ベンチャー系企業で評価されるエンジニアの資格として「Google Cloud Associate Cloud Engineer(ACE)」があります。(以下、ACEと略)
ACEは、データ分析基盤において一定の評価を得ている資格です。Google Cloudのエントリー的立ち位置にあり、実務で基本的なGoogle Cloudの設定や管理ができる証明になります。
今回はそんなACEについて、オススメの勉強方法と合格するポイントを解説します。資格取得を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
ACEはGoogle Cloudの認定資格
ACEは、Googleが提供しているクラウドサービス「Google CloudまたはGoogle Cloud Platform(GCP)」の各サービスの基本的な知識や使用方法が問われる試験です。
- ファインダメンタル:基礎レベル
- アソシエイト:中級レベル
- プロフェッショナル:上級レベル
GCPは、以上3つのレベルに分けられています。ACEはその中でもアソシエイトに該当し、取得することで中級者以上の知識があるという証明になります。
また、合格することで以下の特典が得られることも特徴です。
- メンバー限定のGoogle Cloud Certifiedコミュニティにアクセスし、ビジネス上のネットワークを築けるようになる
- デジタルバッジと証明書を取得でき、SNSで実績アピールも可能
- Google Cloud Cretifiedコミュニティに合格者として登録できる
この他、プロフェッショナルを取得すると認定グッズを受けられるようになります。取得後の特典も非常に大きい資格です。
基本情報
ACEは合格ライン・合格率を非公開としています。
試験時間 | 120分 |
---|---|
出題数 | 50問 |
出題方法 | 選択式 |
試験方式 | ・オンライン(遠隔監視) |
・テストセンター | |
受講料 | $125(税別) |
試験は日本語・英語・スペイン語で提供されているため、日本語しかできない方でも安心です。
また、受講料には注意しましょう。円ではなく$決済となるため、受講時のレートによって金額が変わります。
評価される能力は5つ
ACEは、アプリケーションのデプロイ、オペレーションのモニタリング、エンタープライズソリューションの管理を行います。ACE試験を通じて、以下を行う能力があると評価されるわけです。
- クラウドソリューション環境の設定
- クラウドソリューションの計画と構成
- クラウドソリューションのデプロイと実装
- クラウドソリューションの正常な運用
- アクセスとセキュリティの構成
これらの能力を評価するため、必然的に出題範囲も則ったものになります。具体的な出題内容は、GCPの公式サイト「認定試験ガイド」に記載されているため、参考にしてください。
難易度は比較的簡単
ACEの難易度は、試験としては比較的簡単な部類に入ります。基本的なITの知識に加え、Google Cloudの業務経験があれば、問題なく取得できるでしょう。
ITの知識は、基礎情報技術者試験に合格できる程度であれば大丈夫です。ただし、普段からGoogle Cloudに触れているかどうかが前提となります。
Googleの考えるCloudとは何なのかを知った上で試験対策をする方が、段違いに理解度が深まるからです。その点さえ理解していれば、6ヶ月以上のGoogle Cloudにおける実務経験は必要ありません。
ACEのオススメの勉強方法
ACEを取得するためには、勉強はかかせません。ここからはACEを取得するためのオススメの勉強法を紹介します。
とはいえ、難しい方法は特にありません。以下の3つでOKです。
- 参考書を使って勉強する
- 公式サイトで模擬試験を受ける
- Udemyで試験感覚を掴む
参考書を使って勉強する
ACEには参考書が出版されています。体系的に学ぶためにも、実際に購入して使ってください。ネットで勉強するのも良いのですが、ページを開いてすぐに確認できるなど、紙の方が勉強には有利です。
Cloudを中心とした問題が出題されるので、以下の系統の参考書がオススメです。
- 仮想化、Cloud、コンテナを解説している本
- GCPについて解説している本
- Google Cloudについて解説している本
- ACP公式ガイド
これらを駆使して理解度を深めていきましょう。
オススメの参考書
書店を見ても、どれが良いのかわからないという方向けに、オススメの参考書を紹介します。迷ったら、とりあえず以下を買って読み込んでみてください。
書籍名 | 出版社 | 金額(税込) |
---|---|---|
図解即戦力 仮想化&コンテナがこれ1冊でしっかりわかる教科書 | 技術評論社 | 2,398円 |
GCPの教科書 | リックテレコム | 3,960円 |
図解即戦力 Google Cloudのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書 | 技術評論社 | 2,728円 |
Google Cloud認定資格Associate Cloud Engineer公式ガイド | インプレス | 6,600円 |
どれも資格・解説において有名な出版社から出ているものばかりです。大型書店ならばほぼ置いています。
