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2022.11.12

【初心者入門】Python list(配列)の基本操作について

この記事ではPythonのリスト(list)について解説します。

リストの入門編として「リストとは何か」と、「リストの基本的な操作方法」について説明していきます。

リスト(list)とは

リストはPythonのデータ型の一つで、配列と呼ばれ、[]を使用します。[]の中に格納した値を「要素」と呼び、それぞれに「インデックス」と呼ばれる番号を付与します。インデックスは、先頭が0から始まる点に注意しましょう。

Pythonでは、以下のように宣言します。

sample_list = ["A", "B", "C", "D", "E"]

この時、要素とインデックスの関係は以下のようになります。

index01234 or -1
要素abcde

リストの宣言と初期化

リストは、「空の配列の宣言」と「配列の初期化」の2つにより作成できます。

# listの宣言と空のlistを作成
sample_list = []

# listの宣言と要素を追加
sample_list = ["A", "B", "C", "D", "E"]

listの操作について

Pythonでは、list型の変数に対して、様々なメソッドを用意しています。基本的なメソッドについて表にまとめました。

操作メソッド詳細
append()リストの末尾に要素を一つ追加する
insert()指定した位置に要素を挿入する
clear()リストの中の要素を全て削除する
remove()要素を指定し、その要素を削除する
pop()インデックス指定に対応した要素を削除する
index()要素指定に対応したインデックスを検索する
len()リストの中の要素を数える
extend()複数のリスト一つに結合する
sort()リストの中の要素を整列させる

また、上記の基本的なメソッド以外に今回紹介する演算子なども表にまとめました。

演算子など詳細
+複数のリストを一つに結合する演算子
in要素があるかを検索する演算子
delリストの中の要素を削除するdel文
join()文字列を結合するstr型のメソッド
sorted()リストの中の要素を整列させる組み込み関数

リストの基本操作

ここから、上で紹介したメソッドなどを実際にコーディングして、その動作を確認していきます。

要素の取得

  • インデックス指定

リストに対してインデックスを指定すると、指定したインデックスに対応した要素を取得することができます。

sample_list = ["A", "B", "C", "D", "E"]

# ①index0を指定
print(sample_list[0])
# 出力結果: A

# ②どちらもリストの末尾を指定している
print(sample_list[4])
print(sample_list[-1])
# 出力結果: E

# ③存在しないindexを指定
print(sample_list[6])
# 出力結果: IndexError: list index out of range

③のように、存在しないインデックスを指定するとエラーになります。詳しくは下の図を参考にしてください。

  • スライス

スライスは、:(コロン)の前後にインデックスを指定することで行います。リストに対してスライスを行うと、スライスで指定した範囲の要素の入った配列が取得できます。

sample_list = ["A", "B", "C", "D", "E"]

# ①index0~41個前まで
print(sample_list[0:4])
# 出力結果: ['A', 'B', 'C', 'D']

# ②index-1~全て
print(sample_list[-1:])
# 出力結果: ['E']

# ③index2~61個前まで
print(sample_list[2:6])
# 出力結果: ['C', 'D', 'E']

# ④index5~全て
print(sample_list[5:])
# 出力結果: []

①の、インデックスを:より後に指定した時の範囲は指定したインデックスの1個前までとなる、という点に注意してください。

②のように、スライスの際のインデックスをどちらか省略することができます。

また、③と④のように存在しないインデックスを指定してスライスを行うと、エラーにはなりませんがその際の動作が特殊です。詳しくは下の図を参考にしてください。

要素の追加

  • append()

append()末尾に要素を追加します。

sample_list = ["A", "B", "C"]

# ①
sample_list.append("D")
print(sample_list)
# 出力結果: ['A', 'B', 'C', 'D']

# ②
sample_list.append(["E", "F"])
print(sample_list)
# 出力結果: ['A', 'B', 'C', 'D', ['E', 'F']]

# ③
sample_list.append("100")
print(sample_list)
# 出力結果: ['A', 'B', 'C', 'D', ['E', 'F'], '100']

②では配列を追加しました。append()では配列も一つの要素とみなされ、配列同士が結合されることはありません。

③ではint型の100を追加しました。リストは異なるデータ型の要素を格納できます。

  • insert()

insert()指定した位置に要素を挿入します。第1引数にインデックス、第2引数に要素を指定します。

sample_list = ["A", "B", "C"]

# ①index1を指定してい"X"を挿入
sample_list.insert(1, "X")
print(sample_list)
# 出力結果: ['A', 'X', 'B', 'C']

# ②リストの末を指定して"Y"を挿入
sample_list.insert(-1, "Y")
print(sample_list)
# 出力結果: ['A', 'X', 'B', 'Y', 'C']

# ③存在しないindexを指定して、"Z"を挿入
sample_list.insert(5, "Z")
print(sample_list)
# 出力結果: ['A', 'X', 'B', 'Y', 'C', 'Z']

①と②の実行結果を見てください。insert()で指定したインデックスより後の要素は後ろにずれる形になります。

③のように存在しないインデックスを指定した場合、元々あったリストの要素の末尾に追加されます。

要素の削除

  • clear()

clear()を使用するとリストの中の要素を全て削除します。メソッドの実行後は空の配列が残ります。

sample_list = ["A", "B", "C", "D", "E"]

sample_list.clear()
print(sample_list)
# 出力結果: []
  • remove()

remove()要素を指定し、その要素を削除します。

sample_list = ["A", "B", "B", "D", "E"]

