを目指す時代に中途半端な知識や技術力でこの世界に飛び込むと返って過酷な労働条件で働くことになる。そこで、エンジニアを目指すあなたがどう学習していくべきかを私の経験を交えて書こうと思った。続きはこちらから、、、、
エンベーダー編集部
エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。