これらを使って試験対策をしてみてください。
公式サイトで模擬試験を受ける
参考書などを使ってGoogle Cloudへの理解度が深まったと実感したら、次は公式サイトで模擬試験を受けてみましょう。
ACEは公式サイトで何度でも模擬試験を受けられるため、実際の試験の感覚を掴めます。Googleアカウントがあれば、試験途中で離脱してもしっかり保存してくれます。
模擬試験を繰り返し解き、試験に慣れることを目指してください。
Udemyで試験感覚を掴む
画像引用:Udemy公式サイト
有料サービスにはなりますが、Udemyの問題集を受けて実際に試験感覚を掴む方法もオススメです。
40問✕3セットの模擬試験が、解説つきで提供されています。もし間違えたとしても解説を見られるため、次へのステップアップとして活用できます。
ただし、基本的には公式サイトの模擬試験までで大丈夫です。合格をより確実にしたい方は、Udemyを受けて自信をつけることをオススメします。
ACEに合格するためのポイント
ACEに合格するためには、意識しておきたいポイントがあります。勉強をする際は、以下の2つは必ず覚えておいてください。
- 細かい部分まで勉強して覚えておく
- 模擬問題を解いて慣れておく
細かい部分まで勉強して覚えておく
ACEでは、細かい部分まで出題されます。特に注意したい点が、似たようなサービスが複数あることです。それぞれの違いを最低限覚えておかないと、出題時に迷うことになります。
また、なるべくなら実際に触れておくことも大切です。机上で勉強するだけでなく、サービスに触れる機会を作って体験的にも勉強しておくと理解が深まります。
模擬問題を解いて慣れておく
模擬問題をひたすら解いて、慣れておきましょう。ACEに限らず全ての資格対策に最善の方法です。
ACEを含めたGCPの試験では、試験問題の公開が禁止されています。そのため、書籍を含めて公開されている問題は全て過去問ではありません。
ですが、模擬問題を解いていくことで以下の点があぶり出されます。
- 知識の有無
- 苦手な範囲
- 復習
模擬問題は繰り返すほど身についていきます。なるべく様々な問題に触れながら、合格を目指してください。
ACEはエンジニア気質の人にお勧めのGoogle Cloudの認定資格
Associate Cloud Engineerは、Google Cloudの認定資格です。取得することで、Google Cloudに関係する知識があると証明されます。IT系のベンチャー企業で評価される傾向にあり、公式サイトにも資格保持者として名前が掲載されることから、エンジニアならぜひ取っておきたい資格です。
特にフルスタックのようにマルチでこなせる、コードやDBも触っていたいというエンジニア気質な人にオススメできます。
ですが、ACEは過去問を公開していません。勉強する際は、参考書を使って勉強するしか方法がないのです。ある程度の知識が身についたら、公式サイトなどの模擬試験を使って徹底的に試験に慣れていきましょう。難易度自体はそれほど難しくないため、しっかり勉強すれば取得できますよ。
【番外編】USBも知らなかった私が独学でプログラミングを勉強してGAFAに入社するまでの話
プログラミング塾に半年通えば、一人前になれると思っているあなた。それ、勘違いですよ。「なぜ間違いなの?」「正しい勉強法とは何なの?」ITを学び始める全ての人に知って欲しい。そう思って書きました。是非読んでみてください。
「フリーランスエンジニア」
近年やっと世間に浸透した言葉だ。ひと昔まえ、終身雇用は当たり前で、大企業に就職することは一種のステータスだった。しかし、そんな時代も終わり「優秀な人材は転職する」ことが当たり前の時代となる。フリーランスエンジニアに高価値が付く現在、ネットを見ると「未経験でも年収400万以上」などと書いてある。これに釣られて、多くの人がフリーランスになろうとITの世界に入ってきている。私もその中の1人だ。数年前、USBも知らない状態からITの世界に没入し、そこから約2年間、毎日勉学を行なった。他人の何十倍も努力した。そして、企業研修やIT塾で数多くの受講生の指導経験も得た。そこで私は、伸びるエンジニアとそうでないエンジニアをたくさん見てきた。そして、稼げるエンジニア、稼げないエンジニアを見てきた。
「成功する人とそうでない人の違いは何か?」
私が出した答えは、「量産型エンジニアか否か」である。今のエンジニア市場には、量産型エンジニアが溢れている!!ここでの量産型エンジニアの定義は以下の通りである。
比較的簡単に学習可能なWebフレームワーク(WordPress, Rails)やPython等の知識はあるが、ITの基本概念を理解していないため、単調な作業しかこなすことができないエンジニアのこと。
多くの人がフリーランスエンジニアを目指す時代に中途半端な知識や技術力でこの世界に飛び込むと返って過酷な労働条件で働くことになる。そこで、エンジニアを目指すあなたがどう学習していくべきかを私の経験を交えて書こうと思った。続きはこちらから、、、、
エンベーダー編集部
エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。
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