# ①
sample_list.remove("A")
print(sample_list)
# 出力結果: ['B', 'C', 'D', 'E']

# ②
sample_list.remove("B")
print(sample_list)
# 出力結果: ['B', 'D', 'E']

# ③存在しない要素を指定する
sample_list.remove("Z")
print(sample_list)
# 出力結果: ValueError: list.remove(x): x not in list

②では要素が二つあるBを指定しましたが、出力結果にまだBが存在しています。remove()は最初にマッチした要素だけ削除します。

③のように存在しない要素を指定するとエラーになります。

  • pop()

pop()インデックスを指定し、指定したインデックスに対応した要素を削除します。引数を省略した場合はリストの末尾を削除します。

sample_list = ["A", "B", "C", "D", "E"]

# ①index0を指定
print(sample_list.pop(0))
print(sample_list)
# 出力結果:
# A
# ['B', 'C', 'D', 'E']

# ②引数を省略
sample_list.pop()
print(sample_list)
# 出力結果: ['B', 'C', 'D']

# ③存在しないindexを指定
sample_list.pop(4)
# 出力結果: IndexError: pop index out of range

①の最初のprint()では、pop()を使用した際にAと出力されました。pop()には削除する際にその要素を返すという特徴があります。

②の実行結果を見ると、リストの末尾にあったEが削除されています。つまり、pop()引数を省略するとリストの末尾を削除します。

③のように存在しないインデックスを指定するとエラーになります。

  • del

deldel文と呼ばれ、インデックスを指定して要素を削除することができます。インデックス指定はpop()でも出来ますが、delは実行時に削除した要素を返しません。また、スライスで複数の要素を削除することや、リスト自体を削除することもできます。

sample_list = ["A", "B", "C", "D", "E"]

# ①index0を指定
del sample_list[0]
print(sample_list)
# 出力結果: ['B', 'C', 'D', 'E']

# ②index1~-11個前まで
del sample_list[1:-1]
print(sample_list)
# 出力結果: ['B', 'E']

# ③リスト自体を削除
del sample_list
print(sample_list)
# 出力結果: NameError: name 'sample_list' is not defined

②ではスライスで指定した範囲の複数の要素を削除しました。

③では、sample_list自体を削除しました。そのため、リストを出力しようとしても「そのリストがない」というエラーが出ます。

検索方法

  • in

inはリストの中に指定した要素があるかを検索する演算子です。検索後の結果はTrueまたはFalseで返されます。

sample_list = ["A", "B", "C", "D", "E"]

# ①要素Aを検索
print("A" in sample_list)
# 出力結果: True

# ②存在しない要素Xを検索
print("X" in sample_list)
# 出力結果: False

①は指定した要素が存在するため、Trueと返されます。

②では存在しない要素を指定したため、Falseとなります。

  • index()

index()は要素を指定し、その要素があるかを検索します。返されるのはその要素のインデックスです。

sample_list = ["A", "B", "C", "D", "E"]

# ①要素Eを指定
print(sample_list.index("E"))
# 出力結果: 4

# ②存在しない要素Xを指定
print(sample_list.index("X"))
# 出力結果: ValueError: 'X' is not in list

①は指定した要素に対応したインデックスが返されます。

②では存在しない要素を指定したため、エラーとなります。

カウント

  • len()

len()は引数にリストを指定するとリストの中の要素数を数えることができます。リストの中の要素が何であるかは関係なく、例えば「リスト内の配列」は一つの要素と数えられます。

sample_list1 = ["A", "B", "C", "D", "E"]
sample_list2 = [100, 2000, True, ["X", "Y"]]

# ①
print(len(sample_list1))
# 出力結果: 5

# ②
print(len(sample_list2))
# 出力結果: 4

リストの応用操作

ここからリストの応用操作に移ります。リストの基本操作ではリストの中のインデックスや要素に対して操作しましたが、応用操作ではリスト自体を操作していきます。

結合

  • extend()

extend()リストに文字列を結合、またはリスト同士の結合を行うことができます。

sample_list1 = ["A", "B"]
sample_list2 = ["E", "F"]

# ①
sample_list1.extend("CD")
print(sample_list1)
# 出力結果: ['A', 'B', 'C', 'D']

# ②
sample_list1.extend(sample_list2)
print(sample_list1)
# 出力結果: ['A', 'B', 'C', 'D', 'E', 'F']

# ③
sample_list3 = sample_list1.extend(sample_list2)
print(sample_list3)
# 出力結果: None

①ではリストに文字列を結合しました。出力結果を見て分かるように、CDの要素が一つずつ格納されました。

②ではリスト同士の結合を行いました。結合元のsample_list1に対してextend()を使用することで、sample_list1の末尾にsample_list2の要素が結合されました。

③ではリスト同士の結合結果を、新しいリスト変数sample_list3に格納しました。sample_list3の中身を見るとNoneとなっています。extend()では結合結果を他のリスト変数に格納することができません

+は結合を行う演算子です。結合を行える範囲がextend()とは異なりますので以下を見てください。

sample_list1 = ["A", "B"]
sample_list2 = ["E", "F"]

# ①
sample_list1 + "CD"
print(sample_list1)
# 実行結果: TypeError: can only concatenate list (not "str") to list

# ②
sample_list1 + sample_list2
print(sample_list1)
print(sample_list2)
# 出力結果: ['A', 'B']
# 出力結果: ['E', 'F']

# ③
sample_list3 = sample_list1 + sample_list2
print(sample_list3)
# 出力結果: ['A', 'B', 'E', 'F']

①ではリストに文字列を結合しようとしましたが、エラーになりました。(上記のコードを試す際は①の処理をコメントアウトしてください)

②ではリスト同士を結合しましたが、それぞれのリストに変化はありません。リスト同士の結合を行うためには、③のように新しいリスト変数に格納する必要があります。

  • join()

join()はリストの文字列の要素を連結することができます。

"".join(sample_list)のように空の文字列を指定すると、abcdeと要素が返されます。空の文字列ではなく、,(カンマ)区切りで返したい場合は","と指定するとa,b,c,d,eと返されます。

例えば、sample_list = ["a", "b", "c", 4, 5]のように文字列以外の要素が入っている場合joinを使用するとエラーになります。sample_list["a", "b", "c", "4", "5"]のように全て文字列にしてからjoinを使用すると結合できます。

分割

  • スライス

前述したスライスを使用すると、リストの要素を分割することができます。

sample_list = ["A", "B", "C", "D", "E"]

# ①index2~全て
print(sample_list[2:])
print(sample_list)
# 出力結果:
# ['C', 'D', 'E']
# ['A', 'B', 'C', 'D', 'E']

# ②index2~全て
new_sample_list = sample_list[2:]
print(new_sample_list)
# 出力結果: ['C', 'D', 'E']

①を見て分かると思いますが、スライスで分割した後に分割元のsample_listの中身が変わるわけではありません。分割した結果を次の処理に使いたい場合は、②のように分割した結果を新しいリスト変数に格納する必要があります。

整列

sort()sorted()を使用するとリスト内の要素を昇順、または降順で並び替えることができます。まずは双方の基本的な動作を確認してみましょう。

  • sort()
sample_list = ["E", "D", "C", "B", "A"]

# ①昇順に整列
sample_list.sort()
print(sample_list)
# 出力結果: ['A', 'B', 'C', 'D', 'E']

# ②降順に整列
sample_list.sort(reverse=True)
print(sample_list)
# 出力結果: ['E', 'D', 'C', 'B', 'A']

# ③昇順に整列した結果を新しいリスト変数に格納する
new_sample_list = sample_list.sort()
print(new_sample_list)
# 出力結果: []
  • sorted()
sample_list = ["E", "D", "C", "B", "A"]

# ①昇順に整列
sorted(sample_list)
print(sample_list)
# 出力結果: ['A', 'B', 'C', 'D', 'E']

# ②降順に整列
sorted(sample_list, reverse=True)
print(sample_list)
# 出力結果: ['E', 'D', 'C', 'B', 'A']

# ③昇順に整列した結果を新しいリスト変数に格納する
new_sample_list = sorted(sample_list)
print(new_sample_list)
# 出力結果: ['A', 'B', 'C', 'D', 'E']

sort()はリストに対してsort()を実行すると、リスト内の要素が昇順に整列します。降順は引数にreverse=Trueを指定することで行います。

sorted()は関数なので、引数に整列対象のリストを渡します。そのまま実行するとリスト内の要素が昇順に整列します。降順は第2引数にreverse=Trueを指定することで行います。

上で動作確認をしたsort()sorted()それぞれの③の実行結果が異なっています。これは、sort()の処理がリストを一度変更する破壊的処理であり、sorted()の処理がリストを変更しない非破壊処理であるためです。詳しくは下の図を参考にしてください。

まとめ

今回はリストとその操作について解説しました。

Pythonで扱われる値をまとめるデータ型の中でも特に多く使用されます。「条件分岐」や「繰り返し」などの発展的な用途に活かせるように、リスト操作の基本的な部分はしっかりと押さえておきましょう。

エンベーダー編集部

エンベーダーは、ITスクールRareTECHのインフラ学習教材として誕生しました。 「遊びながらインフラエンジニアへ」をコンセプトに、インフラへの学習ハードルを下げるツールとして運営されています。

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